さとん

初心者作家 30代ゲイ♂。とあるドラマの影響で、ゲイの純愛小説・漫画に挑戦。 少しでも…

さとん

初心者作家 30代ゲイ♂。とあるドラマの影響で、ゲイの純愛小説・漫画に挑戦。 少しでも、誰かの妄想に届くといいな。 優しいコメント、ご支援などいただけると嬉しいです🙇

最近の記事

【小説】とあるゲイの恋物語【第8話】

あれから数日後 こうすけが、友達のだいきと、いつもと違うお店で飲みに出ていた。 「んで、この前のデートはどうだったんだよ。」 笑みを浮かべながら、だいきが、こうすけに尋ねた。 「どうだったって。一緒にご飯行っただけだよ。」 「はぁ…そうじゃないだろ。手とか繋ぐとかは?」 「してない・・・」 「え!?なにもしてないのかよ?」 「それは、としやくんもちょっとがっかりしてるんじゃないか?」 「そ、そうなのかな。でも、今度うちにハンバーグたべる約束はしたぞ」 「ハンバー

    • 【小説】とあるゲイの恋物語【第7話】

      ランチを食べ終え、2人はお店の外へ出た。 「この後は、どうしよっか?」 こうすけがそう聞くと。 「近くの公園で、少し散歩しませんか?」 「いいね。行こう。行こう。」 そう言って、2人は歩き出した。 公園へ向かう途中、自動販売機の前に立ち止まった。 「としやくん、飲み物いる?」 こうすけが聞いた。 「はい!」 「どれにしようかな…。」 としやが悩んでいると、こうすけが先にブラックコーヒーを買った。 ガタンッ それを見てとしやも 「そしたら、僕も、同じもので。」

      • 【小説】とあるゲイの恋物語【第6話】

        土曜日 待ち合わせ時間 駅前であちこちをキョロキョロと見回すとしや。 そこに遠くから小走りで大男が近寄ってきた。 「としやくん。久しぶり。待たせちゃったかな?」 としやは落ち着いた感じを装い 「大丈夫ですよ。僕もいま、来たばかりです。」 「今日は誘ってくれてありがとう。嬉しいよ。」 「俺のほうから誘えなくてごめんね。ゆうじさんにも叱られちゃったよ。」 「ぼ、僕の方こそ…」 そう言いながら、2人で顔を見合わせた。 「…行こっか。」 こうすけの声に、としやが照れた

        • 【小説】とあるゲイの恋物語【第5話】

          あれから数日、 としやは、こうすけからの連絡を待っていた。 自分の部屋のソファーの上で横になり、スマホの画面を眺めた。 「はぁ」 静かな部屋に大きなため息が響いた。 「こっちから連絡してもいいのかな。でも…なんて送ったらいいんだろう」 そう言いながら、こうすけを想い、スマホを胸に抱いた。 その夜、寂しさを抑えきれず としやは、あのお店の前にいた。 期待と不安でいっぱいの気持ちを抱えながらも、お店のドアを開けた。 「こんばんは。」 としやは、店内を見まわしたが

        【小説】とあるゲイの恋物語【第8話】

          【小説】とあるゲイの恋物語【第4話】

          としやは、店を出た後、 ため息をつきながら、トボトボと駅に向かって歩いていた。 その後ろ姿を見つけ、息を切らしながこうすけが駆け寄る。 「としやくん。」 としやは、その声に驚き、振り向いた。 「え!?こうすけさん?どういたんですか?」 こうすけは、としやにキーケースを見せた。 「としやくん、忘れ物だよ。」 「す、すみません、ありがとうございます。 としやが、キーケースを受け取ると あたりが、静まり返った。 「・・・」 2人は黙り込んでしまった。 少しして

          【小説】とあるゲイの恋物語【第4話】

          【小説】とあるゲイの恋物語【第3話】

          乾杯後、こうすけが話し始めた。 「だいき、この前話してた彼とは、会えたのか?」 少し残念そうな顔しながらだいきが 「それが、仕事が忙しいだの、予定があるだので、全然会ってくれないんだ。」 店主のゆうじが、少し怪訝そうな顔で、 「だいきぃ、それはあんた。脈なしよ?さっさと諦めて次の男を探しなさい!」 だいきは少し考えて 「ゆうじさんもそう思う?やっぱりそうだよな・・・。」 「もう、次に行くか!次!!」 笑いながら、だいきはお酒を一気に飲んだ。 だいきの様子を見

          【小説】とあるゲイの恋物語【第3話】

          【小説】とあるゲイの恋物語【第2話】

          ~再会~ 【数日後】 あの日の出会いが忘れられず また、あのお店のドアを開けた。 「こんばんは。」 としやが挨拶をすると 「としやくん、いらっしゃい。」 店主のゆうじが挨拶をした。 お店の中に入ると そこには、見覚えのある大男が1人。 ドアの開く音で、 振り向いた大男と目が合った。 「あ、こんばんは。としやくん、この前はありがと。」 大男のこうすけが、笑顔で挨拶をしながら としやを軽く手を振った。 少し緊張した様子で会釈をした後、 こうすけの横の席へ案内

          【小説】とあるゲイの恋物語【第2話】

          【小説】 とあるゲイの恋物語【第1話】

          30歳を迎え「恋」とはなんなのか。 その答えを求めて、とある夜の街へ足を踏み入れた。 ここは、会社員が仕事を終え、1日の疲れを癒しに通う飲屋街。 薄暗いビルの2階。 とあるお店のドアの前で、唾を一度飲み込み 重い扉を開けた。 ー 出会い ー 「こ、こんばんは。初めて来たのですが…」 「あら、いらっしゃい。はじめて?こちらの席にどーぞっ。」 ちらっと店内を見ると、誰かと目が合った。 軽く会釈をして、案内された席に座る。 そこには、先に座っていた2人組のお客さん。

          【小説】 とあるゲイの恋物語【第1話】