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音楽はエッセンシャル

「そうだ」
朝来ていたメッセージを思い出して確認したのは、日本に帰国される方に会いにフィラデルフィアへ行った帰り道。
前日がお誕生日だったので友達がケーキを用意してサプライズZoom。日本の小谷家族と繋げてささやかなお別れバースデーパーティーをした。

その様子を記念にしようと沢山写真を撮ったけれども、写っているのはスマホに向かって手を振る2人の不思議な写真、笑。

記念はZoom画面のスクショで良かったかもね

色んな出会いに感謝したい。
また会う日まで....

その帰り道、いつもの小さな日本のスーパーに行った。買い物をしながらスマホをスクロールすると「信じられない事が起こった.....」と言う書き出しが見えた。「何...?」直ぐに開いて見ると、お友達の旦那様が亡くなった知らせ。
何で朝直ぐに確認しなかったのか後悔しながら直ぐに返信の電話をかけた。

この写真の中の彼女は笑っている。
一年後にこんな事が起こるとは、この時は誰も想像していない。今のご時世、直ぐに会いに行く事が出来ずにPCR検査の結果を待つ。全てかクリアになりお葬式が出来ると連絡が来た。
行って彼女と息子君を黙って抱きしめた....

その夜からペンシルバニアはまたロックダウンになってしまったので、メリーランドであったお葬式はギリギリセーフ。
何としてでも会いたかった。

翌朝は5時半からは、坂本龍一さんのオンラインコンサートがあった。

まだ、薄暗い夜明けの冷たい空気
映像、音楽が重なり合い
まるでその中に自分が入り込んでいる様な感覚。とにかく凄かった。

生の音楽とデジタル情報としての音楽は違うけど、生が本物でデジタルは偽物だとは簡単に言えない。どれが正解なのかという回答は僕の中にもないけど、隣でピアノを弾いているような身体性はデジタルでも感じられるのかもしれない。せっかくこういう貴重な機会を与えられたので、エンタテインメントのあり方をもう一度考えたい

本当に生とは何なのか?と考えさせられる。

最後の画面に映し出された言葉

「May the silence be with you.」

今、彼女に送りたい言葉がここにあった。

コンサートが終わると
カーテンの隙間から朝の柔らかい光が見えてきた。その凄いタイミングで、
大江千里さんのオンラインコンサートが始まった。

千里さんが、お茶目にホットココアを作られている画面が目に飛び込んで来る。
私も急いでキッチンに行き、ポットに沢山作っておいたコーヒーをカップに注いだ。
さあ、始まる、始まる!

こんな最高の流れがあるだろうか!

NY在住のお2人のコンサートが、まるでプログラミングされていたかの様に繋がっていた。

心弾む懐かしいメロディがJazzとなり、Popなリズムで奏でられる。
そして、隣りでピアノを弾かれている様な身体性、それ以上のものを確かにデジタルで感じた。

Zoomお茶会では、ずっと応援されている方々の盛り上がりに、行った事の無いスタジアムの歓声が聞こえた様な気がした。そして、残念ながら参加出来なかった方々のちょっとしょっぱいエピソードを知ると、次回は頑張れ〜!とエールを送りたくなる。

それぞれ、人生の中ではいろんなドラマがあるけれど、ちょっとしたワクワクで救われる事もある。12月12日の二つのクリスマスコンサートはまさにそれだった。

10代の頃に聴いていた「ゆめみるモダンクリスマス」これは、千里さんが高校生の時に作られた曲なのだそう。名曲だ!

次は友達と一緒に見たい。
こんな時こそ、音楽に助けられる。

そんな事を思いながら冷めてしまった残りのコーヒーを飲み干していると
「昨日は来てくれてありがとう」
彼女からのメッセージが入った。寝起きかも知れないな、と気にしながらVideo callすると
彼女もダイニングに座ってひと息ついていた。
「まだ実感がないんだ」とゆっくりお茶をすする彼女に黙って頷きながら、2人のオンラインお茶会が始まった....

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