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人を「褒める」ことが苦手な人の特徴

今のご時世「人は褒めた方が伸びる」という考えに否定的な人は少ないと思います。もちろん厳しく指導してもらった方が自分は努力するという方もいると思います。それでもずっと怒られっぱなしで、一向に承認してもらえなかったら「自分は本当にダメだな。。。」と自尊心が低くなってやる気が損なわれるかもしれません。

もちろん直さなければいけないところがある場合は、時には注意して改善を促すことが必要だと思います。一般的には褒める8、叱る(注意を促す)2が良いと言われています(より正確には7.5:2.5という研究成果もあるようですが)

では皆さんはこれくらい誰かを褒めているでしょうか?

正直自分は比較的褒めるのが苦手でした。特に以前は、例えば自分の配下のスタッフが何かを行っても「それくらいはやって当たり前だから」「それくらいで満足していてはだめだ」「やっとそれぐらいはできるようになったか」という考えが浮かんでしまい、言葉では一瞬褒めることもするけど、実際にはほとんど褒めていませんでした(その「褒める」も実際には言葉だけで笑顔もぎこちないし、そもそも心からスゴイとは思っていなかったと思います)

ではなぜ心から褒めることができないのでしょうか?

それは自分の相手への「期待(の度合い)」と同じ「視点」から相手を見ているからです

人は相手に対して何かしらの「期待」をしています。例えば仕事であれば「このくらいの売上は上げてほしい」「これくらいのプレゼンテーションはできるようになってほしい」「これくらいの報告はしてほしい」「これくらいのことは自分の頭で考えてほしい」など。

この相手に「期待」すること自体は悪いことではないのですが、その「期待」と同じ「視点」から相手を見てしまうと、たとえ相手が自分なりに努力して結果を出したとしても、自分の「期待」しているレベルには到達していないため「いや~、まだまだだね」と考えてしまい、心から相手を褒めることができません。

期待との

ではどうしたらいいのか?

褒めることが上手な人の特徴は小さな変化に気付けるということです。

なぜこれができるかと言うと「自分の視点を今の相手のレベルにまで下げている」からです。自分が相手のレベルと同じ目線で見ることができれば、相手の1ミリの成長が見えます。それが分かれば、その1ミリの成長を褒めることができます。しかし自分の「視点」が高いままだと、その人の1ミリの成長が見えません。

期待を下げる

その期待の度合いと同じ目線から相手を見てしまうと、成長が見えにくいということです。

そしてもう一つ大事な点ですが、なぜ自分の「視点」を相手のレベルに合わせなければいけないのか?どうして合わせる努力をしなければいけないのか?といえば「相手が成長して成果を出してもらった方が自分にとっても会社にとっても本人にとっても幸せな状態になるから」です。さらに言えば「自分が他人に対して効果的な人間になるため」です。この目的を持たずに自分の都合だけを考えると面倒だとか、成長なんて自分でするべきとか、他人を変えることなんてできないという考えが出てきてしまい、褒めることができなくなります。

実際に褒められた人は自尊心が高まり、行動的になり、生産性が上がります。これは大人だけでなく、子供も同じだと思います。教育熱心な親は子供を厳しく躾けなければ伸びないと思いがちですが、実際には褒めた方が子供は伸びます。(褒めた方が主体性は出てきます)

自分は周囲の人に対してどのような「期待」を持っているでしょうか?

部下に対して、上司に対して、同僚に対して、恋人に対して、子供に対して。もし自分の「期待」が高く「視点」を相手のレベルに合わせられない場合、相手との関係でトラブルを抱える可能性があります。

そして実は「視点」を一番下げてほしい相手は「自分」だということです。自分で自分を責めている人はメンタルの状態を崩す可能性が高いです。私が障害者支援の仕事をしていて一番感じるのは皆さん自分に対してとても厳しいということです。

「自分はダメな人間だ」

これは「他の人と同じことができなければいけない」と自分は本来そのレベルにいないといけないと「期待」しているから、その「視点」から見ると自分はダメだと思っている状態です。

そうではなく、今の自分をちゃんと観察して、自分が1ミリでも成長したら「スゴイ」「さすがだ」と自分で自分を褒めてあげることが、褒め上手になる第一歩だと思います。

自分の「期待」と「視点」はどうなっているかを良く見ることから始めてみると、褒め上手になれると思います。

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