誰かの本棚[2020年7月]
書籍はそのヒトの考えていることが
目の前に可視化されるモノ。
学生のころから,他人の本棚を眺めるのが大好きだった私が
note上に私自身の本棚を展開していきます。
大体は前半で書籍の要約ファクト
後半では導かれる教訓・意義みたいなのをサクッとまとめてます。
評価と贈与の経済学
やはり内田樹さんの洞察の鋭さに納得のイワシ表紙の一冊。
これは対談相手の岡田斗司夫さんの言葉
「イワシ化」
からとったものと思われますが,つまり流行りやランキングの高いものをヨシとする発想に基づいて,主体性のない社会が,群れになりながら泳いでいる,
そんな日本社会の現状をうまくついた言葉です。
相互扶助で付加価値が生まれる贈与論以外のテーマもわかりやすい言葉で綴られていて,社会と自分の在り方について再考する一冊です。
人類の未来
ものすごくざっくりすぎるタイトルですが,著者をみて背筋がピンと伸びる。
言語学の権威で米国政策への分析が鋭い ノーム・チョムスキー氏
AI研究の権威でシンギュラリティの提唱者 レイ・カーツワイル氏
現代建築に大きなインパクトを与えた建築家 ビャルケ・インゲルス氏
など知の巨人達がタイトル通りに「人類の未来」について語る一冊。
洞察が鋭く,未来にぶっとぶこともあり,歴史から学ぶこともあり。
自分がおじいさんになった時にどんな世界に住んでいたいかとか,どんな価値観を持っていたいかとか,たくさんの示唆が得られます。
2017年の出版なので,未来といえど,当時からは不確実性の縮まったイマなので,読み方は工夫しなければいけないところですが,このような示唆が¥1,000で得られるのってすごい。
グローバル・グリーン・ニューディール
「限界費用ゼロ社会」の著者がエネルギーに関しての一冊を出版。
化石燃料エネルギーが需要の限界を迎えると,地下の石油のみではなく石油開発や精製などインフラ達は座礁資産化してしまうため,実質発電コストの安い再生可能エネルギーの普及とともに,ダイベストメント(投資撤退)が重要です,という話。
石油を掘り出す,二酸化炭素を排出する,氷が溶ける,部屋が散らかる。などなどはすべてエントロピーが増大する自然の摂理。結局人間も老廃物を地に撒き散らしながら生活をしている。地球と人間との「善」の共通項はなんなのか考えるいいヒントになった一冊。
地方消滅 東京一極集中が招く人口急減
消滅する可能性がある都市をリスト化したという衝撃の一冊。
人口の維持・反転
人口の再配置
人材の養成・獲得
を基軸においた国家戦略が求められるという話。
3つ目の「人材の養成・獲得」というところで,地域資源の豊かな環境での従来型教育の代替にとても興味があります。
こういうマクロな話を,どうやって自分のところまで落としていけるか,ヒントが詰まっている書籍。
手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略
コミュニケーション戦略に関して歴史から紐解く一冊。
ブランド論,アカウントプランニング論,ダイレクト論などなど,7つの戦略論をまとめたうえで,最終章ではそれら一つ一つには得手,不得手があるから俯瞰して統合的に戦略をたてていくことが重要と結んでいます。
図解が直感的で,まさにこの書籍自体が,読者とコミュニケーションをとることに成功しています。たぶんこういう戦略論的な話は,まとめられなくても自然にできているヒトもいる一方で,きちんとこうして言語化されていることで自分の思考を信頼して相手に伝えられるという役割もある。
社会貢献でメシを食う
社会起業家という言葉が使われて久しいですが,個人レベルでどのように取り組んでいくのか,丁寧に提示されています。
2010年出版とやや古い書籍ながら,現在のような副業思考の社会の中で自分の2つ目の軸を持とうとするヒトにはイマでも通じる選択肢を提示してくれています。
闘う葡萄酒: 都農ワイナリー伝説
宮崎県にある都農ワイナリーの起業物語。
地域とのかかわりあいをどのように深めっていったか,そして本質である都農でのワイナリー設立をどのように進めていったか,臨場感のある語り口で刻まれた一冊。
前述の書籍達が実践としてどう取り組まれたかをケースとして考えていくのも面白いと思います。
今月の本棚はここまで。
ここに出てきた共通の本棚を持っている方は
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学生時代の知識欲求が追体験できてとても嬉しいです。
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