見出し画像

難民と国家 🇵🇱🇧🇾🇯🇵


「平和の祭典の光と影」

画像1

こちらの記事でオリンピアンの難民申請について書いてきました。もう少し詳しく今回の問題をみていきましょう。

経緯


ベラルーシの選手がポーランド🇵🇱に行くの?関係はあるの?と思った方もいるかもしれませんね。

オリンピックで命の危険という言葉も正直ピンとこない。


簡単に状況をまとめると、

ベラルーシが今回のオリンピックに選手を派遣を予定していたうちの1人(1600mリレーに出場予定だった選手)が来日できなくなってしまいました。

それにより、専門外の1600mリレーに代わりに出場するようとコーチに命じられたツィマノフスカヤ選手ですががそれにSNSなどで反発。

帰国命令が出されたが、帰国すれば命に危険が及ぶとし、亡命を申請した

という
わかるようなわからないような経緯…というのが本音ではないでしょうか。


ベラルーシ🇧🇾の内情


ベラルーシは事実上の独裁国家とも言われており、反体制的(国の批判をするようなこと)な発言は取締の対象となります。

オリンピックのような国際大会で選手が欠場というのは国家の恥。👉国家に恥をかかせた選手は反体制

というかなり強引な考えがまかり通ってしまうということです。


なぜポーランド🇵🇱へ?

近隣の大国ロシアとの関係に目を向ける必要があります。


NATO(ナトー)という言葉を聞いたことがあるでしょうか

👇NATO(北大西洋条約機構)加盟国の地図

画像3

見慣れた図法の地図だと…

画像4

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/nato/index.html
※外務省HPより引用

上のホームページには色々と説明が書いてありますが、冷戦時にできた組織であることからもわかるとおり、アメリカを中心としたロシア包囲網です。大西洋中心の地図だとわかりづらいですが、見慣れている太平洋(日本)が中心にくる地図を見ると

ロシアがすっぽりと囲われていることがわかります。

ちなみに
ベラルーシは親ロシアの国です。大国と国境を接していると経済的な結びつきも強くなります。


本当に簡単に示すとポーランドとベラルーシは対立しているような図式になる訳です。
こういった地理的な特徴を踏まえた国家戦略のための学問を“地政学“といいます。

国際社会へ向けて難民を積極的に受け入れる国と示したいポーランドと、
ベラルーシが手を出せないNATO加盟国かつ、文化的、地理的に母国と大きな違いの少ない近隣の国に行きたいというツィマノフスカヤ選手の思惑が一致したわけです。

今回の件はオリンピックの閉幕とともに話題性は薄れつつありますが、
本人は亡命できましたが、母国に残した家族はどうなるのか、
イギリス政府が独裁政権を批判するなど人権の問題としてはまだまだ何も解決していません


また、独裁政治を行なっている国は他にもたくさんあります。

オリンピックが終わっても、パラリンピックが終わっても
引き続き注目していきたいですね


⭐️おすすめ書籍 「サクッとわかる ビジネス教養 地政学

画像2

シンプルなイラストがすごくわかりやすく、本当にサクッと読めます。

この一冊で世界の基本的な流れがわかるので、日々のニュースをみて「あーそういうことだったのか」となることがすごく増えると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?