見出し画像

旅に出たので早朝日記(2023/9/22)

車中泊の醍醐味といえば朝だ。

私が車中泊に出るのは大概車文化の土地になるので、広ーい駐車場の一角を1泊素泊まり早朝チェックアウトのように間借りする。(道の駅によっては車中泊禁止のところもあるので注意が必要)。夜は基本的に全てのイベントが終了していて、道の駅では歯を磨いて寝るだけなので、楽しさはほぼ全て朝に凝縮している。

目が覚めるとすぐ車のバックウィンドウから空がみえる。私はこれを楽しみに寝ている節があるくらいに、目を開けた瞬間、そこは空なのだ。晴れている時なんて、私はふかふかの雲の上でお昼寝をしていたんだァなんて空想が無限に広がるし、曇りの日のキャンバスの前にたったようなどこか神聖な気持ちや、雨の日のどこか遠くを思うひろやかな気持ちは何にも代えがたい。どうして車中泊というものはこんなにも平和で冒険的で自由なのだろう。(私はもうホテル泊はできないかもしれない。旅館なら……うーん車中泊の方がしたい。)
陽の光と気温の上昇によって目が覚め、毎日違う空に吸い込まれる朝には、あんまりにも整えられていて寝にくい布団に入り、起きてはここはどこだっけ?トイレトイレ……と逃避行中だというのに自宅と同じような行動をすることは絶対にない。
車中泊は狭くて固くて心地よくなさそうだから絶対嫌というのが私の友達の大半だが、私からすれば子どもの頃全身全霊をかけて作った秘密基地に寝泊まりして永遠の空想の主人公になった時と同じ気分なのだそりゃ楽しい。私からすればお高いホテルや旅館に泊まることはいつもの社会の中で求められた形に縮こまって浅く息をするのと変わらない。

田舎の道の駅、尋常じゃない野菜の安さには 毎回驚かされる。こんなに安くて生計は立てられるのだろうか、作っているのはおじいちゃんやおばあちゃんなんじゃないだろうか、腰を痛めてはいないだろうか、大切にしている畑を継ぐ人はちゃんといてくれているだろうか……などとお節介な思考が働く。でもたまにお節介だけでなく、なら私が農家で働くという手もある。と本気で思う。農家を舐めるなと言われるかもしれないが、私は結構、単純に、農家として生きる人生もやってみたいのだ。そんな風に前向きに違う人生を想像できるのも、車中泊ならではだろう。

寝起きの頭でまわる道の駅はまさに宝の山だ。うわぁ色んなのがあるぞ〜どれにしようか迷っちゃうな〜なんて半開きの目で思いつつ、大量に買ってしまう。旅の間の出費は目をつぶるとして、少食じゃなくて朝ごはんもしっかり食べたい人間で良かったとこの時ばかりは自分の際限ない食欲に感謝する。

とっておきの朝ごはんを買い集めたら、外のベンチや木の下や芝生や石の上や車のバッグドア(正式名称リアゲートというらしい)の縁に腰掛けて食べる。今回は植木の下のベンチに腰掛けて食べた。20代の女が1人、短パンにTシャツで、化粧もしていない寝起きのぱやぱやの顔で、知らん人が沢山いる中、「あぁ美味しいなぁ〜風が気持ちいなぁ〜」などぼやぼや山を見ながらずっと食べている。
あとから考えてみれば結構醜態を晒しているけれど、それを人前でできるほど開放された自分がいたって事実もまた、車中泊が私を支えてくれているんだなと実感する要素。やっぱり私、車中泊大好きだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回の購入品。
クルミロール:胡桃の欠片がパンの中に入っている。かなり柔らかく軽いパンでパン自体は甘め。

ミックス山梨県産ぶどう:シャインマスカットとクインニーナの詰め合わせ。600円。お手軽さと鮮度は反比例するだろうが、それでも美味しい。シャインマスカットは水分不足の体に染み渡る瑞々しさ。噛んだ瞬間、もう既に口の中で吸収が始まってる感じがする。浸透するって言葉はきっとこういう感じ。クインニーナは巨峰寄りの和風な美味しさ。【「クイーンニーナ」は、「ブドウ安芸津20号」と「安芸クイーン」を交雑して育成した大粒で食味良好な赤色ブドウである。現在栽培されている大粒ブドウは黒色の「巨峰」、「ピオーネ」に大きく偏っており、需要の拡大のためには果皮色など外観が異なり、さらに食味の優れる大粒ブドウ新品種が望まれている。また、近年は種なしブドウに対する要望も強い。クインニーナは「巨峰」や「ピオーネ」とは異なる外観を持ち、食味が優れ、かつ、種なし栽培できる大粒品種である。】だそうだ。

山菜&くるみおこわ:400円。山菜おこわは結構甘めのおこわ、人参椎茸蕨筍後もうひとつ。が入ってる。くるみおこわはもち米(味薄め)に小豆と胡桃が一緒に炊いてある。素朴で美味しい。たまに塩っけのあるゾーンがあるのが食べていて楽しい。

ポポ(という果物)静岡県小山町産 産:石井信行:A4の紙に手書きで【プリンのように甘いです。茶色のものは食べごろ、青色のものはもうすこし置いてください。北米原産】とある。小さめのポップには【トロピカル。木になるカスタードクリーム。市場には出回らないフルーツです】とある。まだ青い大きめのポポを買った。400円。食べ頃まで時間があるのもまたいい。楽しみ。

珈琲:コーヒーメーカーで入れたやつ。お味は普通。でも朝一で缶じゃないホットコーヒーが飲めるなんて完璧だ。

相方の朝ごはんはサンドイッチ・ハムエッグ。卵が半熟?というかマヨネーズ和えの卵がふわとろで新鮮なシャキシャキフリルレタスとハムが入ったなんとも贅沢な逸品。
相方は超朝に弱いのでもう昼ごはんの時間だけど、これは満足。
今回の道の駅「道の駅 ふじおやま」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?