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ちいさな詩ものがたり【VOICEROID紲星あかりの朗読も】

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ちっこい詩のような、ちょっぴりスピが混じった物語のかけらを、佐藤耳オリジナルのスクリプトとして紡いでゆきます。これを読んでくださった方が元気になったり、わずかでも慰められたらいい…
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#小説

グルグルの秘密と火のダンス

グルグルの秘密と火のダンス

意地悪をしてくるポルターガイストが好きだった、と言うと、みんなはとても変な顔をします。
彼女は幽霊。誰かれかまわず憑依をしては、わたしの髪を引っ張ったり、家具を動かしては困らせる。
でも彼女のこと、いとおしい。だって生まれることのなかった、もう一人のわたしなんだもの。きっとわたしたち、そっくりの顔をしているかもね。

マッチ箱、って知ってるかな? アンデルセンの童話にもでてくる、マッチ箱がお仏壇

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アオゾラキカイ

アオゾラキカイ

雨が降ってきたというのに恋人は、約束してた楡の樹の下に、きょうもまた、やってきませんでした。
こんもり、傘みたいに緑がひろがる樹の下だったけど、土砂降りになったらわたしはびしょ濡れ。
だからロボットになることに決めました。赤さびた少女のロボットは傘もなく、冷たい瞳で彼を待つのです。

待ちぼうけの合間に見る夢は、壊れたマシンの夢でした。それも機械のパーツだけが落ちていて少しだけ、動く。
空から素

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箱のなかの青い蝶々。雨と夢

箱のなかの青い蝶々。雨と夢

わたしのすべてを知りたがるきみへ。どうしても伝えておきたいことがあります。
いまはむかし。一千年前に生きた青い蝶々をおさめた、これもまた古い小さな箱を、わたしが持っていることを。
この箱の由来については秘密にしておきますね。いまは黙ってわたしのする話に耳を傾けて欲しいのです。

箱のなかの夜では、まだ一千年前の蝶々が生きていて、青く輝く鱗粉を散らしながら、柔らかく閃いています。
そこは、しっとり

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