キャリア観の地方格差
こんにちは。佐藤です。
今日はキャリア教育を題材にします。
僕自身も高校や大学のキャリア教育に携わりつつ、NPOでもキャリア教育を題材としたワークショップなどを企画するしています。また他の団体のキャリア教育の事業に関わらせていただいたりもしています。それらを行う中で、また僕自身の経験談も合わせて最近(というか、結構前から感じていた)思うことをまとめていきたいと思います。きっと同じことを思う人は結構いるんじゃないかと思います。
そもそも、キャリア教育というものが始まる前は、キャリアというものの見本となるものは、自分の親や身近な大人、もしくはこれが一般的と言われているものが、キャリア像となっていました。
それが時代の変遷によって、多様な人生のあり方が求められるようになってきたという経緯があります。人生100年時代という言葉や一時期話題になった「LIFE SHIFT」などでも、その在り方が色々と提示されていますよね。
時代の変遷やキャリア観のことは、今日はひとまず置いておいておきます。今日話したいのは、このキャリア観に地方格差が顕在化していること。
地方は都市部に比べて、どうしてもキャリア像が固定化されがちです。僕の友達にも高校卒業後、地元企業に就職して、かなり早い年齢の頃に結婚し家庭を持ったという人もいます。高校卒業というタイミングなので大学生の就職活動に比べたら、就職先の選択肢もそれほど多くはありません。その中で転職もせず、そろそろ勤続20年になる頃ではないでしょうか。
もちろん、このようなキャリアを否定するわけではありません。早いタイミングで仕事に携わり、家庭を持ち、充実した人生を過ごしていると側から見ても思います。
ただ、彼が、たとえば大学に行ったりして、人生の選択肢が増えていたらどんな人生を歩んでいたのか、より多くの人と関わることによって世界観が広がっていたら、今何をしていたのか。ということを思うのです。
先述したように、地方は都市部に比べて、ことキャリア観に関するロールモデルは固定化されてしまいがちです。親の生き方が子の生き方になりがちです。親としても経験がないためアドバイスもしにくいということが遠因かもしれません。
だからこそ、今、地方の、特に中学生や高校生に向けたキャリア教育に力を入れていかなくてはならないのです。若者たちに選択肢という知識を持ってもらうためにも。それができないと都市部と地方の新しい格差が生まれる要因になりかねないと思います。
しかしこれがいまだになかなか進みません。その大きな原因が予算にあると思います。キャリアワークショップなどのご依頼をいただいても、その金額はある種破格です。企業とかだったら請けないんじゃないかなという印象を残念ながら持ちます。
都市部でさえこのような状況。私立ならまだしも、地方でこの金額でとなったら実施はほぼ不可能だと感じます(謝金の他、交通費や宿泊費がかかる可能性がありますし)。国家として教育に予算をもっと回して欲しい。切実。
こんな状況ではあるけど、こととふラボとしてもなんとかしてこのような場を作ることはできないか、ずっと考えています。コロナでも予算面でも、直接対面が難しいならオンラインでできることも多々あるはず。また、我々だけではできないことも、どこかとコラボすると実現できるかもしれません。いろんな団体さんと協力してこの問題に対応していけたらと思っています。
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