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自分の「強み」の本質理解

私はよく転職の相談を受けるのですが、相談の中でも多いのが「自分の強みを活かして働きたいと思っているが、自分の強みがよく分からなくなった」というものです。

転職活動を始めると多くの人がまず自己分析を行って自分の強み、弱みを考え始めます。そして自分の強みを活かせる仕事を探し始めます。ところがここに大きな落とし穴があります。それは「自分よりその能力が長けている人が必ずいる」ということです。

当たり前のことですが、自分がその能力で世界一でもない限りは、必ず自分よりもその能力が高い方がいます。そのため「これは本当に自分の強みなのか?」というところで行き詰ってしまい、思考が停止してしまうのです。

ここで自分の強みについて大事なポイントをお伝えします。

「強みとは相対的なものである」
「強みは磨かなければいけない」

一つ目の「強みとは相対的なものである」とは、自分の能力は相手がいて始めて強みかどうかが決まるということです。強みとは「他の人よりも優れている点」です。つまり相手がいないのに、自分の持っている能力が強みかどうかは分からないということです。

例えば、自分は営業が得意だからコミュニケーション能力が強みだと思っていても、営業が強い会社の営業職に転職しようとすれば、自分よりもコミュニケーション能力が高い人がたくさんいるので、それは強みと言えなくなります。反対に自分が人事の仕事に転職したいと考えているのであれば、お客様と交渉して商談をまとめてきたスキルは、社内の企画を通すときのプレゼンテーションで活かせるかもしれないし、採用面接や社員との面談をする際のヒアリング能力として活かせる可能性があるため、強みと言えるかもしれません。このように自分の持っている能力が強みになるかどうかは「相手」が決まって始めて評価することができます。

では転職活動する際にどうしたらいいかというと、まず「自分が持っている能力を書き出し、その中で相対的な順位をつける」という作業を行います。そして受けたい企業と職種が決まったら、自分が並べた強みの中から、そのポジションに対して強みになりそうなものいくつかピックアップするのです。そしてこれを応募するポジションの仕事に活かせるように関連付ければ自己PRとして話すことができます。

転職相談を受ける中でよくあるのが、自分の強みとして認識している能力の数が非常に少ないというパターンです。たいてい強みを聞くと3、4個しか出てきません。正直これでは少なすぎます。自分の持っている能力はもっと数が多いはずです。

「交渉力」「正確性」「継続力」「探求力」「決断力」「判断力」「論理的思考力」「傾聴力」「プレゼン能力」「企画力」「構想力」「発想力」「仮説構築力」「概念化」「計画力」「柔軟性」「臨機応変性(対応力)」「体力」「推進力」「再現力」「実行力」「包容力」「影響力」「情熱力」「育成力」「段取り力」「精神力」「集中力」「忍耐力」「胆力」「チームマネジメント力」などなど

これ以外にも「知識」や「経験」「性格」なども強みになります。
とにかくまずは自分が持っている能力を書き出してその中で相対的に順位付けをしてみてください。そしてどれが良いかは、相手が決まってから「強み」となりそうなものをピックアップするようにしてください。

強みは鍛錬のレベルで磨き上げる

そしてもう一つ大事な点は「強みは磨かなければいけない」ということです。この「磨く」という作業をしていない方がとても多いです。たとえ素晴らしい能力があったとしても、それを使っていなかったら必ず鈍ります。強みは絶えず磨いていないと、自分以外にその能力が長けた人が来た時に負けてしまう可能性があります。そうなるとそれは「強み」として輝きを失ってしまいます。

磨き方の大事なポイントは「より多くの人の役に立つように磨く」ということです。仕事での強みは人の役に立って始めてその能力が評価できます。そのため「できるだけ多くの人」「できるだけ良い状態にできる」ように磨いていく必要があります。

私の好きな格言に宮本武蔵の言葉があります。

「千日の稽古をもって鍛となし、万日の稽古をもって錬となす。」

これだけその能力を「鍛錬」すれば、いずれはその能力が会社で一番、業界で一番、日本で一番になるかもしれません。

ぜひ皆さんも自分の「強み」を見つけて「磨き上げて」ください。

※コーチングのご依頼はTwitterよりメッセージください。


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