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【本について】
タイトル:グレートメンタルモデル

著者:シェーン・パリッシュ リアノン・ボービアン
出版社:サンマーク出版

「グレートメンタルモデル」

Qどうすれば、最初から物事を正しく行うことができるのか?

A世界がどのような仕組みになっているか理解し、それに応じて行動する

【WHY】

メンタルモデル(認知様式、認知の型 )を理解する理由

先が読めない世の中、不確定要素が多い。原因がぼんやりしている。

【WHAT】

著者が「グレートメンタルモデル」を書いたきっかけと主張

著者は、マンガーという人物と出会う。その出会いにより、教育は社会で生きる力をつけてはくれない。学位をとればそれで全てが解決するわけではない、これからは頭の良さより、人生の知恵が役に立つと確信した。マンガーの常識にとらわれない思考と出会い、知的喜びへの扉が開かれた。

マンガーは、多くの理論を自ら実践している人で、メンタルモデルとそれを幅広い骨子構造に作り上げて問題に取り組むやり方を習得していた。結果を進んでわけ与えてくれる人から学ぶことは、MBAの勉強よりはるかに満足いくものになった。

*マンガー:米投資会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレンバフェット会長のビジネスパートナー

人々は、どのように考え、進化し、そしてどう学ぶのか理解し、より良い意思決定をする方法は何か?

メンタルモデルは、対処するためのもっとも適した解決や要因を特定するのに役立つ。

著者は、自分たちの子供に「誰かの頭の中をのぞいて見たいなら本を読めばいいよ」と教えている。

なぜなら、偉大な知恵は全てどこかに書かれているから。

だけれど、子供にメンタルモデルを伝えるために最適な本がなかった。

「未来に生まれてくる子供たちにまでずっと役立ててもらえるような時代を超越した広い考え方を残したい」

という思いから、先人たちの知恵を整理し、体系化し、本にまとめた。

私たちは、ただ知っていると思い込んでいるにすぎない。人間は皆、不完全な知恵に基づいて行動している。意味も目的も全て理解しているわけではない。

【WHAT】グレートメンタルモデルとは?


認知様式、認知の型、思考能力

(合理的な判断と正しい意思決定をするための思考法の集合体)

私たちがどのように考え、物事を理解し、どういった信念を持つようになるかを導くのがメンタルモデル。

世界はこう動くという認識の前提となる考え方。

普段、意識することはないけれど、何か問題が起こった時に何が重要で何がそうでないかを判断する根拠になっている。それにより、因果関係を推測し、物事にパターンを見出し、結論を出す。

メンタルモデルを理解して身につけ、それを格子のように頭の中でつなぎ、組み合わせることであらゆる局面で、正しく考え抜けるようになる。

世界をよりよく理解すぐための鍵は、頭の中にメンタルモデルの格子構造をつくりあげること。

メンタルモデルの骨子構造を身につけることで、意思決定能力を向上させることができる。

問題に直面するのを避け、人生を上手に生きられるようになる。

【WHAT】9つのメンタルモデル

1、地図の理論
2、能力の輪
3、第一原理思考
4、思考実験
5、二次的思考
6、確率思考
7、反転思考
8、オッカムのカミソリ
9、ハンロンのカミソリ

9つのメンタルモデルを組み合わせて活用すれば、どんな問題にも有効な対策がたてられるようになる。

【HOW】

■成功する鍵

考え方の死角をなくして現実をよりよく理解すること(2つの知恵「複眼的思考」と「合理的な判断力」から生まれる)

■知恵を正しく身につける

人生でもビジネスでも、知恵の死角がもっとも少ない人が有利

死角をなくせば、現実を直視し、しっかりを向き合い、正しく理解できるようになる。問題の避け方がわかるようになる。

■物事を見る角度を変える

メンタルモデルを使いこなせれば、物事の裏側で作用している要素を正しく理解し、対処できる。リスクを最小限に抑えることができる。結果がある程度予測可能になる。どんな問題にも上手に対応できるようになる。


■地に足をつける

物事の理解が現実とかけ離れていないか常に確認し続ける。

現実がどの程度理解しているかを知る唯一の方法はアイデアと理解を行動に移すこと。

■常に現実のことを考える

物事の理解が現実とかけ離れていないか?現実をどの程度理解しているかを知る唯一の方法は、アイデアと理解を行動に移すこと。自分の考えが正しいかどうかを現実世界と照らし合わせて確認しなければ、ものごとをきちんと理解しているという確信を得ることは難しい。

■自分の考えへのとらとらわれをほどく

積極的に理解しようとしていないものは目に見えず、気づかないものはずっと気づかないままになる。


《現実をきちんと把握して自分を向上させられない人の3つの原因》


1、物事をさまざまな角度から見る「視点」が身についていない

自分たちの行動の結果を本当に理解したいのであれば、他者の視点を受け入れる必要がある。

2、「エゴ」が邪魔をする

エゴのせいで世界から学ぶことができない。私たちは、自分の意見に固執しすぎる。

批判されることを優先するあまり、間違いに気づいたり行動を変えたりするのが難しくなる。

ー私たちの癖ー

私たちには「防衛本能」が働く。

新しい考えを取り入れようとするのではなく、身を守ることに意識が集中するようになる。私たちのエゴは、実際に起こったことではなく、自分が信じたいと思うことに合わせて結果を解釈しようとする。

世界が自分の思うようにならないとき、世界をきちんと理解できない時に私たちは失敗する。

→考え方を改める代わりに間違った方向に努力を重ね、欲求不満と不安を倍増させることになる。

また、間違いを修正しようと何週間も何ヶ月もかけて膨大な時間を費やして努力を続けた後になってからとなる。ついつい白か黒かに単純化して考えようとする癖をやめること。

私たちは、将来の成功よりも今この瞬間に自分のエゴが傷つかないことを大事に考えてしまう。

自分の価値観に合わない出来事はよくないものであり間違っていると考えてしまう。

この世界は私たちの理解を超えたもので、私たちが世界からのフィードバックに耳を傾け、地に足をつけて努力している限り、生きていくために大切な全てのことを教えてくれる。

3、行為とその結果に「距離」がある

自分の行為の結果がすぐに実感できるものとかけ離れていればいるほど、現在の考えを諦めずにいるほうが簡単。

ー私たちの癖ー

人間は苦痛を避けようとする生き物なので、ストーブに触れる前に、それが熱いかどうか確認するようになる。

意思決定した内容と、その結果から得られるフィードバックに距離が生まれるほど、自分の正しさを疑わず、自らの考えや行動を検証することの難しさやつらさを避けるようになる。

反省しなければ、そこから学ぶことはできない。

■何度も繰り返し、粘り強く

粘り強く努力することによって、ようやくその壁を乗り越えることができる。

■理解の構造を知る

メンタルモデルは、これから何が起こるかを予測したり、すでに起こった出来事について理解したりするのを可能にする。より良いメンタルモデルはより良い思考につながる。

利用するモデルがどのくらい正確に説明できるかによって、私たちの思考力が向上する程度も決まる。

理解が深まればとるべき行動を的確に決められるようになり、今までなら気づかないままやってしまいかねなかった大きな問題を腹む行動を避けるのにも役立つ。目の前の問題にうまく対応できるだけではなく、そこから二次的、三次的に派生する結果を見通す力をつけることで、避けられる間違いをきちんと見極められるようになる。

■分野を超えて考え方を広げる

私たちの思考の質は、身につけたメンタルモデルに大きく影響される。

私たちには正確なモデルが必要だし、現実に上手に対処するには多くの種類のメンタルモデルが必要。

《私たちの多くは特定のことには詳しいものの、それ以外の分野について広く学ぶことが少ない》

ある問題が起こった時に現象を正確に理解するのに必要な、さまざまな分野にまたがった考え方が身についていない。

手持ちのモデルばかり使いすぎることになる

「金槌しか持っていないひとには、全てが問題が釘に見える。全ての問題が釘であるとは限らない」

視野やモデルを通じて問題を検討することで死角がなくなり、問題をよく理解できるようになる。

自分が知っていること以外の分野の基礎知識も学ぶことで、森林の管理に関しての優れた意思決定を可能にする、よりバランスの取れた理解につながる。

少数のモデルのみに依存することは、400万馬力の頭脳を持っているのに対し、50万馬力の出力しか使わないようなもの。

ーメンタルモデルの骨子構造を利用する必要があるー

モデルが影響しあい、作用しあう構造になることで、アイデアを評価し理解するのに役立つ。

脈絡のないことばかり覚えて闇くもに試しても、実際は何もわからない。

ー目を専門分野の外に広げるー

メンタルモデルの骨子構造を身につけていないと意思決定をしにくく、時間がかかり、創造性も低くなる。

メンタルモデルの道具箱を質量ともに豊にすることで、問題を理解するために必要なモデルが身に付く可能性が高くなる。
(より良いメンタルモデルはより良い決定につながる)

『本を読みながら、その内容の根底にある基本的な考え方の構造を理解する習慣を身につければ、自然に知恵が身についていく』
(チャーリー・マンガー)

■マスターに時間はかかがるがメリットは計りしれない

成幸する人々は、理論として確立された基本的な知識を貪欲に吸収する。それに基づいて現実の世界に現れるさまざまな状況を検討し、対応を考える。

さまざまな知識を統合するように真剣に取り組むことが大切だし、もっとも重要なことは、学んだ全ての知識を現実に即して組み合わせること。

キッチンに食材がたくさんあっても、それをどう組み合わせて調理すればいいかわからずに空腹のままでいるようなもの。

■どう考えたか考える

思考のモデルは使えば使うほど、もっとも適切なものを見極めるために必要な知識やノウハウを覚えていくもの。どれを使うか決めたら、それをノートに書き留めておいて結果を振り返るようにすれば、モデルの選び方と使い方の両方に習熟できる。

ー自分がどのようにメンタルモデルと応用したか、プロセスはどうだったか、結果がどうなったか記録するー

時間がたつにつれて、どういった状況にはどのモデルがもっともやくたつかがわかるようになる。

確証バイアスの罠に陥ることがなくなる。

練習を積むと、ニュースを読んだり、仕事選びしたり、普段の生活の中でごく自然にメンタルモデルと応用できるようになる。

思い込みを排除して物事を本来あるべき姿で見られるようになる。

成功が重なっていくと、時間に余裕が生まれ、ストレスがへり、充実した人生に繋がっていく。

【響いたメッセージ】

  • 人類にとっての偉大な知恵は全てどこかに書かれている

  • 人間の能力は身につけた思考の道具の良し悪しで決まる

  • ほとんどの問題は多面的

  • 現実にふれることを学ぶことの間にある最大の障壁は「私たち自身」

  • 私たちはたくさんの情報を持っていると思いがちだけれど、船に乗っている時には水の中にいる魚のほうがより多くの情報を持っている

  • よい判断とは、往々にして、悪い判断をしないことと同義

  • 金槌しか持たない人間には全てが釘に見える

  • 適切な判断を妨げる最大の敵は、何が問題なのかをきちんととらえる視点の欠如

  • 全体像の理解を深めるために、学んだ知識が他の知識とどう関連しているかを確認するのが大切

【アクション】

今まで無意識で行っていた「思考」を記録する。9つのうち、どれを使ったのかも記録していく。メンタルモデルを意識して使うことにより、判断の質をあげる。


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