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自分が「消極的選択」をしている事に気付いた時の解決策

先日ある女性Oさんとお話ししているときに彼女から「私は無理して自分を変えようとは思わない」「そんなにストイックな性格ではないので、自分を変えるために努力は難しい」「そもそも、私はその人らしさを自他ともに受け入れられる状態になることが理想だと思っている」と言われました。

Oさんは管理職として仕事をしている方でした。そもそも私のところに相談に来たのは、現在管理職として行き詰っていて悩んでいるというところからでした。

以前の職場で同じチームになった女性と激しくぶつかり、その時にお互いに傷つき、Oさんは「自分が人をまとめていくのは無理」と感じ、その時は自分が異動し、管理職も降りたという経験がありました。

しかし、その後やはりもう一度チャレンジしたいと当時の上司に志願し、再度管理職として仕事を始めました。ところが今度はスタッフの機嫌を損ねてはいけないと、スタッフの顔色をうかがいながら仕事をするようになってしまいました。また仕事もスタッフに振ることが上手くできず自分で抱えてしまい、部下からも「Oさんとコミュニケーションが取りづらい」という声が上がるようになり、Oさんも自分がどうしたらいいかが分からないという状況で私のところに相談にきました。

その話を聞き私は、「いま自分が望むようなアウトプット(円滑に運営できているチーム)が出ていないなら、自分を変えることが一番早い」ということをアドバイスした際に、始めのような言葉がOさんから返ってきました。

要は「自分も今よりもチームが良くなって欲しいとは願っているし、それをするために自分を変えた方が良いことは理解はできるが、ただこの年齢(30代半ば)までこの性格でやってきたので、今からそれを変えるのはとても大変。そこまでしないといけないということであれば、やはり自分にはこの(管理職としての)仕事は向いていないと思う」ということが真意としてありました。

さて皆さんならOさんにどのようなアドバイスをするでしょうか?

一度は管理職から降りて再度挑戦したいと言ってまた管理職になったのだから、甘い事言ってないで努力するようにアドバイスするでしょうか?

または、本人が変わる努力をすることは嫌だというのだから、それなら仕方ないので、彼女の希望通り管理職を降りるようにアドバイスするでしょうか?

私はこのどちらでもなく「Oさんが本当に叶えたいゴールを設定してみたら?」とアドバイスをしました。
コーチング的には「want to」でゴールを設定するということです。

Oさんはおそらく前回の失敗から「管理職とはこうでなければならない」「チームはこうでなければならない」という「~しなければならない(have to)」での思考で考えるようになっていました。

つまり「have to」思考とは、自分が「~したい(want to)」ことではなく、周囲から求められていることや、自分の中での勝手な「チームとはこういうものだ」という考えから、自分の管理者としてのアウトプットを考えていました。

その時に私から「成果を出したいなら自分をまず変えてみたら?」と言われたので、自分が本心からやりたいと思っていない事のために、自分の性格や自分のやり方まで変えなければいけないのは辛すぎる。だったら管理職なんてやりたくないし、自分を変える努力をストイックにやることなんてしたくない、という発言に繋がったのです。

ただ、私が伝えた「want toのゴールを設定してはどうか?」という提案は、管理職だからとかは置いておいてOさんが本当に心から望むゴールを設定したらどうですか?ということです。自分が心から望むものが設定できれば、それを手に入れるための努力は「頑張らなければいけない事」ではなく「積極的にやりたいこと」になるはずなので、努力という言葉もいらなくなるはずなのです。

そしてOさんは売上とかそういったことを抜きにして本当に欲しいゴールを考えました。そして出てきたのが「チームスタッフ全員がチームのゴールのためにお互いに協力しあい、なおかつスタッフのQOLも高いチームにしたい」でした。

このゴールを達成するためには、自分がスタッフに遠慮していたり、自分で仕事を抱え込んでしまっていたら、達成することができません。そのため、自分もスタッフに積極的に声をかけ困っていることを聞き、またチーム目標を達成するために、どうした良いかを全員で話し合う場を持つ必要があることが理解できました。

Oさんは当初自分が変わらなければいけないと考えた時は、そんなに辛い思をするくらいなら変わりたくないという「消極的な選択」をしていましたが、この新しい「want toのゴール」を設定することで、自分自身も変わりたいと思えるようになってきたと話してくれました。

このwant toが強ければ強いほど、自分を変える原動力にもなるため、Oさんには引き続きwant toを考えてもらっています。

自分が「消極的選択」をしているなと気づいたら、ぜひ自分のゴール「have to」だけになっていないかを確かめてみてください。

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