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良い学校もあるんだよ ~いじめ解決について~

小学1年生の時にいじめられてた私。
いじめてきたのは次兄の友人。

あとで知った話だけれど、次兄の友人は我が家の貯金箱からお金盗んだり、日常的に暴力振るったりで小学生ながらも非行に走りがちな子だったらしいです。
理由は不明。次兄に不満があったのか、私が気にくわなかったかもわからないです。

そんな私を救ってくれたのは、友人たちと担任の先生、そして学校の神対応だった。

最初は後方から走ってきて肩等に体当たりして逃げ去る「当たり屋」だった。
幸いにも心強い友人たちがいて「移動するとき、周り囲んで歩こう」と四方を囲んで歩いてくれるようになった。
ターゲットは私だけだったらしい。以降「当たり屋」はなくなった。
当時の私は「いじめ」の概念がなかった。知識自体なかったから「変なことしてくる上級生がいるなぁ」くらいにしか思っていなかった。時々察してよけてたし。

しかし、しばらくすると上履きが神隠しにあうようになった。
最初は空いた別のスペースに移動されていた。
友人が一緒に探してくれたのと、これまたいじめの概念が当時の私になかったから楽しんで探してた。

これが毎回見つけるたびに難易度上がってくんですよ。
時には下駄箱の上(下駄箱の上は大人でも見えない高さで、数段足ひっかけて上らないといけない)や、来賓用下駄箱、傘立ての下(隙間があるタイプだった)、先生用の下駄箱の空きスペースなどなど。本当に毎日のように多岐にわたっていたから宝さがしゲームのようでした。

全部玄関スペース内にあったから毎回発見はできたけど、たまに見つかりづらくて履いてきた靴の底を洗ってそのまま授業を受けることもあった。
私はまたまたのんきに「履き替えなくて良いなんてラク!ラッキー♪」なんて思ってた。
平和ボケな私をよそに、担任の先生が授業のあまった時間や休み時間にみんなに声をかけてクラス全員で探すことも数回あった。

ある日、ついに朝探しても、休み時間にクラスのみんなで探してもどこにも見当たらない。
私は「いつか見つかるだろう」なんて思ってた。
その日は初めて担任の先生が黒板に「自習」と大きく書いた。
小学1年生に自習なんてできるわけもなく、みんな友達とおしゃべりしてた。もちろん私も。
すると校内放送の音楽が流れた。
静まりかえる教室。ここはみんなマジメ。
放送から聞こえた声は、担任の先生だった。
流れた言葉はこれだけ。

「1年1組のさとこちゃんの上履きがなくなりました。みんなで探しましょう」

クラスメイトが「え?みんなって学校全員?」みたいな感じでどう動いて良いかわからず、みんなそわそわしてた。
私は唖然としてた。
校内放送で自分の名前が呼ばれるなんて。
しかも私物を大勢で探すなんて。
初めてこの件で恥ずかしい気持ちが芽生えた。
どんだけ鈍感だったんだ私。

そうこうしているうちに、長兄の同級生がとんできて勢いよく教室のドアを開けた。
「さとこちゃんってどの子?!」
私は恥ずかしくて隣の友人を指差した。
「いや、あんたでしょ!」
友人から当然のツッコミが。でも、自分の存在隠したいくらい恥ずかしかった。
長兄の同級生が「おれさ、兄ちゃんの友達だから。もう大丈夫、ぜったい見つけるから安心して」と言った。

それから校内含め校門の内側全て、クラスメイトはもちろん上級生の人たちも総出で私1人の上履きを探しはじめた。

あとで知った話だけれど、どうやら校内放送は私のクラスと長兄次兄の学年だけ流れたようです。
私は当時、いじめているのが次兄の友人と知らなかったのです。当たり屋を見た友人が「○年生の人!」としっかり見てくれていました。


長兄の同級生の女子数人がずっとそばにいてくれて「大丈夫だよ」「見つかるからね」と声をかけてくれていた。
その時、初めてみじめな気持ちになった。初めて不安だったことを自覚した。

上履きは見つかった。
先生用の男性用大便用トイレの中に水に浸かっていたらしい。
上級生の男子が目一杯の笑顔つくりながら一生懸命ブラシで洗ってくれた。
「汚れてたわけじゃないけど、場所が場所だから。大丈夫、キレイに洗うから」
その間も上級生の女子がそばで「大丈夫」「見つかって良かったね」と声をかけてくれ続けていた。

翌日から2年生になるまで私の上履きは主事室に置くことになった。毎朝主事さんに挨拶してた。
もちろん、いじめはなくなった。

「みんなで探したから、もう大丈夫だと思うけど念のためね」と担任の先生は言っていました。

当時は主事室に毎日行くのが緊張して面倒で。外用の靴の底を洗ってそのまま入る方が気楽とか思っちゃってた。
でも、年齢が上がるにつれてあの対応をしてくれた先生や学校、一生懸命探してくれた人たちや声をかけてくれた人、本当は触りたくもないトイレに入ってた靴を洗ってくれた上級生のことは尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになり忘れられない。

「学校はいじめ問題に積極的じゃない」とか「隠そうとする」とか言われてるし、実際そういうところもあるのだと思う。

でも、こんな形でちっぽけな私を助けてくれた学校もあったというお話でした。

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