【伸びしろ水平思考】 企業・商品が、すでに持っているものの中から、まだ未発見の「伸びしろ」を見つける
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【伸びしろ水平思考】 企業・商品が、すでに持っているものの中から、まだ未発見の「伸びしろ」を見つける

㍿ブルーパドルは、設立してもうすぐ4年になります。進んできた道と、これから向かう先を振り返る時期で、会社のVISIONをアップデートしました。

ブルーパドルは、小さくてもいいから新しい発見「0→0.1」をたくさん見つけていくことを目的にした会社です。

この「0→0.1」が社会的にどんな価値があるのか、もう少し言葉を整理しました。そうすると、すごくストンと落ちる言葉が見つかり、noteをしたためた次第です。


1:「伸びしろ」を見つける会社

「ブルーパドルは、企業・商品・カルチャーが、すでに持っているものの中から「伸びしろ」を見つけて、それを形にしていく会社」

本田圭佑さんの名言みたいですが、自分たちのやってきたことは、つまり「伸びしろ」の発見です。

もうやり尽くされたと思われるものでも、視点や土俵を変えれば、必ず「0→0.1」の発見は出てきます。「もう絶対ない」と思い込まれているジャンルでも、実際「ない」ということはあり得ない訳で、そう心から信じることで、意外なブレイクスルーは起こります。

この「0→0.1」は水平思考といわれる考え方で、論理的思考とは別のアプローチで発見されます。

例えば「こんなXXは嫌だ」発想法とか、「UIの考え方を、料理に取り入れてみる」など全然違う業界のフレームを組み合わせてみるとか、いろんな角度から物を見ると、新しい切り口が出てきます。

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僕らは、水平思考が好きなのですが、これを仕事に転用すると、

商品からまだ使われてなかった「伸びしろ」が見つかったり
●低コストで新しい商品企画をする方法が見つかったり
●ピンチがチャンスに変わるような企画になったり
●PRに使える材料になったり

いろいろ役立つことができます。


2:「伸びしろ」の事例

任天堂にいた横井軍平氏は「枯れた技術の水平思考」によって、使い古された技術の「伸びしろ」を活用し、数々のヒット商品を生み出してきました。


世田谷美術館は、コロナで予定していた展示ができなくなりました。しかし、美術館の建築の美しさ、そこから見える風景自体も1つの作品として価値があるという「伸びしろ」を活かし、「作品のない展示室」という企画を実施しました。


金継ぎは、割れたお椀を粋に補修することで、新しい価値を生み出します。これは、壊れることで物の価値は下がるだけではなくて、別の価値が生まれるという「伸びしろ」がある、と言えます。

「金継ぎ発想法」は、もっと別の業界に活かしていきたいです。


ナメック星の最長老は、限界まで修行し、もうこれ以上の成長は期待できないと思っていたクリリンや孫悟飯の頭に手を当て、「お前にはまだ伸びしろがある」と、さらに可能性を引き出しました。

僕らがやりたいこと、やってきたことは、まさにこれです。



3:「君はまだやれる!」と応援したい


どんな企業も、どんな商品も、どんな町も、どんな人でも、水平思考することで、必ず「0→0.1の伸びしろ」はあります。コロンブスの卵のように、必ずブレイクスルーはあります。

それを、ただの余白と見るか、可能性と見るか。
そこが大きな分岐点です。

「どうせ俺はこんなもんだ」と思考停止したり、諦めかけている商品がいたとします。

その子に向かって、「まだ君はやれる!」「ほら、この服に着替えてみなよ、全然まだ伸びしろがある!」「ほら、この業界だと埋もれるけど、あっちの土俵にコンバートしたら、けっこう可能性ありそうだよ!」と応援したいのです。

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この作業は、商品開発にも、PRにも、ブランディングやコーポレートサイトを作ること、全てに活かすことができます。



4:「伸びしろ」を見つけて、低コストで商品開発をする

例えば、企業の商品開発は、必ずしも潤沢な予算があるわけではありません。全てを0から新規開発するのではなく、もともとその商品がもっている価値や特徴などを活かして、「新商品」をつくることができれば、開発コストを抑えることができます。

有名な事例でいうと、USJのジェットコースターは「後ろに走る」という伸びしろを発見したことで、膨大な予算をかけて新製品を開発しなくても、新しい体験を生み出すことに成功しました。

最近話題となったこの記事の中でも、まさにその話が出てきました。

天才マーケター森岡さんの手がけた事例は、「伸びしろ界」のキングですが、僕らもまさに、こんなお仕事を理想として動いています。



京都×エンタメ「不思議な宿」

京都でつくった「不思議な宿」は、潤沢な予算はなく、凝った内装でインスタ映えさせることも、アートホテルを作ることも、話題になるようなすごい装置をつくる余裕もありませんでした。

このまま作ると、よくある普通のゲストハウスになってしまいます。でも、何とか数多ある京都の宿の中で、ひとかどの存在にはしたい。

そこで、部屋にある「スイッチ・時計」など見慣れたパーツに、別の機能を加えてハックすることで、新しい体験を作ることにしました。

例えば「調光ダイヤル」。これを回すと、普通は照明の明るさが変わりますが、そこをいじって、いろんな音や光演出を仕込めるような回路をつくりました。

その仕組みを使って、ダイヤルを回すと部屋の怪奇現象が変わる『怖い部屋』というものを作ったり、

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ボタンをたくさん増やして、いろんな音が鳴るようにし、部屋全体が楽器のように遊べる「多い部屋」を作ったりしました。

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また、1階のカフェでは、トイレサインや時計など、「ふつう動かないものが、たまに踊る」という仕組みを入れることで、不思議な体験をつくりました。

ここでの伸びしろは「宿には、まだハックされてない場所が多数ある」ということです。

普通、宿はリラックスして、心地良い体験をつくろうとするので、こんな変な仕掛けをつくる意味はありません。もしくは部屋数が多くて、部屋ごとに仕掛けを入れるのは難しいという場合も多いです。

みんなが見慣れたものをハックすると、面白い表現が生まれやすくなります。ただそれは、悪い意味での「奇抜」にもなり得るのですが、ここではそれを「不思議な宿」と命名し、「怖い部屋」など、エンタメ感覚で泊まれるホテルとして設定することで、必然に変えました。

結果としてこの宿は、広告費0円で、海外メディアも含め、非常に多くのメディアに紹介いただき、予約も埋めることができました。(現在は、コロナで一時休業中です…)



ハイブリット黒板「Kocri」

「新しい電子黒板」を考えるというお仕事。

既存の電子黒板は、電子ペンの反応が遅かったりして使いにくく、結局ふつうの黒板をつかう先生が多いという現状でした。一方で、電子黒板の方にも映像が出せるとか、地図や絵などいちいち板書する必要のない画像を映し出せるというメリットもありました。

●書くのはチョークが慣れてていい。
●でも電子黒板の機能にも価値がある。

これが現地の観察から分かったことです。

そこで、普段は板書。必要なときだけプロジェクターを黒板に投影すればいいじゃん。という結論に至り、「ハイブリット黒板アプリKocri」ができました。


これは「黒板と電子黒板は、融合できる」という大きな伸びしろの発見です。

電子黒板を買うと数十万するものが、KocriはappleTVを買うだけでOK。プロジェクターは学校にあるもので代用できます。Kcoriは、2015年に製品化され、実際に学校にも導入されて、今も続いています。



5:「伸びしろ」を見つけて、PRプロダクトを作る

伸びしろは、PRプロダクトとして活用することもできます。

「PRプロダクトとは」
限定的な商品やプロダクトをつくりニュースにすることで、結果として、企業認知アップとか、商品メッセージを伝えるなど、PRにつなげる考え方です。

商品開発は、商品そのものを売ることが目的ですが、PRプロダクトはその商品の売上ではなく、あくまでPRを目的にした商品開発です。


等身大パネルマザー

印刷会社リンクスさんは、店頭の販促ツールをつくる会社です。等身大の商品パネルをつくったり、什器をつくったりしています。ここで発見した伸びしろは、「等身大パネルは子育てに使える」ということでした。

この投稿は12万いいねと拡がり、そこからアジア・欧米(FOXTV・NOWTHIS)・中東までいろんなメディアに拡散しました。
https://note.com/sato_nezi/n/n2740e832e92f


厨二病ラーメン

イシマル食品さんは、鹿児島の製麺会社です。鹿児島ラーメンは、マグロラーメンなど美味しいものが多いのですが、地方ラーメンと横並びでPRが難しく、少なくともネットでのイシマル食品さんの認知はありませんでした。

もっと会社を知ってもらい、鹿児島ラーメンを食べてもらいたい。しかし、大きなPRコンテンツ作ったり、商品開発をする予算はない…!!

そこで作ったのが「厨二病ラーメン」です。

味は大きく変えず、パッケージと世界観だけ変え、クラウドファンディングに出しました。

魔法陣味(マグロラーメン)、不死鳥味(黒さつま鶏)など、不思議な味。

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さらに、パッケージ裏面の成分表示なども、全て厨二っぽい書き方にすることで、Twitter映えする形にしました。

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結果的に、いろいろメディア拡散したり、830人/300万超えで売れたり、低コストでレバレッジを効かせた施策ができました。

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ここでの伸びしろは「EC販売だからできるパッケージ遊び」です。

「成分表示ハック」などパッケージをいじることで、新しい見せ方を作りました。

これは店に置くパッケージでは不可能です。店に置く場合、パッケージは棚で目立つように工夫されたり、広告的な要素を入れる必要があります。法律的な制限もあります。

ECの場合、広告とパッケージを分離することができます。送付の際、正しい成分表示などが見れる工夫さえすれば、本体のパッケージは自由になれます。

詳しくは下の記事で書いてますが、EC限定の商品は、伸びしろがかなりあるだろうと思います。

https://note.com/sato_nezi/n/n678cee04839b



6:多くの企業が抱える悩み

商品をもっと認知させたい。話題になる商品開発を作りたい。でも大量に広告を出稿したり、0から新規開発するほど潤沢な予算はない…といった中小企業の悩み。
いろんなブランド資産はあるし、数々の商品を作ってきた。もうこれ以上、新しい切り口が見つからない…といった大企業のR&Dチームの悩み。

ブルーパドルに来るご依頼の多くは、こういう相談から始まります。たぶん、多くの企業が、同じ悩みを抱えていると思います。

こういった悩みに対して、商品やブランドがまだ未発見の「小さな伸びしろ」を発見し、そこを活路に企画を出すのが、僕らのやり方です。

ただ、その解決策として、「とにかくカッコよくリブランディングする」とか、「インフルエンサーマーケティングが効果的」とか、「YouTubeでの拡散が効果的」とか「純粋にきれいなWEBサイトを作る」という方向が合ってる場合も多いです。そんなときは無理にブルーパドルで請けず、もっと適した会社をご紹介しています。

チーム内でも、ブルーパドルらしい案件という言い方をすることがありましたが、これを言語化すると「伸びしろの発見がある仕事」に、特に僕らはモチベーションを見出していたのかもしれません。



7:狂気的なほど、「伸びしろ」を見つけたい

そもそも僕は、仕事のためではなく「0→0.1の発見/伸びしろの発見」が趣味なのです。

大げさでなく、それ自体が「生きる目的」でもあります。誰に頼まれるでもなく、もう20年以上、メモ帳にいろんなジャンルの「伸びしろ」をメモしてきました。

特に今年に入ってからは、Twitterでいろんな商品・ジャンルの「伸びしろ」を形にして発表しています。


モビールは、リアル合成ができる「伸びしろ」があります。


デザイナーにとって、服は「切り抜くもの」という側面もあります


ダンベルには「小数点」という伸びしろが空いてます。(これはすごく作りたくて、相性のいいクライアントを探しています。)

みたらし団子は、串の刺し方を変えるだけで、別の商品が生まれます。(理系の大学が近くにある和菓子屋さん、いかでしょうか。。)


地下鉄の「A1〜A4出口」という表記に、地下鉄ポスターの紙のサイズ「A1〜A4」を合わせると、製紙会社の広告がつくれます。


これらはほんの一例ですが、僕のTwitterでは、こういう伸びしろの発見を定期的に投稿しています。

伸びしろは「可能性」であり、まだその先へ行けるという「余地」であり、絶望を希望に変える「スイッチ」であり、2つの選択肢で迷ったときに見出す「第3の道」です。

何か壁にぶつかる人にとって、この記事が役立つことがあれば幸いです。



ブルーパドルはもうすぐ4周年。もっと、たくさんの伸びしろを見つけたい。そして見つけるだけでなく、それをちゃんと実現していきたい。でも僕らが考えるだけでは、机上の空論です。お題が必要です。もし、こんな僕らが必要な状況がありましたら、ぜひご連絡ください。

●お問い合わせ
https://blue-puddle.com/contact


まだまだ語りたい「伸びしろ」の話

その他にも「企業SNSの伸びしろ」「コーポレートサイトにおける伸びしろ」「アートにおける伸びしろ」など語りたいことはありますが、それはまた別記事で書こうと思います。。


ご静聴、ありがとうございました。








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1982年生まれ。プランナー/アートディレクター。株式会社ブルーパドル代表。『不思議な宿』『小1起業家』『CODE COFFEE』『変なWEBメディア』『5歳児が値段を決める美術館』『Kocri』など、様々なコンテンツを量産中。