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言葉のことばかり【はくしょん】

くしゃみの音が響いてる。

来ましたね。今年もこの季節。

人々の心に安らぎを与える花なのに
なーんで花粉だとそれを奪うのか。

今日も街のあちらこちらで
くしゃみの音が響いていることでしょう。

風邪薬のCMで
🎵 ハークション、ハークション、
  ほら風邪だ〜、ってのありましたが、

実際のところ、くしゃみの音は
「はーくしゅん」じゃないでしょう。

「はー」なんてのんびりしてる場合じゃない。

「はっくしゅん」か
「へっくしゅん」か
「いっくしゅん」か、
「ふっくしゅん」な時もありますけど、

いずれにしてもアタマの「はっ」と
それに続く「くしゅん」の二重構造ですね。

アタマの音はそのときの
口のカタチによって変わります。
周りの状況や、自分の精神状態で、
アタマの音を大きく出すか、音にしないか、
という違いはありますね。

余裕があるとアタマの音、強く出します。
これからワタシ、くしゃみさせていただきます。
という、心構えの現れで、

息をゆっくり吸い込んでいるとき。
だから正確に言うと
「音」ではない
んですけどね。

くしゃみ短縮形

まわりに人がいたり、突発的だったりすると、
アタマの音はなくなります。

いきなり「くしゅん」。

アタマが息を呑む感じの「ん」になる。
そうなると、必然的に
「くしゅん」の音が濁る傾向が出てきます。

アタマで口を開いていないからですね。
「ぐしゅん」とか、
さらに突発的なので音が短くなり、

「ぐしゅ」とか。

一目をはばかって、
音を短くしようとするんですが、
かえって音は汚くなるんですね。

「ぶしゅ」とか。

どんどんやばいゾーンに入ってくる。
ほとんどくしゃみの音ですら
ないようなモノになっていきますね。

ボクの知り合いで、
すごいのがありました。

女の人なんですけど、
たぶん音を出さないことと、
つばとか飛び散らないように気にして、
口をまったく開けないんですね。

で、どうなるかというと、

「ぶ」

これはすごいですよ。
直前に無音で息を吸い込んでいますから、
正確には「……ぶっ」という感じですね。

いきなり黙ったかと思うと、

「ぶ」。

これはね、逆にそうとう危ないですよ。
口を全く閉じているので、
耳から音が出てるみたいに見える。

アニメなんかで爆弾飲み込んで、
お腹のなかで爆発した感じね。

すごくカラダに悪そうなので、
さすがに注意しました。
「やめたほうがいいよ」って。

たぶん、思いっきりくしゃみして、
鼻水デロンなんていう
つらい経験があるんでしょうね。
トラウマというか…。

くしゃみの語源。

そういえば「くしゃみ」と言葉、
これ自体がはくしょんみたいに
ちょっと「音」っぽいですよね。

「くしゃみ!」っていうくしゃみ、
さすがに見たことけど。

日本語の「くしゃみ」という表現の語源は「くさめ)」という言葉で、古代の日本ではくしゃみをすると鼻から魂が抜けると信じられており、そのためにくしゃみをすると寿命が縮まると信じられていた。

くしゃみは悪霊などの仕業と考える習俗が古代から広くあり、くしゃみで魂が抜けた身体に悪霊などが入り込み健康を害する、悪疫が広まると信じられ、恐れられてきた。そこで早死にを避けるため「くさめ」という呪文を唱えるようになり、いつしかそれが「くしゃみ」という名前となり、その行為そのものを指すようになったと考えられている。

Wikipediaより

そういえば狂言で「くっさめくっさめ」
って、くしゃみしてたような気もします。
やっぱり「音」だったのか?

それにしても呪文だったんですね。

誰かがくしゃみをしたときに、
悪霊がこっちに来ないように発する言葉
だったんですね。
エンガチョみたいなもんか。

そう考えると、ウイルスって悪霊だな。
まあ間違ってない。

花粉症のくしゃみで飛び散るのは
ツバと鼻水だけなんでいいけど。

…よくないですね。

あの忌まわしい花粉症の季節が来て、
街のあちらこちらでまた
「ぶ」とか、「ぐしゅ」とか、
おそろしい音が聞こえることでしょう。

くしゃみはできるだけ、
ちゃんとハンカチかティッシュを用意して、
思いっきりかましたいものです。

思いっきりの方がスッキリして、
キモチいいっすからねえ。

思いっきりも止まらなくなると、
それだけでかなり疲労してしまいますが…。
くしゃみで肋骨折ったって人もいるし。

あとマスクしたままでやると
中がベチャベチャになる

かえって大惨事を招くので怖いです。

その時はあわてて外すべきなのか、
しかしマスクを外して
ハンカチを取り出すのは難易度高い。

これはかなりの難問です。

次回の言葉は「オサリバン」です。

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