ミニミニマリスト
小野はミニマリストだ。
ミニマリストへ目覚めたのは1ヶ月前のことだった。
仕事の多忙さを極め、ストレスが溜まっているときに「心と部屋の散らかり具合はリンクしている。」
「部屋を整えることは、心を整えることと比例している。」
といった内容の本を読んだことをきっかけに彼はミニマリストへ大きな一歩を歩んだのであった。
そしてゴミ箱があるからという理由で台所の三角コーナーを捨てたことから軽い断捨離は始まった。
ミニテーブルだけでことがたりるという理由でテーブルを捨て。
冬しか活用しないから、絨毯を捨て。
YouTubeしか見ないから、TV。
コンビニであっためればいいから、電子レンジ。
といった具合にどんどん断捨離は加速していった。
あれもいらない。これもいらない。
とポンポン迷いもなく物を捨てる小野に周囲の人間は気にかけて声をかけたが、その声はもう小野には届かなかった。
小野はまるで何かに取り憑かれたかのようにモノを捨てていた。
小野の表情はどんどん狂気じみていった。
そして現在、小野の四畳半の部屋には布団と小さなテーブルしか残らない殺風景な部屋となった。
ミニマリストを極めた結果、友人関係もミニマリズムとなり、たった1人部屋籠るようになった。
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