【着物コラム】着付けが出来なきゃ着物を着てはいけないのか
こんばんは。
着物コーディネーターさとです。
着物を着ていると高確率で
「着付けって大変ですか?」
「どのくらい時間がかかりますか?」
「練習してるんだけど上手く出来なくて、着て出かけられなくて…」
と聞かれます。
着付けはそんなに大変じゃないですよ。
覚えるのに時間はかかったしそれなりに練習もしたけど、
技術面で言えば、紐が結べれば誰でもできます。
でも、着付けが上手くできないから…って言ってる女の子の自撮りとかを見せてもらうと、
着付け上手だったりするんです。
すごく不思議な現象!
みんな大体、私の着物着始めた頃なんかよりずっと綺麗です。笑
私が着付けを覚えたきっかけ
私自身は、着物の着付けより先に浴衣の着付けを覚えました。
10代の頃、同じバンドが好きな子達と「浴衣でライブに行こう!」って話になったんです。
当時、私はもちろん着付けが出来なくて、母に着付けして貰ってたのですが、母が不在の日は着られないんですね。
共働き家庭だったので高確率で母が不在でした。
なのでライブの日までに急ピッチで母に教わりました。笑
「ライブに着て行きたいから」と伝えたら
「はだけないように!」って着付けを教えてくれて、
母が浴衣に胸紐を縫い付けてくれたりしたのも大きかったです。母の愛は偉大…!
そう、その時の私の目的は「浴衣を着る」ことではなくて
「浴衣でライブに行く」
「あわよくばイケメンに褒めてもらう」
ことだったんですね。笑
10代からやることが変わりない。笑
今年は夏着物で友達のRyocomonsterちゃんのライブに行きました。
マリオネットのくまさんはトートン。
メガネのイケメンはナカタさんです。
「目的」は何か
着物を着るって何か口実がいるように思う方も多いんですが、
私は無目的に着物を着る事も多いです。
大体は人に会うために服を着るので、今日は着物にしよう!という感じです。
洋服と同じですね。
着物を選んだからには着付けをします。
でも、その時の私の目的は着付けをすることではなくて着物を着て出かけたり誰かに会う事です。
なので当然や人に場所に合わせて着物を選びます。
ただカフェでダラダラお茶したいときは楽チンに半幅帯にしよう、とか
夜遊びする日はお酒をぶっかけられても平気な洗える着物にしよう、とか。
着付けは「手段」でしかない
着物を着る上で、着付けはあくまで、
着物を着るための手法・手段です。
着付けをする事が目的ではなく、
着ること、さらに言えば誰かに会う事だったり、行きたい場所に行く事だったりしますよね。
確かにぐずぐずの着付けで出かけると歩きにくいし、動いてるうちにさらに着崩れてくるしで中々辛いです。
でも、動いてわかる事もあります。
あ、ここが開いてくるな、緩んでくるな。
そしたら次に着る時の気付きになります。
その気付きは出かけて動かないと得られない事です。
そうしたら、次は「手段」を変えてみれば良いのです。
「手段」の答えは1つではない
着付けに限らず、世界には色々な目的があり、それに向けた手段が星の数ほどあります。
着付けも同じです。
例えば、おはしょりを綺麗に整える手段はひとつではないし、個々の事情によって違います。
首が細く見える襟の形は人によって違います。
答えは1つではないし、個々によって違います。
でも、自分だけの正解を探すのって楽しくないですか?
私はそれが堪らなく楽しいです。誰かに正解を教えられるのとはまた違う楽しさです。
「着付け」にとらわれ過ぎた着物はつまらない
これはあくまで個人的な気持ちなのですが、
着付けは手段であって目的ではないので、手段にとらわれ過ぎて目的を見失うのはとても勿体無いな、と思います。
端的に言えば着ていて誰かが迷惑を被らなくて、自分が楽しければ良いんです。
ファッションは個人の楽しみなんだから。
「今日の着物、可愛く着られたなぁ」
「今日のコーディネート可愛くできたなぁ」
と思えたら着付けの役目はそこでおしまい!
あなたの目的はなんですか?
ぜひ楽しい「目的」を見つけて、
着物をたくさん楽しんでください。
#着物 #浴衣 #ファッション #エッセイ #コラム #着物コーディネーターさと