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雨だったり曇りだったり、時々晴れだったり。

 二〇二四年五月二六日に台風一号が発生した。その影響もあって五月の終わりは雨が多かった。暑いよりは少し肌寒い日々が続いた。

 僕は一度、薄着で仕事に行ってしまい、そこでしっかりと風邪をもらった。電車に乗っている間、ティッシュが手放せなくなった。コロナ禍の頃は一度も風邪をひかなかったのに、日常が戻ってきてから僕は風邪をひくようになってしまった。

 妻が気を使ってくれて夕食を温かくて栄養価が高いものにしてくれた。一度、鍋を作ってくれたのだが「風邪が伝染るよ」と言った。
「大丈夫、私には伝染らないから」
 と、妙に自信満々に言うので、同じ鍋を一緒につついた。

 実際、妻は身体が強い。牛乳なんて賞味期限が二週間過ぎていてもお構いなく飲むし、土日も常に仕事だったり遊びの予定を入れている。じっとしているよりは動いていたい人らしい。
 常に動いているから身体が強くなって風邪をひかないのかは分からない。関連性はあるような気もするし、ない気もする。

 そんな妻は雨女だ。大切なイベントの時は常に雨だったらしい。楽しみにするとダメなのだと妻は言う。
 確かに妻と遊びに出る時は雨の日がちょくちょくある。記憶にあるのは二人で岡山に行った時や、僕の両親を紹介するために広島へ行った時だった。広島に関してはみぞれが降った。
 とはいえ、全部が雨というわけではない。妻は雨女だと思い込んでいる。
 それを証明するようなイベントが先日あった。

 六月一日と二日に仙台で行なわれたポケモンGOのイベントだ。四月頃に「友達と行っても良い」と聞いてきた。一泊二日の仙台旅行だと言う。
 僕は基本的にこの手の話をダメということはないのだけれど、相談をしたという事実が妻にとって大事なのだと思う。妻は遊びやイベントに関して僕に相談をしてくれる。なので、自然と僕も友人との予定は妻に相談するようになった。
 こちらも妻からダメと言われることはない。

 ポケモンGOの話に戻す。妻がポケモンGOのイベントに参加する日は六月二日だった。一週間弱に迫った頃に仙台の天気予報を確認すると、二日は降水確率が九〇%。
 妻は「雨だよ、嫌だよ」と暗い顔で言っていた。僕としては「傘は忘れず持っていくしかないね」くらいしか言うことはなかった。
 しかし、蓋を開けてみると、妻と友達の一泊二日の仙台旅行の間は一度も傘を開かなかったらしい。ポケモンGOのイベント中も曇りだけれど、雨は降らず。上手い具合に移動の間で雨が降ったらしい。

「これで雨女の名を返上だね。今後は曇り女かな」
 と僕が言った。
「そうかな。じゃあ、曇り女かな」と前向きに受け止めていた。
 曇り女。
 なんだか語呂は悪いけど。雨女よりイメージは良い気はする。

 ちなみに、妻が雨女という自覚の影響で一つ大きなものがある。
 僕たちはまだ結婚式をしていない。そして、する予定ではいる。現状、会場と日にちは決まっている。この会場を決める際、妻の強い意向で式の間すべて室内で完結する会場を選んだ。
 当然理由は「私が雨女だから」とのこと。

 僕としても結婚式当日に雨が降ったら妻が「私のせいだ」と凹むかも知れないと思って、僕も室内で完結の会場に一票を入れた。僕の親族に雨男がいるというのもあるけれど。
 ただ、今なら結婚式の当日は曇りなのではないか、と思っている。

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