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海は柔らかさを失くした
弱光の中 乾いた悲哀の抱擁
岩に擬態した人間の團が 波に揺られることなく留まっている
開けた後の抽斗の様に 虚だ
それでも海は紺のまま
赤紫にはならずに
雲が月のもとを去ったのなら
海は少しの彩りを覚える
醜悪な姿と共に
陸へと滲み出した海の残滓は
私等のしんを 蝕んでいく
蠢いている 揺れている
今にも動き出しそうな程 強烈に
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海は柔らかさを失くした
弱光の中 乾いた悲哀の抱擁
岩に擬態した人間の團が 波に揺られることなく留まっている
開けた後の抽斗の様に 虚だ
それでも海は紺のまま
赤紫にはならずに
雲が月のもとを去ったのなら
海は少しの彩りを覚える
醜悪な姿と共に
陸へと滲み出した海の残滓は
私等のしんを 蝕んでいく
蠢いている 揺れている
今にも動き出しそうな程 強烈に
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