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【小説】とあるゲイの恋物語【第6話】

土曜日

待ち合わせ時間
駅前であちこちをキョロキョロと見回すとしや。

そこに遠くから小走りで大男が近寄ってきた。

「としやくん。久しぶり。待たせちゃったかな?」

としやは落ち着いた感じを装い
「大丈夫ですよ。僕もいま、来たばかりです。」

「今日は誘ってくれてありがとう。嬉しいよ。」
「俺のほうから誘えなくてごめんね。ゆうじさんにも叱られちゃったよ。」

「ぼ、僕の方こそ…」

そう言いながら、2人で顔を見合わせた。


「…行こっか。」
こうすけの声に、としやが照れた様子で、「こくっ」と頷いた。


街路樹が並ぶ、賑わう街中を
並んで歩く2人の肩が擦れ合う。

照れながらも、としやが口を開いた。

「こ、こうすけさんは、休日っていつもは何されているんですか?」

こうすけが笑顔で答える
「俺は…家で料理作ったり、美味しい食べ物を探して散歩してるかな。」

としやも笑みを浮かべながら
「こうすけさんって、やっぱり食べるの、好きなんですね。」
っと、こうすけのお腹に視線が移る。


としやの視線を感じ、こうすけが少し恥ずかしそうに

「そうなんだよ。だからどんどん大きくなっちゃってね。」
っと照れながら、両手を横に広げ笑顔で体を大きく見せた。

こうすけの様子に、としやも笑った。


「さ、そろそろ予約の時間だから、お店に向かおうか」

こうすけがそう言うと、2人でお店に向かい歩き出した。

大きな窓ガラス。
外からでも、賑わう店内が一望できるほどだった。

大きなガラスの扉を開き中に入ると、窓側の席に案内された。

2人が向かい合わせに座り、注文を済ませ、話し始めた。

「こうすけさんは、どんな料理を作るのですか?」

「なんでも作るよ。」

「こうすけさんの手料理、僕も食べてみたいです。」

こうすけは嬉しかった。

「としやくんは、何か好きな食べ物はあるのかな?」

「僕は、ハン、ハンバーグが好きです!」

「そうなんだ。今度ご馳走するよ。よかったら、ウチにくる?」

「え?良いんですか?」

としやはこうすけの思わぬ誘いに、満面の笑みで答えた。

注文した料理が届き
2人は、楽しげに会話を続けながら、ランチを食べた。

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