インドネシア・東ジャワの結婚式に行く③おばあちゃんのキッチンと、食べたものまとめ
ついに到着しました。東ジャワ州、ポノロゴ。
結婚式は土曜日から。私たち家族は月曜日到着だったので、それまではのんびりです。
結婚式の様子は追ってまとめますが、その前に、1週間お世話になった義姉宅で食べたものをご紹介します。
義姉と言いましたが、私の夫は9人兄弟の末っ子で50歳。義姉は上から4番目で、おそらく70代でしょう。だからここからは、「おばあちゃん」と呼びます。おばあちゃんの家は、無人で廃墟と化した実家のすぐ近くにあります。
おばあちゃんのキッチンはこちらです。
かまど。
でも、新しく買ったガスコンロもあって、両方稼働させていました。コンロがあれば足りるはずなのですが、おばあちゃん、かまどが好きなんですって。多分、「薪はタダ」という事情もあるでしょう。
壁には使い込んだ鍋がたくさん。新しいのも2つありました。
おばあちゃんは朝から大量の米を炊き、おかずを2品ほど作ります。あとは1日中セルフサービス。
とはいえ今回は、他の義姉や姪たちもいて、市場に買い出しに出たり、せっせと料理をしてくれたりしたおかげで、色々なものを食べられました。
私ですか?私なんて完全にお客さんです。すみません。
さて、こちらはtiwul(ティウル)というご飯。
お米のように見えるのはキャッサバ(芋)をコネコネして丸めたものです。上には辛い味付けの青菜が乗っています。
若い衆が市場で買ってきたもので、私も興味があったのでいただきました。粒が小さく、ポロポロとしていますが、知らなければ「ちょっと変わった米だなあ」と思いながらも疑いなく食べられるかもしれません。コメの代替品として、よくできていると思います。
夫が小さかった頃は生活が厳しく、米を買えなかったため、このtiwulを食べることが多かったそうです。だから彼は「もう十分食べたからいらない」と言って、一口も食べませんでした。
ちなみにキャッサバの栄養素は、ほとんど炭水化物。ビタミンはほぼナシで、ミネラルが豊富なんだとか。
こちらはもち米を炊いたものと、ココナッツの実をおろして(・・と言うのかな?)塩味をつけたもの。真っ白ですね。
もち米って、すぐお腹が重くなります。実はこの後夕食だったのですが、はほとんど何も食べられませんでした。
お祝いの時にもち米を炊くという習慣は、日本に似ていますね。ただ、こうやって普通に炊いて食べるのではなくて、ほとんど餅のようについてまとめたjadah(ジャダ)というものです。軽食枠。jadahはココナッツミルクと塩味ですが、ヤシ砂糖で味を付けた甘いものもあって、つまり、はい。気を付けないと、お腹がパンパンになります。
こちらはおばあちゃんがココナッツミルクを作っているところ。
ヤシの実を採ってきてなたのようなもので割り、中の実をおろして、水を加えてぎゅっと絞ります。
もちろん、どこの家庭でもこうしているわけではありません。日本でも売っているようなパック入りのココナッツミルクもありますし、フレッシュなものがいい場合は、専用の機械があるお店に行って購入する人が多いのではないでしょうか。私も普段は600ml程度を5000ルピア(40円くらい)で買っています。
調理台はないので、床(土間)で作業していますね。手前には料理に使うスパイス類が見えています。これからすりつぶすわけです。
ココナッツミルクとスパイスが何に使われたのかと言うと、こちら。
(写真が暗いのは家の電気が暗いからです・・。)
鍋で煮られているのはtimbul(ティンブル)またはkluwih(クルウィ)と呼ばれるタネアリパンノキの実。日本の食材に例えると・・うーん・・。
こちらがタネアリパンノキの実。(Wikipediaから拝借しました)
それで(例えるのは諦めました)、できたものがこちら。
ココナッツカレーです。色は黄色ですが、けっこう辛いんですよ。
翌朝は大きなアボカドと一緒にいただきました!
裏メニューとしてはチキンカレーがありました。ただ、私はtimbulが好きだったのと、チキンカレーが辛すぎたのとでほとんど食べておらず、したがって写真もないのです。
親戚の結婚式のメインイベントは日曜日ですが、数日前から会場設営が始まって作業員(地域のおっちゃんたち)が出入りしていますし、木曜夜くらいから来客もあります。ということで、会場となる姪宅のキッチンはフル稼働。
事前のお客さんには、牛肉のスープrawon(ラウォン:写真左)とチキンカレーが用意されています。他はお菓子類。
(0歳9か月を抱きながら写真を撮ることも多いため、ブレブレになったりします。)
rawonは東ジャワを代表するメニューの一つです。ぜんぜん映えませんが、濃厚で美味しいんですよ。黒っぽい色は、kalawak(カラワク)とかklewek(クレウェク)とかと呼ばれる果物で付けています。
(中身が黒いkalawak。写真はまたまたWikipediaより。)
ある日の午後。
ココナッツウォーターが届きました。もちろんフレッシュ!私が催促していたので、夫が用意してくれたんです。ココナッツの木はおばあちゃん、および兄弟たちの土地にたくさんありますから、採る人さえいれば食べ放題・飲み放題です。
結婚式目前ということで、他の親戚も集まってきました。おやつのメニューも増えて、おなかいっぱい。
こちらは翌朝のキッチン。
コンロの手前に並べられているのはturi(トゥリ)と呼ばれる花で、おばあちゃんちのお庭に木があります。茹でたり炒めたりすると、主張しない、上品なお野菜メニューになるんです。流行り言葉を使えば、エディブルフラワーですね。
(向かって左の鍋からはみ出しているのは、チョコまんとドーナツ。前日のおやつの残りを、ご飯と一緒に温め直しています。)
こちらがturiの木。花は全部摘まれてしまっていますが・・。
さて、こちらは結婚式の日のお昼ご飯。
結婚式のゲストにはもちろん昼食がふるまわれたのですが、暑いのと密なのとで会場にいられず、早々に退散してしまいました。だから肝心の結婚式当日のお食事の写真がありません!
でも、これだっておいしいんですよ。黒いtiwul(キャッサバのお米風)。今回はもやしが乗っていますね。結婚式会場からもらってきた牛肉のrawonも添えていただきます。
おばあちゃんちの食卓に牛肉が乗ることは、ほとんどありません。私は今回3回目の訪問でしたが、たぶん初めてです。普段は(そう言えば写真がありませんが)豆腐とテンペ。あとは卵が隔日くらいで出ます。おばあちゃん一人なら、もっと質素でしょう。
こちらは結婚式の日の夕方、会場となったお宅でいただいた鶏肉。ローストチキンですね、多分。ayam jawa(アヤム・ジャワ)またはayam kampung(アヤム・カンプン)と呼ばれる放し飼いの鶏で、味がかなりしっかりしています。アヒル肉に近いような・・?
もしかすると、結婚式のランチのメインディッシュだったのかもしれません。いただいたのが、わりと骨がちな部分だったので・・。でも、すごーく美味しかったです。娘も喜んで食べました。
つづいて、dawet(ダウェット)が来ました。
dawetって本当に色々なんですが、基本はこちらの写真のもののように、ココナッツミルクをヤシ砂糖で味付けして、もち米やもち、あるいはゼリー類を入れたもののようです。
最終日の朝ごはん。
そう。インドネシアでは焼きそば(ミー・ゴレン)はおかずです!(もちろん、主食として食べることもありますけどね。)
他に、牛肉の煮込みrendang(ルンダン)、パパイヤの葉。苦いんですよ、パパイヤの葉。
最後に、現地(結婚式会場)から持ち帰ったスナック類。
手前はバナナチップスです。左奥は米の揚げせんべいみたいなの。奥に見えるのはkembang goyang(クンバン・ゴヤン)という揚げスナック。こちらは甘めです。右奥にちょこんと見えるのが、先ほどご紹介した餅「jadah」です。
バナナとパンダン(緑色の葉)のシフォンケーキももらいました。箱の隅っこの茶色いのはambon(アンボン)と呼ばれるケーキ。その下に見えるバナナの葉には、またまたjadahが包まれています。このjadah、全然食べきれなくて冷蔵庫でカチコチになっています・・電子レンジで復活するはず。
何か手伝いたいなあと思いながらも、いつもいつもお客様になってしまう外国人嫁。ザ・内向的人間なのです。誠に申し訳ありません。そしてありがとうございます。
ごちそうさまでした。
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