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ボカロしか聴かない人でも聴ける、日本語HipHop入門5選


突然なんの紹介?

ってなりますよね。そりゃそう。

いやー先日、とある人と話す機会があったのですが、その時に思ったんですよね。

「ボカロ好きな人、もしかしてボカロ以外を聴いてない人が大多数なんじゃないか…?」

と。

きっかけになってほしい

いやボカロだけ聴いてるっていうのは全然悪いことじゃないし、むしろ今こんだけ流行ってるジャンルなんだから当然なのかなとも思うし…


てかそもそもHipHopとか、ラッパーとかって聞くとどうしてもどこかヤンキー的というか、何となく怖そうなイメージありません?


なんかヤバい薬とかやってそうだったり、犯罪歴ありそうだったり、タトゥーまみれな強面だったり…

人気HipHopグループの「舐達麻(なめだるま)」さんたち。
曲めっちゃかっこいいです。見た目は怖い。


まあ普段馴染みのないジャンルの音楽を聴くのって、やっぱり最初のハードルが高いですよね。


ついつい聴き馴染んでいるジャンルへと興味関心が向くのは当然っちゃ当然。

無理に聴けとは言いません。



でもね…

やっぱさ、聴いてほしいんですよ。
自分と趣味が近い人をね、増やしたいんですよ。
話す人がいないとね、寂しいんですよ

SATAの心の叫び(2022年夏)


というわけで、この記事がきっかけでハマってくれると嬉しいなあなんて思っているわけです。





ま、こんなもん自分のエゴ以外の何物でもないのですが。




昔のイメージとは違って聞きやすくなってる


あとまあHipHopの音楽的な課題として、「どこが盛り上がるところなのか分からない」という部分はあるかもです。


いわゆる日本的な「Aメロ→Bメロ→サビ!!」みたいな構成ではないことも多いですからね。


何というか「聴き方がわからない!」っていう意見もあるかなと。


でも最近のHipHop、特に日本のメジャーなシーンはかなり聴きやすい曲が増えたと思います!!

Hook(サビ)に重きを置いた、ポップス寄りの曲がちゃんと支持されているというか。



というわけで今回は、今まで馴染みが全くなかった人でも聴けるような有名曲を5曲セレクトしてみました!!

あんまり古いとピンとこない人も多いかなと思いますので、直近5年くらいの範囲からセレクトしてます!

(コアすぎても主旨とズレちゃうので…ごめんなさい…!)

これを機に興味持ってもらえたら嬉しい〜


有名どころの紹介

chelmico「Player」


Apple WatchのCM曲にも使われたこの曲

めちゃくちゃキャッチーで聴きやすいですよね!!

chelmicoは2人ともいい声してるし、ラップ上手いなーと常々思います。

アップテンポな曲だけど、何処かゆるーい雰囲気があるのは2人の人柄なのかも

MVで2人ともはしゃいでる感じ、かわいい!

ちなみにchelmicoはチルめでローテンポな曲もオススメです!

比較的初期に出した「EP」はマジの名盤。

かなりポップス寄りなので、日本語HipHop入門としては最適かと!

kZm「TEENAGE VIBE feat. Tohji (Prod. Chaki Zulu)」


「俺の人生 週刊少年ジャンプ」までのバースがTikTokでバズってたので、もしかしたら耳にしたことがあるかも。


曲全体の疾走感がサイコーです!
ビートの元ネタは2000年代のイギリスのロックバンド、bloc partyの「helicopter」ですね!


YENTOWNのkZmさん(サングラス掛けている方)はRock好きなのか、ちょくちょくRockルーツのビートを使ってラップしていますね。

RADWIMPSの野田洋次郎とコラボとかもしてたし、HipHopのシーンに収まらない活躍をされてます!!


自分が好きなのは後半のTohjiさん(髪が長い方)のバース

個性がガンガンに出てる独自のフロウとオートチューンが噛み合って、どこか浮遊感のあるバースになってます。

2020 Feelin good
背負って立つ

TEENAGE VIBE/Tohji

音抜きの瞬間のこのラインがバチッとハマっててかっこいい!!


BIM「BUDDY feat. PUNPEE」


ちょっと傾向を変えて、チルめな曲も紹介しておこうかな。
BIMさんの代表曲の一つ、BUDDY!

久々に聴いたけど、いいビートだなあ本当に。
BIMさんの聴き心地のいいラップから始まり、スッと曲の世界観に引き込まれます。


そしてHookに入るとPUNPEE兄貴が一気に持っていきます!!
このポップセンスはシーンの中でもやっぱり頭一個抜けてますね…!

自分の中では、何となくコーヒー飲みながら聴きたい曲。


歌詞の雰囲気としては、昔から仲のいい幼なじみがいるような人だと共感できるんじゃないかなーと思います。

個人的に好きな部分は

カメラロール見るといつも思い出す 昔の髪型とかまじでダサいな、ね。

BUDDY/Bim

という歌詞。

スッゲーわかる。まじダサい、昔の髪型。

自分、Summit所属のラッパーが大好きなんですよね…
何というか無理して力まずに、音楽を楽しんでいる感じがして良きです!



sloppy dim「カタコト(Prod.COLDE$T)」


一応日本語HipHopのくくりに入れてもいいでしょうということで!

イントロからめちゃくちゃハネた曲なので、ここだけ知ってるって人も多いんじゃないかな?

フロウがキャッチーでいいですよね!!脚韻できっちり落としてくることで聴き心地もいいです!!

あとやっぱり大事だなと思うのは、ビートと声質の相性ですね。
結構声が占めるウェイトの大きい音楽ジャンルだと思うので、この曲のようにピッタリハマってると、作品としてのまとまりが大きく変わってくるというか。

チルめな曲なので、BGM的に流しといても違和感なく生活にハマってくれそう!


(sic)boy「social phobia (Prod.KM)」


何がチルじゃい!!もっとアガる曲教えんかい!!

という声も聞こえてきそうなので最後にこの曲を紹介。

ラストのシャウト、かっけえええええ

曲全体を通しての緩急が良きです。

(sic)boyさんといえばHeaven's Driveが一番知られてるのかな?って感じですが、他の曲もめちゃめちゃかっこいいです!

邦楽ロックからの影響も大きいためか、「ラップ」「HipHop」の一言では表せない、幅広い音楽性を持ってますね!!

トラックメイカーのKMさんとの組み合わせはマジで最高。外れナシです。


どうだろうか


どうでしょうか!自分なりに聴きやすい曲をセレクトしたつもりです!

どれか一つでもハマってもらえる曲があれば嬉しいかなー。

HipHopはやっぱり元々がサンプリング(引用)の文化なので、ジャズだったりロックだったりと、様々な音楽がルーツになっていることが多いです。

既存の音楽を基本にして、さらにそれを再構築していくっていう音楽性が、個人的には聴いていて面白いですね!

もし興味があったらコメントとかで反応していただけるとマジで嬉しいです。感謝。


おまけ

ここまで読んでくれてありがとうございます!!

ついでになっちゃうけど、自分が今年いちばん食らった曲も、一曲紹介しておきます!!

もう一番カッコいい男でしょ、ZORNさん。

日本のHipHopを聴く人からすれば、超ど真ん中のメジャーなラッパーですが、聴かない人には案外知られてないのかなーと思ったので紹介させていただきます。

リリックが本当に刺さるなー。
なんか、精神的に参ってしまっている時って、明るい曲ってかえって負担になりません??

「肩組んで、仲間と助け合って楽しもうぜ!!」
「つらい時こそ笑顔で!」

みたいなメッセージ性が込められている曲って、メンタルがつらい時は逆にしんどく感じるというか。

胃痛で苦しんでるのに「ほら、高級ステーキでも食って元気出せよ!!」と言われるような押し付けがましさを感じる的な…(伝わる…?)。

対照的なのがこの曲ですよ。

天国行きを地獄で祈り
生きようの綺麗事よりも
明日死のう が今日の希望

ZORN / いたいのとんでけ

生きてるだけでもそう簡単じゃねぇよな
よく闘った もう頑張んな
ゆっくり ゆっくり そのまんまで充分いい
クソッタレの誉れ高い生
命ってかお前が大切

ZORN / いたいのとんでけ

これ、真理じゃない?

命の大切さを語る言葉は数多く、またそのテーマを歌う音楽も数多に存在するけども、しんどい時にそんなこと言われても元気出ないっすよね。

何でかなー?って考えてみると、多分それは
「一般化された"全人類"に向けられたもの」だからかなと。

「命が大切」っていう言葉それ自体は大変素晴らしいし、否定しようがない正義だとも思います。


でも実際問題、そんなことを普段から意識して生活してる人います?

「命は大切だからな、よし」みたいなこと、思いながら人に接してる?

そんな人がいたら、その人の精神状態の方が心配っす、マジで。

で、人によるだろうけど、精神的にキテる時に見るこういう言葉って、何だか薄っぺらく聞こえると思うんですよ。

「んなこと言ったって、俺個人の命を大切にしてくれてなくねー?」、的な。
言葉は立派でも、現実に即してない感じというかね。


「命ってかお前が大切」

あー、なんかちゃんと"個人"を見てるんだなと思えるリリック

比較するモンでもないとは思うけど、個人的にはこういう言葉の方が好きだし、腑に落ちます。

あの頃 同じ夢を共に見てた
お前は俺の元DJ
そう言えばLIVEがある
まぁ大したサイズじゃない
気が向いたら会場で お前がこの曲針落とせ

ZORN / いたいのとんでけ


どうやらこの曲、かつてZORNさんのDJを務めていた方に向けられた曲、
っていう側面があるようで。

曲の後半でのこのバース。
元DJに対し、久々に一緒にやらないかと誘う様子。

さらっと言ってますが、この曲が披露されたliveの会場、


さいたまスーパーアリーナ


ですからね。
それを「大したサイズじゃない」「気が向いたら会場で」って言葉にしちゃうの、カッコ良すぎか。


しかも何がすごいって、こんだけメッセージ性が強い曲なのに、リリック全体でえげつないほど韻踏んでて、ちゃんとラップしてるところですよ。

これは本当にね、今年一番食らった曲かなー。


なんかおまけの方が長くなっちゃった気もするけど、改めてここまで読んでくれてありがとうございます!!

興味持ってもらえたら嬉しい!!


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