「いいセミナー」は組織を変える。KPI達成の先に見えた可能性とは
みなさんこんにちは!
株式会社プレイドでマーケティングチームに所属している永谷です。マーケティングのなかでも特にセミナー領域を担当しています。
現在マーケティングチームでは、事業拡大における採用強化のため、noteによる情報発信を進めています。もしこの記事を読んでKARTEのマーケティングに興味をもったら、採用ページをのぞいてみてください!カジュアル面談もお待ちしています!
今回テーマとする「セミナー施策」は、プレイドのマーケティング注力領域のひとつです。この記事では、セミナー運営を改善した約半年間のロードマップをご紹介したいと思います!
セミナー運営改善した結果、どういう「変化」が起きたか?
そもそも、BtoB SaaS事業におけるセミナーはとても重要です。
リード獲得における重要チャネルであるということだけでなく、「お客様に合わせたテーマ企画」かつ「ストーリーに沿った情報提供」ができるのがセミナーの特徴だと考えています。特にSNSや広告における動画は最初の数秒単位で離脱されやすい世の中で、数十分にわたってこちらの話を聞いてもらえる場づくりができるのは、セミナーならではの魅力だと思います。
一方で、各社のオンラインセミナーも活発化し、特に忙しい社会人が視聴したいと思えるコンテンツを作り続けるのは至難の業です。
これまでもプレイドでは、オフライン・オンラインのセミナーを実施していましたが、ここ数年は他業務と兼務で対応していたため、実施すること自体に手一杯でなかなか「改善」にまで踏み込めていない状況でした。
そんな状況を打破すべく、2022年の夏頃に私がセミナー運営の専任としてアサインされました。意気揚々と改善に取り組み始めたのはいいものの、一番最初に困ったのは下記二つでした。
KPI達成につながる効果的なセミナーがわからない
セミナー実施する社内リソースが確保が大変(特に登壇者)
セミナー運営をしたことがある方であれば、特に「セミナーの成否を分ける企画力」と「関係者を巻き込み、遅延・事故無く運営を進めるマネジメント力」の必要性は強く感じていると思います。私もセミナー運営をやるまでは、こんなに大変だと思っていませんでした……!
とはいえ愚直に約半年間の改善を続け、現在は下記のような変化が生まれています。
KPI達成につながる効果的なセミナーがわからない
→PDCAサイクルが回り「いいセミナー」が企画できているセミナー実施する社内リソースが確保が大変(特に登壇者)
→社内の各事業部から「セミナーやりたい!」と依頼が継続的に届く
先ほどセミナー運営をやることが大変とは言いましたが、自分自身の成長、そして仲間からの信頼を感じられている状態が実現できて、今ではセミナー運営がとても楽しいです!
また上記のような変化の後押しもあり、KPI(商談数)についても下記のように大幅達成の成果を出すことができました。
ここからは、どのように上記の変化が起きたのか、時系列に沿って書いてみたいと思います。
明日からセミナー担当です!さあ何をする?
もし「明日からセミナー担当ね」と上司に言われたら、何から始めるでしょうか。
私自身、セミナー運営の経験があったわけではないのですが、過去に実施したプロジェクトマネジメントの経験から、未経験の分野でも成果を出すために下記のようなことを特に意識しています。
①インプット・全体像の把握
②課題の構造化・ボトルネックの把握
最初の3ヶ月でやったこと:「ボトルネック」は何なのか?
①インプット・全体像の把握
特に最初の1ヶ月は「目に止まった他社のセミナーは全て参加する」「過去に実施されてきたセミナーの申込・獲得商談数を全て把握する」といった、インプットを重視して全体像を把握することに努めました。
また、BtoBセミナーにおいては、先人が多くナレッジを発信してくれています。特にウェビナー支援会社OTSUNAGIの茂木さんや、BtoBマーケティング支援会社の才流さんが発信しているブログをよく参考にさせていただきました。個別の企画やクリエイティブでいうと、FORCASさんやフルカイテンさんのセミナーもユニークでとても印象に残っています。
②課題の構造化・ボトルネックの把握
ある程度セミナー運営の全体像がわかったところで、プレイドとしては「何がボトルネックなのか?」、課題の分解・構造化を行いました。
特にプレイドの主力事業であるCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」は、多様な業界のお客様に多様なソリューションを提供しています。データを中心に複数のプロダクトを展開する、いわゆる“コンパウンドスタートアップ”のような特徴を持っています。
つまり、ある特定課題だけを一点突破で解決するプロダクトではないので、誤解を恐れずに言えば、「業界」「部門」「プロダクト」といった切り口で、セミナーを始めとしたマーケティングコンテンツが無限に作れてしまいます。(さらには、優秀なエンジニアたちが高頻度で新しいプロダクトを生み出すので、本当に可能性は無限大です)
だからこそ、セミナーをひとつ実施する際にも、
戦略思考:「そもそも市場の中の誰(WHO)に優先して情報を届けるべきなのか?」
顧客思考:「顧客は何(WHAT)に困っていてどんな情報を欲しているのか?」
データ思考:「定量・定性データを次の企画に活かす正しいPDCAサイクルを回せているか?」
といった汎用性のある思考をベースに、適切な顧客に対して適切な情報を届けられる「企画力」が求められます。
また、いくつかセミナーを実施する中で、「企画力」が向上すると下記のような連鎖反応が起きるとも感じていました
「企画力」が向上する
→ 一回あたりのセミナーの申込数が増える
→ セミナー実施数を減らしても毎月のKPIを達成できる(工数削減)
→ 削減できた稼働時間をさらに改善に使える(更なるKPI達成)
以上のような考えから、セミナー運営におけるボトルネックは「企画力」にあると仮説を立て、特に「企画力」に焦点を当ててPDCAを回していきました。
そのセミナーは誰が喜ぶのか?「いいセミナー」企画に関する考察
さて、ここで「企画力」について、もう少し紐解いてみたいと思います。
大前提、セミナーがマーケティング施策のひとつである以上、KPIとして設定されることの多い獲得リード数や商談数の目標達成が、セミナー企画の目的になると思います。そしてそれら一つ一つの数字は、お客様の「このテーマだったら話を聞いてみたい」という気持ちの変化から生まれた結果です。なので、お客様がどういった情報を欲しているのか、テーマに沿った顧客理解が「企画力」の一番大切なポイントだと考えています。
ただ、私がセミナー運営をやってきた中で、お客様の「話を聞いてみたい」気持ちと同じくらい大切だと思ったことがあります。
それは、登壇者が「このテーマだったら自分が話をしたい」と思ってくれることです。
この考えを強めるきっかけになったエピソードを一つ紹介します。
先日、ブランディングをテーマにしたセミナーの収録を終えました。
「ブランディング」はセミナーでは初めて扱うテーマで、どういったコンテンツにするか考えていたのですが、最終的にはプレイドのプランニング専門ユニットであるCPU(CX Planning Unit)のメンバーに登壇をお願いすることになりました。
そのセミナーの収録を終えた帰り道、登壇したメンバーから
「このセミナーをきっかけに過去の仕事を振り返り、いまの仕事の文脈とつながって、改めて自分の仕事の価値を捉え直すことができた。ありがとう!」
と感謝のコメントをもらいました。
むしろ登壇してくれてありがとうと自分が言いたいのに、まさかこんなことを言ってもらえると思っていなく、とても嬉しい気持ちになったのを覚えています。実際、セミナーのコンテンツ自体も非常にいいものになりました。
象徴的なエピソードを取り上げましたが、過去に実施したセミナーを振り返ったとき、お客様の態度変容の結果であるKPI達成に繋がったセミナーのアイデアは、社内や社外の登壇候補メンバーとディスカッションしている中で生まれてきました。
登壇者のバックグラウンドや日頃考えていることを掘り下げていく中で、登壇者が思わず前のめりになってしまうような「その人だからこそ話せるテーマ」が見つかったとき、独自性のあるストーリーが生まれ、登壇者の熱量が上がり、結果的にお客様の心も動かす(→KPIも達成する)「いいセミナー」にすることができたのかなと考えています。
「企画力」というと、自分ひとりでいろんな面白いアイデアを発想できる力を思い浮かべがちかなと思うのですが、セミナーにおいては「なぜこのテーマなのか?」「なぜこの登壇者なのか?」といった問いを起点に、触媒のような存在になって、社内や社外のメンバーとディスカッションを深められる力が大事だと考えるようになりました。
つぎの3ヶ月で起きたこと:「組織の変化」
そして、セミナー運営のPDCAを数サイクル回し、「企画力」を意識しながらセミナーを実施できるようになった3-4ヶ月目あたりから、だんだんと組織にも変化が起きてきました。
具体的には、他部門のプロダクト責任者やセールスメンバーから「自分が登壇するんでセミナーやりたい!」と声がかかるケースが増えてきました。組織の中で、セミナーが「新規リードや商談獲得のためのマーケティングチャネル」といった側面だけではなく、「お客様に伝えたい情報を届けられるコミュニケーションチャネル」という認知が得られてきた結果なのかなと考えています。
結果的に、登壇したいと言ってくれるメンバーが増えたことで、登壇者のリソース確保の課題も以前より解消されました。ちなみに改めて数えてみたら、この約半年で社内メンバーだけでも22名(前期比:244%)がセミナーに登壇してくれていました……!
これからのセミナーの「可能性」
以上、約半年間のセミナー運営改善について、一部ではありますが紹介させていただきました。
が、個人的にはまだまだやっとスタートラインに立てたなという感覚です。
たった半年ではありますがセミナー運営をやってきた身として、セミナーの「可能性」はまだまだあるなと思っています。特に直近では、下記のようなテーマをもう少し深ぼってみたいなと考えています。何か学びがあれば、またどこかでnoteでまとめてみたいなと思っています!
リード・商談獲得だけではないビジネス貢献の指標を探索・PDCAに必要なモニタリング体制を構築する
「プロダクトの成長フェーズに応じた最適なコンテンツ設計」「マーケット探索の学びの社内流通」「既存商談の受注率向上」「既存顧客の活用促進」など
会社やプロダクトだけでなく「登壇者」のブランディングに貢献する
登壇者が「心から登壇したい」と思ってくれる、登壇をきっかけに「自分の仕事の価値が言語化・他者からの認知獲得」ができている状況を促進する
「マーケティングスキル」が向上できるセミナー運営のポジションを確立する
セミナー運営について、「マーケティング思考」「デジタルマーケティング」「プロジェクトマネジメント」のスキルが身につき、キャリアアップに繋がる状況を促進する
終わりに
ここまで読み進めていただいた方、本当にありがとうございます! 冒頭にも書きましたが、こちらのnoteはプレイドの「データによって人の価値を最大化する」ミッションに一緒に挑戦してくれる仲間を集めるために書きました!
BtoBマーケティング業務が未経験でも大歓迎です。
「プレイドのミッションに共感する!」
「KARTEのマーケティング面白そう!」
「変化を前向きに楽しめる!」
「やりきることが好きだ!」
「難しい問いを解くことにやりがいを感じる!」
どれか一つでも当てはまったら、ぜひお話ししましょう!
まずは採用ページをのぞいてみてください。またもう少し詳しく話を聞いてみたい、という方はカジュアル面談も大歓迎です!
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