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【番外編】GREEN WORK HAKUBA Vol2_20分のモンクリ発表を文字起こし 2021年3月1日

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白馬村のモンスタークリフ(株)の佐藤と申します。
本日は20分お時間を頂きます。どうぞ宜しくお願い致します!

僕のプロフィールからご説明させて頂きます。
22年前の18才の時にスキー場で今の奥さんと出会い2人でスノーボードで遊び続け10年前にモンスタークリフ(株)を起業し6年前の子供が生まれたタイミングで千葉県船橋市から白馬村の横の小谷村に移住しました。

白馬村は人口9,000人に対して小谷村は、その1/3の人口3,000人。
3,000人という数字は、渋谷のスクランブル交差点を1回の青信号で渡る人数と言われています。
小谷村では白馬村とはまた違った自然豊かな環境で家族で生活しています。

そしてこの写真は、朝の6時マイナス12度の八方の山の上で朝焼けのモルゲンロートを待っていた時です。
モルゲンロートは、4分間雪がピンク色に輝くのが特徴で
ピンク色のパウダースノーを僕の作ったピンク色のボードで滑り「気候変動」を訴えるという社内で考えたイベントの写真です。
特に外部で反響はなかったのですが、社内では盛り上がり記憶に残る1日となりました。

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続いて弊社、モンスタークリフの事業内容です。
白馬村内からは、通称モンクリと呼ばれていますのでモンクリと呼んで下さい。

ミッションは3つあります。
①ウィンタースポーツ用品のゴミを出さない世界へ
②不要な人から必要としている人へ
③ウィンタースポーツをもっと身近に

を掲げています。
メインの事業は、スキー&スノーボードに特化したリユース事業となります。年間数万点をWEBで査定買取し壊れているものが一つずつ直し「必要な人への架け橋」をしています。

もう1つは、
「白馬の山を滑るためだけのスノーボード」というコンセプトのスノーボードを開発し販売しております。
エコでリサイクル率が高いスノーボード制作を目指しています。
白馬でのブランドストーリと僕の想いが詰まった「クラフトビール」のような地域密着型のスノーボードメーカーを目指しています。

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続いての写真をご覧ください。
20年以上前の需要がないスキー、スノーボードやリサイクルで回したあとに訪れる破棄問題。この写真の道具達も破棄寸前のものになります。

このような破棄寸前の道具たちの半分は、中国やロシア等の海外へ。修理して使用するみたいです。残りの半分はやはり破棄への道をたどってしまうのが現状なんです。

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つまり今後の大きな課題は
「破棄しなければならないスキーやスノーボードをどうするべきか?」
とうことになります。

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この問題に対してとにかく社内で考えました。
テーブルにしてみよう、リペアしてみよう、誰かに聞いてみよう、もはや見なかったことにしよう。。明日考えようはばかやろう。とにかく色々考えました。

しかし結論は難しいにたどり着いてします。

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瞑想した僕達は、グーグル・アースに向けて
不要なスノーボードを使って描く「スノーボード」という文字を作ったこともありました。これも特に話題にならず社内にはむなしさだけが残り何も生まれませんでした。
そしてある日、社内会議で僕はひらめきました。

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「そうだ!僕達が考えるのではなく、お客さんに考えてもらえばいいんじゃない」と。
これは瞑想していた僕たちには素晴らしい角度の案でした。

つまり僕たちは「考えてもらう」キッカケを作れば良いんじゃないかということです。

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で、やったこと。

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おそらく世界初です。世界初の破棄する寸前のスノーボードの無人販売。
野菜の無人販売みたいなノリです。しかも支払いはPayPayのため24時間365日営業しています。
つまり人件費、販売コスト、発送コスト全て0円という究極のお店です。
ボードは、1本800円で1本買うと白馬村のライオンカフェで使える500円利用券を無料でプレゼントという謎のスタイルにしました。
これが「白馬村に面白い店があるぞ」とTwitterを中心にSNSで話題になりました。

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そしてほぼ数日で瞬間的に完売です。
夜でもPayPayでの購入メールが飛んでくる状態です。

つまり、今まで破棄していたスノーボードの新しい使いみちをみんなに「考えてもらう」というキッカケが作れたということです。
僕はめっちゃ感動しました。

キッカケを作れたんだから、買った人はどのような形で再利用しているのかを知りたい。そのためにヒアリングして調査してみました。

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実は、無人のスノーボードのお店で一番買ってくれた方は、モンクリの前の国道を通るトラックドライバーの方でした。その方達の半数以上はベンチを作ったそうです。

またお店や宿を経営している方は、大量に購入するケースが多く、聞いたところお店の室内の壁や、BARのテーブル等にアートっぽく使用しているとのことでした。
そして一部の面白い使い方としては、不要なスキーの上にテキーラ等のショットグラスを固定させみんなで一気に飲むという「スキーショット」で使う方とも出会いました。
その方に聞いたところ、スキーショットで世界的なイベントもあると教えてもらい調べると本当にありました。それがこの右下の写真です。
 
つまり、今後、白馬村で不要なスキーを使って9,000人の村民が一列になりスキーショットでテキーラを飲みながら「気候変動」を訴えるイベントをやりたいという人が現れるかもしれないと思いました。そうなったら最高に面白くてやばくないですか?!

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まとめると「お客さん独自な視点で勝手に使いみちを考えてくれる」という丸投げ手法からのアイデアだしに可能性を感じています。

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この輪が白馬を中心に世界に広がれば
現状は、市場価格がゼロだけど、本人の満足度はMAXという究極のリサイクルの形が作れる。そして今後、誰かが革命的なものを開発するキッカケをモンクリが作れるかも知れません。これにとてつもない可能性を感じました。引き続きがんばります。

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続いて、もう1つ社内で取り組んでいるアクションの共有をさせて下さい。

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「パンチング村男BOX」という白馬村非公認の取り組みです。
こちらは白馬村の公式キャラクターの村男Ⅲ世です。

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モンクリでは通年を通してこのダンボールで年間3,000個位、全国の里親の皆様に発送しています。
このダンボール、お客様の家に到着しても捨てられずに再利用してもらう方法はないかを社内で考えました。
そこでひらめいたのが、「パンチング村男BOX」になります。

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こんな箱がお客様の元へ到着します。お客さんは商品を取り出し横にします。

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そうるすと白馬村のマスコット村男Ⅲ世が現れます。

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そして村男に向かって日頃のストレス発散だと思って思いっきり殴る。

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ダンボールにはうすく切り込みがありなんと、

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クルマ用のゴミ箱が完成します。

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コンビニでビニール袋を貰わなくなった時代。
あの袋は実はクルマ用のゴミ袋としてみんなが使用していたことに気づきました。なのでこの村男ゴミ箱を車に積んで白馬村にお越し下さいという形にしました。我ながらめっちゃ良いアイデアだと思い、SNSで投稿したところバズリ、

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クレームの嵐が起きました。村男を殴るとは何事だと。
非村民でモンクリは白馬に入られなくなるとか村男が可愛そう、村男ファンを全員敵に回した、白馬村役場が絶対に許さない。等。
 
なので殴るをやめて「やさしくプッシュ」に変更しました。
そんな取り組みです。

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続いて、地元の白馬高校生と一緒に白馬の素材を使った白馬産率、リサイクル率、共に60%以上の未来のスノーボードを作る白馬板プロジェクトを4月より運営していきます。

前に安居さんとお話ししたときにオランダのフェアフォンという分解できるスマホをみせて頂きました。消費者が、壊れた部分を自分で交換できるというスマホです。これと同じような形でスノーボードが作れないか研究しています。例えば、ソールを剥がしたり、芯材を変えたり、トップシートを変えたりと。そして剥がしたものはモンクリで回収するとか。そんな感じの未来のスノーボードの研究をしています。

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そして最後に
モンクリの最終目標は、サーキュラーエコノミー型のフリーミアム リフト券0円のスキー場を作ることです。

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どういうことがと言うと
初心者、スキー場、購入者の3つで考えます。現状、初心者の方はリフトを数本しか乗らないのにリフト券を買わなくてはならないこと。スキー場は、リフト、ゴンドラに頼っているため運営維持コストが高いこと、そして現状のモンクリでは中上級者が、自分のボードを売り、それを初心者の方が中古として買うケースが多いこと。
 
つまり、3つをまとめるとリストを廃止し初心者だけがくるゲレンデを作って別で中上級者が集まる場所で買取して初心者だけが集まるスキー場で売れば良いのでは?という形です。

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この案を元ZOZOの月に行く予定の前澤さんのファンドに提案したところ、32点という想像以上の高得点で落選しました。

僕が思うのは、脱索道。つまりゴンドラやリフトに頼らないスキー場です。
今年で日本にスキー場ができて110年なんですが、実は110年でスキー場は、名前も変わっていない。
大量の人を短時間で運ぶリフトやゴンドラのコンセプトや仕組みも大きくは変わっていないです。
僕の考えとしては、今の時代、大量高速輸送時代は終わっているのではと思っています。

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この写真は、ニュージランドのクラブフィールドというスキーエリアの山頂までの輸送方法です。ロープトーという仕組みで宙に浮いていない状態でリフト並の速さで山の上までいけます。

つまり日本もエコでコストもかからない「山頂まで人を上げるための面白い手段が沢山あっても良いのでは?」という形です。
 
面白い輸送手段の例として、例えば、お客さんは無料で馬の背中に乗って山頂までいく。山頂では、僕が馬のエサの人参を販売する。
お客さんは、エサを買うのは任意だけど、頑張って乗せてくれた馬にエサを買わない人はいないんじゃないかという案です。つまりこの場合、スキー場の売上は、リフト券代ではなく馬のエサ代で収益があがる世界初のスキー場になります。そんなイメージです。

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今、お話したのを図にまとめると
僕の最終目標は、人も物もお金も白馬村で回るようなサーキュラーエコノミー型のフリーミアムスキー場を作りたいと思っています。

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物だけでなく。お金も人も白馬村内で循環。
そんな仕組みを白馬村で作りたいです。

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以上です。ご清聴頂きありがとうございました。

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