【デザイン基礎かるた:る】
ルックスに
かかるバイアス
利用せよ
見た目に騙されちゃいけないよ。
見た目で判断してはいけないよ。
など、『見た目』に対する教訓は世の中にたくさん溢れてますね。
これは裏を返すとそれだけ人は無意識で見た目に先入観を抱いてしまうからに他なりません。
この先入観=バイアスを逆手に取って、制作物に利用している例も山ほど。
いくつかある傾向を知っておきましょう。
ベビーフェイス効果
丸みを帯びた輪郭や大きな瞳、体に対して大きな頭など、赤ちゃんのようなフォルムと顔立ちは、大人びた特徴を持つ人やモノよりも
・純真で無垢
・無力で守るべき存在
・無邪気で可愛らしい
など、人が赤ちゃんに抱くような感覚を抱かせ、実際にそうだと思わせる効果があります。
一方で大人びた特徴を持つものは専門性、権威、説得力などを感じさせるとされます。
これは人間や動物、アニメのキャラなど顔があるものだけでなく、無機質な…たとえば文具や生活用品など、あらゆる種類のアイテムにも有効なのだそう。
まるっこいデザインのプロダクトは子供を、角ばった形状のものは大人を思い起こさせる。ということも、形状の与える印象として覚えておくと良いですね。
フェイス率
画角に対して、その中に写っている顔の大きさでも初見の印象が違います。
・アップの写真=フェイス率が高い
→ その人の知性・人柄など性格的な属性
・ヒキの写真=フェイス率が低い
→ その人の身体的な属性(&その人がいる状況も目に入る)
選挙ポスターにアップの写真が多い理由、履歴書に貼る証明写真がアップの理由がこの辺にあると思いませんか?
画面の中の人の表情
人は画面の中の人の顔に惹きつけられる…のは、『ゆ』の項目でもお伝えしましたが、さらにそこに写っている人の表情にも、無意識に違った印象を抱いています。
これは実際に自分が同じ表情をしている時のことを無意識に思い浮かべる、古典的条件付けの一種。表情だけじゃなく、たとえば痛みや辛さを感じるような、出血アリのケガの画像などを使うと一緒に掲載している情報への印象は否定的となり、警告力の強い画面となります。
魅力バイアス
私今まで
・騒ぎそうな顔をしているからお前が喋っていたに違いない
・お前なんかがスカート短くするな(ブスのくせにと言いたいもよう)
など、これには本当にイヤな思いをさせられたことが一度や二度じゃないですよ…。
人は、見た目が魅力的な人を見ると知性や社会性に優れている印象を持つんですってよ。ケッ!!
だから、魅力的でない人は叩いたり虐めたりしていいと思うのかしら?!
(どの本にもそんなことは書いてない)
しかしこんな風に反発しながらも、この先入観こそ第一印象の敵なので『身だしなみだけはしっかり整えて』とビジネスマナーで伝えていました。
でもこのバイアス、反対もありますよね。
見た目がちょっとアレだけど、中身に触れた時ギャップにキュンと来る…みたいなドラマや映画、ちょっと思い出そうとしただけでもいくつか出てきますでしょ?(ヤンキーだったり、オタクだったり、野獣や怪物だったりね)
他にも、心理学的に『◉◉バイアス』と名付けられてる現象はたくさんありますが、今日は『る』の日なのでルックスに関わるバイアスを紹介しました。
これも、『なぜそのビジュアルが使われてるのか』を読み解く一つの視点になりますね!
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