なぜ日本人は美意識が高いのにアートを買わないのか
日本人はアート好きなのに買わない,
の記事についてもうちょっと深堀り。
この記事を書いた時にこんな図解をしてました。
なぜ日本のアート"売買"市場は”鑑賞”市場に比べて小さいのでしょうか。
まず考えられるのは税制。
日本はアートへ投資しても一部の団体への寄付しか寄附金控除が受けられない,かつ,税制上のメリットが他国に比べると小さいです。
一方でシンガポールでは一時期,作品の市場価格の3倍の税額控除が行われてました。例えば1,000万円の価値がある作品を美術館に寄付した場合には3,000万円の税が控除されます。(これによってシンガポールは国の美術品コレクションを充実させることができたという背景もありつつ。)
それから日本の戦後教育。
平等教育,富の再配分が戦後行われた影響が潜在的にあります。財閥解体に代表されるように,過度な経済力を持つ団体は排除されました。嗜好品として高価な美術品を所有するということは社会に受容されませんでした。
例えばアメリカでは富裕層は税金の控除に加えて,自身の名声を保つためにも,美術館へ美術品を寄贈していきました。寄贈を行うことで個人の名前がついたパブリックコレクションとして保管されるのです。メトロポリタン美術館が拡大したのも,この寄付と税の仕組みから。
あとたぶん日本の家小すぎて飾るスペースがない。
まとめ。
売買市場が盛り上がったとしても,
公共財としての美術品が個人のみに所有されてしまうのも問題。
その点アメリカは税制控除の仕組みで美術品を個人の手から開放した。
日本は美術品の共同所有とかのほうが相性良さそう。
こつこつ更新します。 こつこつ更新しますので。