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薬も過ぐれば毒となる

薬も飲みすぎれば害を及ぼす。
体に良いものも過度の摂取はかえって毒になるの意。(醒酔笑)

当然ながら、
健康な人は薬を必要としない。

薬の第一の目的は、
体の不調を治すことである。
いわば、体の不調に
特効薬を投与するようなものだから、
いわば悪い部分にとっては「毒」
なのである。

だから薬の使い過ぎは、
時として身体の
健康な部分にまで
影響を及ぼし、
副作用をもたらす。

さらにその不調が、
意図しない結果を
招くことがある。

過剰摂取が体全体に
害を及ぼすのは
当然である。

JanによるPixabayからの画像

しかし、
逆を言えば、
少々の毒がなければ、
薬にもならないわけだ。

純粋に味を楽しむだけのものは、
薬とは言えないだろう。

写真素材:熱燗で乾杯

興味深いことに、
しばしば万能薬として
もてはやされる日本酒は、
江戸時代初期(1603年~1868年)の
楽しい物語を集めた
『清酒抄』でユーモラスに
注意されているように、
節度を持って飲まなければ……
と戒めている。

『醒酔笑』より
「薬さえ過ぐれば毒となるいはれあり。まして酒の性は熱たり」

類語
・薬は身の毒
・過ぎたるは猶及ばざるが如し

その昔、
庶民の心を虜にした
笑話の宝庫
『醒睡笑(せいすいしょう)』

京都の僧、
安楽庵策伝(あんらくあん さくでん)の
手によるもので、
精神的な
知恵だけでなく、
茶と語りの名手
としても知られる。

この逸品は
8巻8冊に及ぶ
1039もの逸話からなり、
1623年に世に出た。

この笑いに満ちた
大全の起源は、
それ自体が物語、創作である。

彼は幼い頃から、
心の奥底に
面白いネタを
蓄えていた。

無名抄』や
宇治拾遺物語』のような
文学作品から
抜粋したものもあれば、
戯言養気集』や
昨日は今日の物語』のような
当時の大衆誌に
ルーツを求めるものもある。

これらの物語の
正確な系譜は、
直接引用されたのか、
微妙に借用されたのか、
謎のままとされています。

写真素材:江戸の商家1

1615年、
策伝が板倉重宗に
ある逸話を
披露したことが、
『醒睡笑』編纂の
発端となった。

その逸話に
魅了された重宗は、
これを本に
することを提案し、
その歯車が動き出した。

そうして『醒睡笑』が誕生した。

岐阜県岐阜市三輪宮西『淨音寺』
「策伝」の命日である1月8日に
「安楽庵策伝顕彰落語会」が行われています。



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