坊ちゃんを読んだ感想
夏目漱石の「坊ちゃん」を読んだ感想を書きたいと思います。
坊ちゃんは1906年に発表された、約120年前の作品ですが、日本語が今と少し違っていて読みづらさを感じる部分がありました。
120年で言語ってこんなに変わるのかと。確かに、戦後とかの新聞で確かカタカナが使われていたり、見慣れない漢字を使われていたりしたことがあったかもしれません。
当時はもちろんパソコンはなく、文章を書いていたのは筆だったようです。言語も執筆手段も、今と違っていたのですね。(同じ年代に活躍した正岡子規の記念館に、使っていたと思われる筆とすずりが展示されていました。)
また、小説の外の、当時の時代背景や文化も理解しないと100%の理解は難しいと思いました。
注釈が一応ついていますが、それを見ても分からないものもあります。
祝勝会、という言葉が出てきて、でも注釈にも一切書かれていなくて、よくよく調べるとこれは日露戦争に勝ったことのイベントらしいです。
確かに発表が1906年で日露戦争は1904年。当時の人々からしたら「祝勝会」と言ったら「日露戦争の祝勝会」一択だったのかもしれません。
2022年の小説だって、100年後には「スマホって何?」みたいになる気がします。小学生の頃、小説で「ポケベル」が出てきて、でも当時の自分は理解出来なかったので、まあそういうもんなのかなと。
読み合わって、話の内容は一応分かりましたが、この作品がなぜ今でも語り継がれているのかが分かりませんでした。
巻末の解説を読んでようやくなんとなく分かってきました。よくよく調べてみると結構難しい。
当時の日本のものが、西洋のものに駆逐されてしまうかもしれない。そんな危機感がこの「坊ちゃん」に反映されているようです。(下記リンク参照。)
当時は今よりも学歴がものを言う時代だったようで、それでか赤シャツが「帝大卒」と強調されていますね。
ちなみに、「坊ちゃん」は愛媛県松山市を舞台にしているのですが、松山市は「坊ちゃん」をゴリ押ししています笑。
道後温泉本館の中に「泳ぐべからず」という立札があったり、作中に出てくる「マッチ箱のような汽車」を再現したものを「坊ちゃん列車」として観光客向けに売り出していたり、普通の郵便局を「松山マドンナ郵便局」という名前にしたり。
松山市はこれとミカンのゴリ押しで、とても面白かったです笑。
以上が感想です。
次は「こころ」とか、夏目漱石の別の作品を読んでみたいなぁ。
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