短編小説『Hurtful』 第6話 「嫌われたくない性格と煙草事件」
第1話前話「禁煙が退院の条件」になった鳴宮さんは、時たま喫煙所に入室しては、副流煙を吸いに来るようになった。
みんな一様に気まずい。だってそりゃそうだろう、口には出さないものの、
「煙草、いいなぁ。俺も吸いたいなぁ。誰か、一本、くれないかなぁ。
いや、あくまで俺が言うんじゃなくてね、そちら側の誰かがね、「あ、鳴宮さん、キツそうだね!一本どう?」なんて言ってね、そういう気ごころがないのかなぁ君達には。副流煙なんて、おいしくないに決まってるじゃない。
僕としてはね、副流煙を求め