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アートを知りたい

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人生に必要な「要素」としてのアート
運営しているクリエイター

#作品

おうち美術館の効用

おうち美術館 しばらく箱の中に眠らせてしまっていたアート作品を、おうち改革のタイミングで引っ張り出してきました。 この作品,実はアートオークションで入札したものでした。 大切にしすぎて,なかなか飾る勇気もなく,箱の中におりましたが,ようやくおうち改革で飾ることを決意しました。 腰窓のしたの,木箱のうえ。 本当は作品には直射日光はよくないのですが,展示してみて思わずその美しさにしばらく見とれてしまいました。 そしてもう一枚のペインティング。 これは大学生のときにベ

画家ルノワール,こってり,つゆだくだくで注文したのはだれですか。

私の母親はピアノ教室を開いている。かれこれ10年以上はしていると思う。 私が小学生くらいの時から家ではずっとピアノが響いていて,同級生たちが家にピアノを習いによくきていた。 そんな母親は絵画も好きだ。実家のピアノ部屋の壁にはこの作品がかけられていた。 ピアノを弾く少女たち・ルノワール, 1892年の作品だ。 なんだか当時のわたしはこの作品をみるとなんともむずがゆく心地のいい感じではなかった。そもそもピアノ自体に特に興味を示さなかったし,なんだかこう作品に描かれる彼女たち

現代アーティスト3人とわたしの関係

前回記事では,ぼくの人生に大きくかかわったクリスチャン・ボルタンスキーをとりあげた。 今回のnoteではボルタンスキーを語る上で欠かせない2人の作家を紹介することで現代アートの人生における意義みたいなところを深掘りしていきたいなと思う。 このnoteの意図は先のnoteと変わってない。 もちろん私のnoteだけでは読者のみなさんのこころに突き刺さるとは思っていない。なぜなら実際の作品があるから,このひとつのnoteで突き刺さってたまるかという作家への畏怖にも近い尊敬があ

アートオークションに参加して,作品を買った

少し前に日本の作品売買市場が小さいとのnote記事を書きました。 その現在地はどうなっているのかと, SBIのアートオークションに参加しました。 オークション..ハードル..高い..ですよね.. 僕も超びびりながら参加しました。 もう終始手震えてました。 オークションへの参加の流れはこんな感じです。 1. 作品を探す 2. 下見会 3. 入札 4. 落札 5. 支払い 6. 作品引き渡し 1. 作品を探す まずは作品を探しましょう。 前提としてオークションはSeco

目で見てから,ああこれは女性だとわかるまで

次の作品を見ると,皆さんの脳は何を認知するでしょうか。 風景? 女性? 馬? こちらピカソの絵画。当時215億円の時価がつきました。 私の認知を言語化するとこう。 「まぶしいっ! 鮮烈な色っ! ん?左側にいるのは女性だな。衣装を身に纏っている。表情は..希望? え! 女性の右側のなにっ!? なんなのっ!馬がいる?...」 と続いていきます。 さてこの過程で我々は何をどういったプロセスで知覚したのでしょうか。だって,コンピューターでも人の顔を顔として認識するのは難しいんで

なぜ日本人は美意識が高いのにアートを買わないのか

日本人はアート好きなのに買わない, の記事についてもうちょっと深堀り。 この記事を書いた時にこんな図解をしてました。 なぜ日本のアート"売買"市場は”鑑賞”市場に比べて小さいのでしょうか。 まず考えられるのは税制。 日本はアートへ投資しても一部の団体への寄付しか寄附金控除が受けられない,かつ,税制上のメリットが他国に比べると小さいです。 一方でシンガポールでは一時期,作品の市場価格の3倍の税額控除が行われてました。例えば1,000万円の価値がある作品を美術館に寄付した場