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立川談笑『令和版 現代落語論〜私を落語に連れてって〜』を読んで

こんにちは、さちこです。普段は、外国の方に第二言語としての日本語を教えています。どうぞよろしくお願いします。

少し前に、落語経験についてnoteに書いた。
その時にあらためて「寄席に行きたい!!」との思いを強くしたのだが、
「はてさて何処で、誰の落語を?」 という疑問もわいた。
もちろん談笑師匠の落語は当然として、演者によって七変化すると知ったなら、
他の落語家のも拝聴してみたいと思うのが人情だろう。知らんけど。

そんな時に読んだ新刊『令和版 現代落語論』(立川談笑著)に、

とても明快な答えが書かれていた。
落語家さんを美容師さんに例え、
どの落語家さんの話を聞きに行くといいのかという説明は、
理由も含めて、とても納得するものだった。

気になる人は、立川談笑『令和版 現代落語論〜私を落語に連れてって〜』を買って、p.33〜p.35辺りを読んでみてほしい。買って決して後悔しない本です。知らんけど。

その人が真摯に好きなモノについて語るのを聞くのが好きだ。
そういう語りを聞くと、そのモノだけでなく、それを語る本人のことまで、
それまでより好きになったりする。
そのモノの魅力と共に、本人の人となりも感じられ、親近感がわくのだ。

『令和版 現代落語論〜私を落語に連れてって〜』では、談笑師匠が、
落語界に身を投じるまでのお話や、落語と「お笑い」との違いについての分析、
落語の成り立ちを調べたお話など、落語について縦横無尽に語っておられる。
それらを読むと、談笑師匠が日々真摯に落語に向き合われていること、そして落語が大好きなことが伝わってくる。落語の魅力への理解が深まると共に、談笑師匠のことが益々好きになるのである。

江戸の昔から続く落語は、常に同じではなく、その時々の客が理解しやすいように工夫が加えられ、改作されているという。
『令和版 現代落語論 〜私を落語に連れてって〜』では、談笑師匠がいくつかの改作について、「どのような視点で、どのように改作したのか?」をわかりやすく解説するパート(p.98〜p.221)がある。
そして、そこで紹介される演目の高座がQRコードで見られるようになっている!
そして、そこで紹介される演目の高座がQRコードで見られるようになっている!
(大事なことなので、2度言いました。)

寄席まで出かけなくとも、『令和版 現代落語論 〜私を落語に連れてって〜』を購入すれば、まずは映像で落語の江戸の風を感じることができるのだ。
その後は、是非とも生の、LIVEの、ao vivoの落語を聞きに、ウキウキウォッチングに出かけてほしい。
『令和版 現代落語論 〜私を落語に連れてって〜』でも言及されており、
件の落語経験についてのnoteでも書いたが、
生の、LIVEの、ao vivoの落語は、断然良いのだ。おススメなのだ。
一推しなのだ。
ぜひ体感してほしい。
私も出かけるぞぉ!! 
わはは。(←読んでいる内に談笑師匠の口癖(?)がうつってしまった。わはは)


立川談笑『令和版 現代落語論〜私を落語に連れてって〜』は、
「ひろのぶと株式会社」が出版する3冊目の書籍である。
「ひろのぶと株式会社」というのは、
読みたいことを、書けばいい。』『会って、話すこと。』の著者である
田中泰延さんが立ち上げた前衛的?革新的?な出版社である。
何がどう前衛的?革新的?なのかは、こちらを読んでいただけるとよいかも。

ちなみに、1冊目と2冊目はこちら。

(お読みくださり、ありがとうございました)


<2023年10月30日追記>
立川談笑『令和版 現代落語論』書籍連動 高座動画のうち、「饅頭怖い」の講座動画が広く公開されたとの報を受け、本文内に追記しました。

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