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勉強がつまらなくなる時

小学校1年生の時はどんな勉強も楽しく進んでやっていたのに、学年が上がるにつれ、勉強がつまらなくなった経験、ありませんか? もしくはお子さんのそのような様子を見ませんでしたか?


 私も、高校生から急に勉強がつまらなくなりました。化学や倫理の内容が理解できず
「mol濃度? ソクラテス? 何の話だ??」となりました。勉強はほとんどせず、部活や遊びに時間を費やし、青春を謳歌してしまいました…。


 教師になってからは、逆に勉強が楽しくなってきました。知らなかったことに出会えたり、自分の仕事のスキルが上がったりすると、「もっと勉強しよう!学ぼう!」という前向きな気持ちになります。


 さて、なぜ勉強がつまらなくなるのでしょうか? それには2つの理由があります。

 1つは「分からなくなるから」です。勉強も分かれば楽しいです。例えば、英単語の意味や知っている文法が多ければ、英語を話せる力にも繋がり、どんどん楽しくなります。数学で色々な問題の解き方を知っていれば、応用問題も楽しくなります。現在、小学校では、年が早いうちから“分からなくなる壁”が存在します。これが前に立ちはだかるとやる気を失ってしまうのです。


 もう一つは、「楽しくない」からです。人間誰しも、夢中になれるものはずっと取り組めます。しかし、自分の興味のないものや苦手なものからは避けやすくなります。私が高校の時に化学や倫理が苦手だったように…。

 「苦手なことや興味のないことでも、歯を食いしばって取り組まなければ成功しない」と思っていた時期が私もありました。しかし、Youtuber(ユーチューバー)などの興味のあること・好きなことで稼ぐ方もたくさんいらっしゃいます。「好きなことだけやれば良い!」というわけではありませんが、どんな道に進もうとも、必ず必要になることがあります。それは、人とのコミュニケーションと興味が無い・苦手分野にも取り組むことです。

 人とコミュニケーションを取るのは、人は一人では生きてはいけないからです。興味が無い・苦手分野にも取り組むのは、好きなことでは稼げない場合、他の選択肢を増やすためです。(今回は後者に絞って話を進めます。)


 だからと言って、子どもたちに重要だけれども興味無いことや苦手なことを無理に取り組ませるのは望ましくありません。返って、悪くなります。大切なのは、自分から取り組んでもらえるかです。
 教師は、授業の中でいかに興味をもってもらうか、苦手意識を無くしてもらえるかに魂を込めています。ですが、私も全員の心にストンと落ちる授業を毎回はできていません。


 これにはとても歯痒い思いをしています。「今ここで、その漢字の勉強をしなかったら…」「算数の問題に取り組まなかったら…」それが次の学年、そのまた次の学年…に重なっていき、勉強がつまらなくなるのです。そして、それは将来の好きなことをやるときの足枷になってしまうのです。


 子どもたちが大人になる頃は間違いなく今に無い職業が数多く生まれているでしょう。また、人がいる限り、コミュニケーションは避けては通れません。好きなことでうまくいかなかったら、別の道を探すことも必要になってきます。そのためには、興味のないことでも、苦手なことでも取り組むことが大切なのです。


 7、8歳の子は正直です。好きではないもの、楽しくないものはやりたくありません。そこをいかに楽しく取り組ませる気持ちにもっていくかと、つまずきを補っていくかが重要です。学校だけで全てをカバーするのはなかなか難しいです。どうしてもお家の方の力が必要です。

 学校はいかに楽しく学ぶかを提供し、つまずきがあればお家でフォローする、これが理想形です。もちろん、学校でも個に合わせてつまずきもフォローします。お家でも勉強の楽しさを伝えていただければ効果は倍増です。
 全ての子どもたちが幸せになるよう、私も学校で今以上に子どもと向き合い、成長につながるよう臨んでいきます。

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