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ビジネスウェアD2C、FABRIC TOKYOでロイヤルティプログラムを立ち上げ。背景やこだわり、意図など

お久しぶりのnoteです。FABRIC  TOKYOの佐藤です。

本日、「FABRIC TOKYO メンバーシッププログラム(以下、メンバーシッププログラム)」をプレローンチしました。

メンバーシッププログラムは既存顧客向けのマーケティング、LTV向上を目的としたロイヤルティプログラムです。
本サービスを企画・立ち上げを行った者としてD2C及び小売業界でロイヤルティプログラムを検討・立ち上げられる方の参考になればと思い、筆を取ります。

※本記事に使われている画像の権利はすべて(株)FABRIC TOKYOに帰属します

D2C・小売におけるロイヤルティプログラムの必要性

ロイヤルティプログラムの詳細な説明はGoogle先生に譲りますが、ロイヤルティプログラムの有名所は以下になります。

どれもサービスを利用すれば利用するほどランクが上がり、それに応じて便益が提供されるプログラムになります。
小売としてロイヤルティプログラムに取り組む目的は「一度獲得した顧客を囲い込み、LTVを向上させる」と言い表すことができるでしょう。

昨今のサードパーティCookie規制によるターゲティング広告の縮小、それによる新規顧客獲得コストの上昇トレンドを勘案すると、新しい顧客を獲得することだけにコストを割くのではなく、既存顧客と繋がり続け離脱を防ぎ、リピートしてもらうことにもコストを割くことが事業の成長に繋がります。

2020年頃からアメリカのD2Cでもロイヤルティプログラムの導入が始まっており、しばらくこの流れは続くと想定されます。

FABRIC TOKYOのロイヤルティプログラム

FABRIC TOKYOも2019年にRaaS(Retail as a Service)構想を掲げるなど、売って終わりではなく売ってからがスタートということでお客さまへのアプローチを続けてきました。
店舗で採寸をしたら次回からはECで購入できるというビジネスモデルそのものや、マーケティングオートメーションへの取り組み、サブスクリプションサービスの提供、WHITE FRIDAYなどの各種企画などがそれにあたります。

そしてこの度メンバーシッププログラムのリリースに至ったわけですが、立ち上げの際、設計とネーミングに非常にこだわりました。

設計の意図・こだわり

今回リリースしたメンバーシッププログラムの一番の肝がステージアップの条件設計になります。

一般的にロイヤルティプログラムは購入金額によって顧客のランクを設定します。購入総額が上がれば上がるほど特典をうけられる、というのがわかりやすく既存顧客に向けてアプローチができます。AmazonやTポイントカードのポイントを思い浮かべていただくと納得しやすいかと思います。

しかし、今回はあえてその設計にはしませんでした。

もともとポイントは提供していたのもありますが、FABRIC TOKYOは"Fit Your Life."というブランドコンセプトで、個人のライフスタイルや価値観にFitするビジネスウェアを提供したい、と掲げているのに"購入金額だけ"で"ランクを設定する"ということに大きな違和感があったためです。
→もちろんこの発想が悪いわけではなく、FABRIC TOKYOには合わなかったということです

そういった状況で軸にしたのは「どのようにすればブランドコンセプトの"Fit Your Life."を実現できるか」です。

FABRIC TOKYOでは定期的にお客さまにインタビューをしています。その中でFABRIC TOKYOを好んでリピートしてくださっている方々に共通することを見つけることができました。それは「FABRIC TOKYOの売りを理解してそれを最大限に活用してくれていた」といういわば当たり前の事実でした。

FABRIC TOKYOの売りを理解できる→それを活用できる→"Fit Your Life."の実現に近づく

という仮設のもと、FABRIC TOKYOの売りを理解するためのオンボーディングの要素をロイヤルティプログラムに組み込みました。

例1: オーダーした商品を着用した満足度までFABRIC TOKYOは責任を持つことを体験していただく
例2: ECサイトだけでオーダービジネスウェアを購入する体験をしていただく

このようにアクションベースでロイヤルティプログラムを設計したことで、顧客は提示されたネクストアクションを実施することでサービス理解と特典を得ることの両立企業はオンボーディングの程度によって適切なサービスや体験が提供可能になる、といった効果を見込んでいます。
(ちなみにこれを社内では「クエスト」と呼んでいました)

この設計ができたのも、FABRIC TOKYOは"購入"をお客さまとの唯一の接点とせず、お届け後の満足度回答やEC利用などの"利用"を接点としてデータを取得していることが大きかったです。

これらにより、従来型のロイヤルティプログラムで陥る「購入総額の高いロイヤルカスタマーには特典が提供できるが、多くの人はロイヤルカスタマーになる以前にサービス理解が無いまま離脱する」という状況を抜け出せるのではないかという仮説です。

ネーミングの意図・こだわり

オンボーディングにも活用するメンバーシッププログラムはほとんどのお客さまに触れる情報になるため、ネーミングもブランドを反映させるものにしました。

何度も書きますが、FABRIC TOKYOは"Fit Your Life."というブランドコンセプトで、個人のライフスタイルや価値観にFitするビジネスウェアを提供したい、と掲げているのに"購入金額だけ"で"ランクを設定する"ということに大きな違和感があります。そして、お客さまをゴールド、シルバー、ブロンズ、のようにモノの価値で呼び分けることにも前向きになれませんでした。

そのことから、一般的に"ランク"と呼ばれるものを"ステージ"と呼び、各ステージを"スターター"、"レギュラー"、"リーダー"、"イノベーター"としました。

"ステージ"にしたのは「企業がお客さまをランク付けするのではなく、お客さまが選んでその場に立つ」というニュアンスを含め、"スターター"、"レギュラー"、"リーダー"、"イノベーター"としたのは「"チームFABRIC TOKYO"としてひとりひとりがライフスタイルを実現していき、向上していくリーダーであり、イノベーターである」という意味合いが含まれています。

このあたりはブランドとしての想いが先行してるところでもあるので今後の浸透度は注視せねばならないと感じています。

テック企業としての立ち位置

最後にこのメンバーシッププログラムによってテック面から見てどのような貢献や発展があるかということにも触れておきます。

メンバーシッププログラムによってブランドとの関係性(縦軸)を可視化

雑な絵ですが、FABRIC TOKYOは店舗でお客さまをひとりひとり接客することを強みに、横軸のライフスタイルを定義し、課題と向き合い提案をしてきました。

そこに今回のメンバーシッププログラムでブランドとの関係性の深さ(縦軸)を可視化できるようになります。
これにより、お客さまごとのライフスタイルとブランドとの関係性の2軸でお客さまを捉え、もう一段階上の提案ができるようになるはずです。

テックタッチを中心に据えていたコミュニケーションも必要に応じてロータッチやハイタッチに切り替えることができるようになるかもしれません。

このあたりはまだまだ掘り甲斐がありそうで、オフラインとオンラインを組み合わせたブランド体験を作っていけたらと思います。

まとめ

FABRIC TOKYOでリリースしたロイヤルティプログラム「FABRIC TOKYO メンバーシッププログラム」についてのご紹介でした。
立ち上げの背景や意図などがもし参考になれば嬉しいです。

もし内容にご興味をいただけたようでしたらこの記事をシェアいただいたりTwitterのDMやらでお声がけいただければと思います。

また、FABRIC TOKYOで働くことに興味があるという方がいらっしゃいましたらマーケターでもエンジニアでもデザイナーでもプロダクトマネージャーでもカスタマーサクセスでも是非Twitter(@sato_ken_)でDMください。

メンバーシッププログラムの紹介ページはこちらです。


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