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noteは対話型専門知に溢れている(気がする)【読書のキロク】

こんばんは、"もっちゃん”です。

今回も【読書のキロク】になりますが、
今回読んだ本は非常に面白かったです。研究書(?)になりますが、興味のある方はぜひ読んでみていただきたいです。

◯今回読んだ本:『専門知を再考する』 著者:H・コリンズ/R・エヴァンズ 奥田太郎 監訳 和田 慈/清水右郷 訳 名古屋大学出版会

もともとは“Rethinking Expertise”という洋書であり、本書はその訳本になります。読みやすく訳されてはいるものの、ニュアンスが伝わりにくい場合は、原著にあたっていただけると良いかと思います。

◯概要

<専門家 vs 素人>を超えて ——。科学技術の浸透した世界で物事を決めるとき、専門家を無視することも、絶対的に信頼することもできない。では専門知とは何か。会話や「農民の知」から、査読や科学プロジェクト運営まで、専門知の多様なあり方を初めてトータルに位置づける。対話型専門知の可能性に光をあて、現代社会に展望をひらく名著。

上記ホームページ内容紹介より

以下で説明しますが、「対話型専門知」に焦点を当てて、現代社会に必要な「専門知」について再考する、というコンセプトかと思われます。

◯対話型専門知とは

本書では、「専門知」を細かく分けている。

言い方は悪いかもしれませんが、
下位レベルの知識から上位レベルの知識まで並べてみると、

ビアマット知識:ビアマットに書かれる程度の断片的な知識

通俗的理解:メディアや本を読んで得られるくらいの知識

一次資料知識:一次資料を読むことで得られるくらいの知識

対話型専門知」

貢献型専門知:専門分野の発展に貢献できるレベルの知識

本書より抜粋

のようになります。
本書の推すところは、貢献型専門知の手前に「対話型専門知」を置くところです。

上に倣って「対話型専門知」を簡単に説明するとすれば、

貢献型専門知と一般の人々を繋げられるレベルの知識

となるのでしょうか。例えば、仕事を通して専門家と関わることで得られていくような知識となります。

対話型専門知を有する方のイメージとしては、
「〇〇ジャーナリスト」とか「〇〇評論家」と呼ばれる方々となるように思います。こうした対話型専門知を有する方々により、我々は専門的な内容まで考えることができるように思います。

◯対話型専門知が生きるところ”note”

個人的に思うのは、ミュージアムのキュレーターや学芸員など、「対話型専門知」の考え方を用いることで、その位置付けがはっきりしやすくなるものが多々あるように思います。

また、スペシャリストが各所で求められるようになりそうな現代。
専門知が各所に局所的に点在するような形になってしまいかねないと思います。

そんな中、対話型専門知を有する人材の役割というのは今後大きくなっていくのではないでしょうか。
そう考えると、この“note”というツールも、対話型専門知の集約するような機関になり得るとも思います。
対話型専門知を有するクリエイターさんの集まりではありませんか!?

本来のnoteの使い方というとわからないところもありますが、
教育に関することも含め、noteの場には対話型専門知があふれているようにも感じています。

◯教職大学院と対話型専門知

対話型専門知について知ったとき、真っ先に思い浮かんだのは“教職大学院”です。

どちらかというと貢献型専門知を身につけたいところなのかもしれませんが、
後々現場に戻って活動することを考えると…。

教育の現場において対話型専門知を有し、貢献型専門知と教員とを繋ぐ存在になり得るのが教職大学院生ではないか!

なんてことを思います。

教員の現場において、そういった存在は必要だと思いたい。
本来学習指導主任や研究主任が兼ねるべきところなのかもしれませんが。


ということを考えました。
教職大学院に通うにあたって、自分としても今後のポジションとして意識していきたいところです。

今後もう一度読みたい本でした。


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