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我が校のICT事情+教育について思うこと@タイの高校

私の勤める学校(タイの公立中高一貫校)のICT事情についてご紹介したい。

端末
学生のスマホ所持率100%
最近はスマホに加えてiPad等のタブレットを持っている学生も増えてきた。
学校への持ち込み可能。昼休みも使用できる。学校のコンセントで充電もできる。

国や県からのタブレット貸与は今のところない。

Wi-Fi
教師用と学生用の2つのWi-Fiネットワークがあり、個人のパスワードが割り当てられている。ただ学生用は回線が遅くなることもしばしば。オンラインテストの時は私の携帯を貸したり、テザリングさせて使わせることもある。
タイは確か今年から5Gが出回っているはずなので、学校もそのうち5Gにならないかなぁと淡い期待をしている。

授業中のスマホ管理
2年程前、各教室の後ろにスマホを入れるポケットが取り付けられたが、これに入れるかどうかは各科目の先生の判断による。これは日本語の教室のもの。

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日本語の教室では各々の出席番号のところに入れて、スマホを使う時に取りに行かせている。

このポケットを使っていない先生のクラスでは、先生の目を盗んで(人によっては堂々と)遊んでいたりする。せっかくあるんだから使えばいいのに!

Gsuite
教師、学生ともに自分の学校アカウントを持っている。コロナのオンライン授業期間はGoogle classroomやMeetを使って授業をしていた。現在はオンライン授業はしていないが、提出物の管理やフォームを使ったテストなどGoogle classroomでできることはそのまま使い続けている。便利すぎてもう戻れない!

プロジェクターとスクリーン
プロジェクターがなかった頃は、コンピューターの先生にお願いして学校の物を特別に貸してもらっていたが、約3年前に日本語の教室にもEPSONのプロジェクターが付いた。(他の教室はどこのメーカーかわからないプロジェクターがあるが故障続出w)
現在はほぼ全ての教室にプロジェクターがあり、ほとんどの先生がスライドを使って授業をしている。

教員のパソコン
各職員室に学校の古いパソコンが数台あるが、私の職員室の先生は全員、個人で購入したラップトップで仕事をしている。

ビジュアライザー

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手元をプロジェクターに投影できる機械。スマホの写真を見せながら発表させるのに使ったり、答え合わせをしている教師の手元を写して、みんなで一緒に答え合わせをしたり。なかなか使い勝手は良い。

スマートテレビ
ホームルームの教室にはスマートテレビもある。(日本語の教室にはない)パソコンやスマホの画面をテレビにミラーリングできるし、YouTubeも見られる。昼休みは学生もみんなでYouTubeを見たり、K-POPのPVを映してカバーダンスの練習をしていたりする。(たぶん校則違反だけど誰も注意しないので野放し)

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このように、私の勤務校は公立校であるにもかかわらず、タイの中でも(もしかしたら日本と比べても?)ICT環境は整っていると言えると思う。

私がこの学校に来た当初はプロジェクターはおろか、日本語の教室すらなかった。エアコンのない暗い教室で、汗だくになりながら毎日教えていたなぁ。画用紙を切って文字カードを準備したり、板書は全てホワイトボードでやっていたし、YouTubeやウェブサイトを見せたいときはコンピューター室を予約して見せていた。それを思うと、今のこの環境は本当にありがたい。

これだけ設備が整ったということは、その分革新的な授業が求められているのだと理解している。

ICT環境が整って良かったと思うことは、授業準備が楽になったことよりも、新しい教室活動を考える時間的余裕心や頭の余裕が生まれたことだ。

それに、授業中教材が机の上で散らばって「あれどこいった?!」と慌てることもなくなり、板書を書いたり消したりするタイムロスも減ったので、その余った時間で新しい取り組みや教室活動を実践できるようになった。

もちろんICT環境や機材の使い方さえ心得ておけばいいというわけではない。教壇に立つ以上、教える技術は何より一番大切だ。教える技術がなければ、いくら素晴らしい機材やスライドを使った授業をしたところで、教え方が上手な先生には敵わないだろう。

それでも、暗記中心の教育から21世紀型スキルの育成へとシフトしていく流れは、ここタイでもずいぶん前から見られる。hey Siriと問いかければすぐに答えが出ることをわざわざ暗記させるよりも、答えのない問いに対して、ICTを駆使して問題解決の方法を導かせたり、グループで協力してプレゼンテーションをさせたりする方がより重要になってきている。

つまり、教育現場に求められている「教える技術」も変化してきていると思う。この流れの中で、教員のデジタルディバイド(ICTが使える人/使えない人の間に生じる差)は、学生が何をどう学ぶかに直結している。

なんてここまで偉そうに書いてきたけれど、私もまだまだ発展途上。学ぶべきことはたくさんある。学校が与えてくれたこの恵まれたICT環境をしっかり活かし、学びの多い授業が提供できるよう、色々チャレンジしたい。

[授業実践記👩‍🏫]






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