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どこでもない、どこかへ。

旅が好きだ。

いつも行先はその時のご縁とタイミングで決めてきた。

グローバリゼーションや経済格差に興味が湧いて、アジア・アフリカに憧れて足を運んだ。恋人を追いかけてインドをバックパックを背負って旅した。国際交流団体で仕事をしながら地球をグルグルと旅した。


そして今、この状況ですっかり足が遠のいてしまっている「どこか」。もし閉ざされた扉が開いたなら、私はどこにまず、いきたいのだろうと考えてみた。

今日も、テレビ番組で美しい景色が映し出される。思わず目を見張っていいなあと呟き、ため息をつく。

でも私にとっては、本当は行先はどこでもいいのかも、と思った。

まず、そもそも移動そのものが好きなのだ。
歩いても、自転車に乗ってても、車や電車、バス、飛行機、どんな移動手段でも、動いている時間、移動している時間がそもそもとても好きなのだ。

フワッとカラダとココロが浮き立つ。流れゆく景色をみながら、これから向かう目的地に思いをはせる時間がたまらない。

もはや行先はどこでもいい。

ご近所の朝散歩でも、もう何度も訪れたことのある街でも、初めて訪れた街かのように、その瞬間の変化を発見することも得意な方だと思う。どこにいても楽しめてしまう。

だって、春になれば川沿いに美しく桜が咲くし、夏になればあの喫茶店のクリームソーダがとても美味しい。一度は一人で尋ねたことのある温泉でも、家族と一緒ならワイワイたわいもない会話を交わしながらお湯をかけあったりする楽しさがあるからだ。

それでもどこが一番か、と考えてみても、行ってみたい場所や、もう一度訪れたい場所がたくさんたくさんありすぎて、とても一つに絞れない。世界中に大好きな場所がたくさんあって、会いたい人もたくさんいる。

でも、できれば今は、できるだけ遠くにいきたい、とも思う。

それはこの閉塞感のある日常からの開放と、自分の中の常識やリミッターを簡単に外してくれる、旅の持つ魅力に力を貸してほしいからだ。
旅は人生のスパイスで、醍醐味であり、豊かさを感じさせてくれるものだ。

自由に旅できる日を想いながら、今日は桜の咲き始めた近所の公園で、春の光をたっぷり浴びて散歩の時間を楽しもうと思う。

#一度は行きたいあの場所


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