小4プラグラマー|こどもがプログラミングに熱狂的にハマった3条件
これは、全然プログラミングにハマらなかった小3息子が、小4になってめちゃくちゃハマった話です。
3つの条件が揃うことで「強烈な作りたい」が最初に生まれ、勝手に覚えるようになりました。いい学びがあった話なので、ぜひ共有させてください。
(家庭によって、Scratchとか、プログラミングスクールとかいろいろ試していると思いますが、わが家は最終的に、toio Do(ロボット&ビジュアルプログラミング)で完璧にハマりました)
息子がプログラミングに熱狂的にハマった3つの条件
結論から言いますと、この3つの順番でやっていったことで、こどもは完全にハマりました。
①iPad慣れ|なんとなくわかる
まず、キーボードとかiPadとかに慣れる。scratchもちょっとわかるくらいの状態になればOKです。
②リファレンス|「超やりたい」を生み出す
次に、ここが超重要なんですが、たくさんの楽しい事例(リファレンス)を見せてあげる。こどもの知識量は圧倒的に少ない。「こんな表現、こんなゲーム、こんな遊びがプログラミングでできるんだ!」という可能性をたくさん浴びることで、「じゃあ僕ならこうしたいかも!」というモチベーションや、アイデアが生まれやすくなります。パクりたいアイデアが、たくさんある状態になると、しめたものです。
③締め切り|急いでつくらねば!状態をつくる
アイデアが生まれた小4息子。でも実際、プログラミングで形にするのは面倒だし、0から作った経験ないし、なかなか実行には移せません。そこに「作るための締切」を投入。「こんなコンテストあるから出してみたら?」と伝えると、小4は超興奮。「締め切りまであと1ヶ月しない、やばい、急がなきゃ!!!」と急にスイッチが入って、土日や、平日の放課後も、実装に没頭し始めました。
④ハマると、自走し始める
そしてこの3条件が揃ったときに、こどもはハマりました。ニンテンドー スイッチで遊ぶ時間も削って、toioでたくさん作品をつくり始めました。知らないうちに変数とか、配列みたいなことも覚えてました。
プログラミング思考を、本で教えても全然ハマらなかったけど、それは「覚えて→作る」の順番だったから。いろんなリファレンスを見せて「強烈な作りたい」が最初にくることで「覚える」は勝手についてくるようになりました。
このnoteでは、そのハマっていったプロセスをまとめたいと思います。(長文になってしまいましたが、主な要点はここまでにまとめましたので、ここで読むのを辞めても大丈夫です!)
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ハマる条件1:iPad慣れ(キーボード慣れ)
2020年コロナが始まって、ステイホームに。この小3の時期に、iPadのタイピングゲームや、ネット検索を教えました。そのスキルでこどもは、あつ森で「金の斧」を手に入れる方法などを調べるようになりました。タイピングを覚えると、こどもが一人でiPadでできることが格段に増えるので、とてもオススメです。
●小3(2020年5月ー8月):Scratch ❌
その後、プログラミングツールを紹介するも、なかなかはまらず。まずswift playgroundを試しましたが、これは難しすぎました。
次にScratch。サンプルもたくさんあって、とても良いのですが、Scratchは実装以外に、画面デザインのセンスや、アニメーションの実装センスも必要なので、ゲームを作ろうとするときに、アウトプットのクオリティが上がりにくい。ちょっとキャラクターを動かすくらいなら簡単に作れますが、それだけ作っても、楽しいアウトプットが生まれにくいんですよね…。で、これも断念。そしてプログラミングは定着せず、マイクラ・フォートナイトにハマる日々。
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●小3(2021年3月):toio Do 🔺
それから半年以上が経ちました。そのころ僕が仕事で、toioをscratchで自由に作れるiPadアプリを作っていたので、そのテストプレイとして息子にやらせてみました。
toioは、Scratchの実装で、ロボットキューブが自由に動かせます。そこにさらに、レゴがくっつくので、ただ回すだけの実装でも「面白いもの」ができやすいのが良い点です。
こどもは鬼のように回る最強のコマ「無双回転コマ」を制作。けっこう楽しそうに作っていました。これはハマるかな…?
と思いきや、、全然ハマらずでした!!!親がすすめたら作るけど、自分から自主的に作るわけではありません。
結局、小3の自由時間はすべて、マイクラ・フォートナイト・YouTubeに吸収されていきます。やはりこどもがプログラミングで何か作るのは、ちょっと難しそう。あきらめて、放置することにしました。
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ハマる条件2:リファレンス(事例をたくさん知る)
●小4(2021年5月):いろんなプログラミング作品を見る
それから2ヶ月。ここで1つ、大きな変化が起こります。toioコンテストのキッズ審査員として、うちの子も参加することになったのです。
生まれて初めてやる「審査員」に息子はドキドキ…。一生懸命、作品をみて、自分なりに審査していきました。
このtoioコンテストは、ロボットだったり、ゲームだったり、人工知能作品だったり、メディアアート的だったり、作品の幅がとても広かったのです。レゴを乗せて回すくらいしか知らなかった息子の脳内は、一気に世界が広がっていきました!!
https://protopedia.net/event/13
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●小4(2021年5月末):「強烈な作りたい」というモチベーション誕生
大量のリファレンス(事例)を浴びた小4は、アイデアの幅が一気に広がりました。
こどもにとって、こんなにたくさんの事例を見るのは初体験。「じゃあ自分なら、こんなゲーム作りたい!」など、「自主的な作りたい」が初めて生まれた瞬間でした。
ちなみに、ここでは「審査員」という特殊な状況でリファレンスを浴びましたが、これは「YouTubeで動画を見る」「みんなの作った作品をWEBで見る」などで、ふつうに代替できます。
【リファレンスの重要性:補足】
プロのクリエイターも、事例をたくさん見て、分析していくことは重視されています。ピタゴラスイッチなどで知られる佐藤雅彦さんが、電通時代に大量のCMを見て方法論を生み出したのは有名な話。そのままパクるのは論外ですが、優秀なクリエイターで、リファレンス収集をしっかりして、血肉にしている人は多いのです。
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ハマる条件3:締め切り
●小4(2021年6月):toioのミニコンテスト
作りたいアイデアがいろいろ生まれた小4。しかし、小学生は宿題やらニンテンドー スイッチやらサッカーやら忙しい。プログラミングで実装するのは面倒だし、0から作った経験もないし、なかなか実行には移せません。
…と、ちょうどそんなタイミングで、こども向けのトイオ作品コンテストが始まりました。「トイオの大喜利」という毎月1つのお題が出る、ミニコンテストです。
●締め切りがあると、作れる!
「こんなキッズコンテストあるから出してみたら?」と伝えると、小4息子は超興奮。締め切りまであと1ヶ月しかないことを伝えると、「やばい、急がなきゃ!!!」と急に、本当に急にスイッチが入って、土日や、平日の放課後も、いきなりtoio Doの実装に没頭し始めました。
それまで、親がすすめても、結局スイッチをやってたのが嘘のよう…。しまいには、日曜の家族お出かけの時も、車の中で実装しはじめる始末。タクシー移動中のビジネスマンみたい…。
●小4(6月末):大作「ガチファイター」
そして、6末にはいろんなやりたい気持ちを詰め込んだゲームが出来上がりました。敵の攻撃を避けながら進む、シューティングゲーム「ガチファイター」。キューブをマウスのように動かして、遊ぶやつです。
この1ヶ月は、本当にスポンジのように吸収していました。このゲームづくりをやる過程で、if文とか、ループ処理とか、画面遷移とか、アニメskip処理とか、変数とかいろんなことを勝手に学んでいて驚きました。(YouTubeでscratchの動画も調べたり、いろいろ触ったりして学んだようです)
https://twitter.com/sato_nezi/status/1409353661839396864
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「超やりたい」が先で「学ぶ」が後
多くの場合、プログラミング思考などを「学ぶこと」が先にあって、「作ること」が後にある。でも本当は、逆の方がいいなと思います。「超やりたいこと」が先にあり、「学ぶ」が後にある。
うちの場合「ガチファイター」というゲームを作りたい!!が先にきたことで、本当に素直にいろんな「学び」を吸収するようになりました。
例えば「ゲームのダメージ表現」について。YouTubeのゲーム動画を一時停止しながら、「ダメージくらうときは、こうやって数回白くなったりする」「音もすごい重要」など、アドバイスしました。普段は聞いてもらえない説明も「やりたいモード」だと、アホみたいに聞いてくれます。
硬い石に水をいくらかけても染み込みませんが、スポンジにしてから水をかければ、一気に吸収します。大事なのは、水のかけ方ではなく、どうやって子供をスポンジにするのか。を考えるのが大事な気がしました。
●ハマり続けると、好循環のループに
その後も、トイオの大喜利コンテストが、7月・8月と締切があったことで、こどもは、どんどん制作。1作目を完成させて、およその作り方を知ったあとは制作スピードがアップ。
そして夏休みになると、毎日作るようになりました。朝起きてから「トイオ・スイッチ・宿題・サッカー」のループに…。全然ハマらなかった頃とは雲泥の差です。
8月の終わりには、こんな作品が生まれたり、
9月には、こんな作品つくったり。
4ヶ月間で、彼のiPadには大量の作品が並んでいました。
ジャストパニッシュや、1年ノ端など、やや厨二病を感じさせる作品も生まれ始めていて、数年後が楽しみです。
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おすすめの「こどもプログラミングツール」
この3条件で特に、重要なのは「リファレンス」だと思います。ここをしっかり大人が用意してあげることが、1つ分岐点かもしれません。(それでハマらなければ、好きではないということですし、無理にやらせるものでもないですしね)
そんな理由からも、プログラミングツールの選定基準は「リファレンスがしっかりあるもの」がいいのかなと思います。僕のおすすめは、以下です。
1:ビジュアルプログラミング系
無料でサクッとやれるものが多く、事例もたくさんあるのでおすすめ。(うちは、スクラッチは、あまり面白いアウトプットが出せず、ハマれませんでしたが、toioDoで覚えてからは、スクラッチでも遊ぶようになりました。スプリギンは、今後試す予定です。)
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2:ビジュアル&ロボットプログラミング
toio Doは画面の中のゲーム以外にも、ロボットキューブを使えることと、プロの大人もたくさん作っているツールであることが特長。
レゴを動かしたり、エアホッケーみたいなゲーセンゲーム作れたり、玩具、楽器などの立体ゲームなど、いろんな事例が生まれています。プログラミングで物が動かせるので、画面の中のゲームデザインをしなくても、面白いものが作れるのが良いところです。(落合さんがやってたワークショップ面白かったです)
実装はScratchと同じというか、Scratchのデータをそのまま、toioDoで読み込めます。画面の中だけに飽きたスクラッチユーザーにおすすめかもです。toioも絡めて、ブロック崩しを、リアルデバイスで動かせるようにしたりできます。
いろんなゲームとして販売されていますが、プログラミングだけをやりたい場合は「キューブ1つ&コアキューブ単品用充電器」を個別に買う方法もあります。
でも後からゲームでも遊びたくなるなら、GoGoロボット とかトイオコレクションのセットで買った方がいいです。単品用の充電器には、ゲームをするためのカートリッジがついてないので、新たに買い直すことになってしまいます。
…と、toioは自分も関わってるのもあるので、説明が分厚くなってしまいましたが、こども がハマれるなら、どんなツールでもいいと思います。
そして、この記事によって、誰か1人でもプログラミングはまるきっかけになったら本当に嬉しいです。
長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
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息子シリーズ
ちなみに、これまでにも「息子シリーズ」というライフワークとして、毎年こどもの年齢でできることに合わせて、作品/実験をしてきました。
小1のときは「お金の授業」として小1がコーヒー屋さんを開始。このnoteは、とても大きな反響がありました。
コーヒー屋さんはコロナで親が家で、自分でコーヒーを淹れる量が増えて廃業。現在はこの記事の通り、トイオゲームクリエイターに転向中。
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