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【今日の読書旅】 Day165

 ストックセールス
エリック・ピーターソン ティム・リーステラー 著 

実業之日本社 2021年


売り上げは、「既存顧客の維持」と「新規顧客の獲得」で成り立っている。
どちらの欠かせない要素であり、両輪を回して初めて売り上げを最大化できる。


日本のような成熟した市場では、新規顧客の獲得以上に「既存顧客との関係維持」は何より大切。


❶[3セレクト]

①ストックセールスとは

釣った魚に餌をやらない。新規集客施策を多く実践していても、既に取引のある顧客に対してどのようにアプローチするかプロセスを体系的に確立している企業は多くない。

ある調査によると、BtoB企業400社のうち8割が、「新規営業案件の創出に、営業・マーケティング予算の7割以上かけている」。

既存顧客のためのフォローを途絶えさせてしまえば、将来的に売り上げは先細りする。ストックセールスとは、新規顧客の獲得から、どのように顧客を維持し、発展させていけばいいかがわかる科学的な方法。

②現状維持バイアスの利用

見込客・既存客、顧客のステージごとに、アプローチ方法は異なる。それに深く関わってくるのが「現状維持バイアス」。現状維持バイアスは、現状にとどまろうとする人たちの心理的な癖。

見込客があなたから提案を受けた時:

「なぜ現状を変える必要があるのか」と疑問を抱く
→現状維持バイアスを打ち砕く

例)
・相手が気づいていない問題や課題、機会損失など、見落とされているニーズを伝える
・現状維持にはコストがかかることを伝える(人は、得るものより損失を被るほうと嫌う)
・現状のやり方では限界があることを伝える

既存顧客:

「どうしてあなたと取引を続けるべきなのか?」といった現状維持バイアスが働く
→現状維持バイアスを強化する

例)
・あなたの商品やサービスを購入した理由やプロセスを顧客に思いださせる(安定を優先させる)
・既にかかったコストは、業務改善効果などにより回収できていると伝える
・サンクコストになっていた予算に組み込まれていると伝える(変化に伴うコスト強化)
・プロセスについて、今までにどれくらいの労力をかけたかを思い出してもらう

③顧客との関係を維持する3つのメッセージ

1、現状維持を促すメッセージ:顧客に現状維持を促したいときに伝える
例)実績を報告する。利用後、どう変化したのか顧客と振り返りをする。更新せずに他社に移行した場合、時間や資金などのコストがかかることを伝える


2、値上げのメッセージ
例)見落とされていたニーズを訴え、値上げを正当化する

3、サービス・リカバリー・パラドックス
例)失敗にうまく対処できれば、問題が起きる前よりも高い評価を得られる。迅速に丁寧に対応する。

謝罪のメッセージでは、「率先した行動」「反応のはやさ」「補償」「謝罪」を意識して伝える。
特に、「補償」に関しては「どのように対処・補償するのか」具体的に明示すると効果的。顧客が被った不利益分の返金、迅速に現状報告する旨など、最初に申し出る。


❷[マイエピソード]

 わたしたちがよく知っている企業ほど、顧客との関係を維持するための仕組みが整っている印象を受ける。

クレーム対応スピードやリカバリーのスピードがはやく、フォローにかなりのコスト費やしている。

サスティナブルなビジネスは、顧客があってこそ。似たような商品やサービスが増え、人口も減っていく中、いかに顧客との関係を維持するかについて今まで以上に真剣に考えて取り組もう!

と、こんなことを書いていて、既存顧客の維持のある施策を思い出した。姉のパートナーが10年以上通うポール・スミスでは、「購入履歴アルバム?ファイル?」を作成してくれてあり、好みを把握していてくれたという話。自分だったら、絶対に嬉しい!


❸[今日からのアクション]

顧客様との関係維持のアイデアを10個アウトプットしてみる。


このnoteを書いている人について・・


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