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わたしの好きなポルトガル語11: ブラジルでは「結婚は甘いお菓子を生む」のか!?

こんにちは、さちこです。普段は、外国の方に第二言語としての日本語を教えています。どうぞよろしくお願いします。

「和菓子ってポルトガル語で何て言うんだろう?」と考えてもわからなくて、
辞書を引いたら、"o doce japones" と出てきた。
doce=甘いお菓子、 japones=日本の なので、
「そりゃそうだよね、何で思いつかなかった」と自分にツッコんだ。

せっかく辞書を引いたからと、doceの項目を読んでみると、
"dar os doces"という表現が、ブラジルの口語では「結婚する」という意味になる
と書かれていた。

”dar” という動詞の意味は「生む」とか「もたらす」といった意味なので、
"dar os doces" という表現は直訳すると、「甘いお菓子を生む? もたらす?」
それが、ブラジルでは「結婚する」という意味になるとは、どゆこと!?

言語について学んだ時に印象深かったことの一つが、
言葉は人が必要とすることによって生まれるので、
その言語を使う人々の生活や考え方が反映されているというもの。
例えば、日本語ではお魚の種類を指す語彙が多く(お寿司屋さんの湯呑みでお馴染み)、一般の人にまで認知されている一方、
ブラジルでは牛肉の部位ごとに語彙があり、シュハスコ(ブラジル風BBQ)では、部位ごとに分けて焼かれ、皆が食べたい部位を選んで食している。
お魚文化の日本ではお魚関連の語彙が、お肉文化のブラジルではお肉関連の語彙が必要に応じて生まれているのである。

そして、その逆も生じるということも印象深かった。
つまり、人は語彙を生み出すことによって認知の世界を広げているが、
逆に、持っている語彙によって認知世界を規定されているのだという。

シュハスコを初めて食べた時、「こんなに細かく分類しているんだ」と興味深かったが、あの時、わたしの認知世界は広がっていたんだなぁ。

ということは、ブラジル・ポルトガル語を話す方々は、
「結婚とは甘いお菓子を生む、或いは、もたらす」と考えているのだろうか。

その場合の「甘いお菓子」って何?

結婚すると、日々「甘いお菓子」が供されるようになるということなのか。
それとも、「甘いお菓子」は何かの比喩?
比喩だとすれば、何の比喩?

それ以来、考えています。

(お読みくださり、ありがとうございました)

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