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文学フリマで買った本の感想!3

さしす文庫が参加した文学フリマ京都8で、それぞれが買った本の感想です。

今回の #文学フリマで買った本 は、はるはる(その2)です。


『生物実験室の彼女/黒い羊の恋わずらい』 
あずみ(冬青)さん(@azumi_kuritani

二人の女子中学生の出会いと関係性の発展を描いた青春系百合小説。

先輩視点で出会いを描いた「生物実験室の彼女」と関係性が発展した二人の1年後を描いた後輩目線の「黒い羊の恋わずらい」の2本立て。

達観している不真面目系先輩(中3)と不器用系寂しがりやな後輩(中1)の恋愛もので一言で言えば、まさに「王道の百合」です。
百合好きの方にわかりやすく(?)伝えるとすれば系統が近い作品は『安達としまむら』でしょうか。(安達としまむらは先輩後輩ではありませんが)

内容は王道なので間違いありません。
二人の出会いから、少しずつお互いのことを知っていって、徐々に惹かれ合って、そして――。
もうとにかく尊くて、ニヤニヤもできますし、後味が爽やかです。

特に何が良いって、二人の年齢差と中学生という設定です。
どうしても学園ものだと無意識のうちに学校の舞台設定を高校にしがちなところがあると思います。しかし、この物語は中学生の二人、しかも2歳差というのがたまらない設定です。

作中で先輩も同じようなことを言っていますが、この不器用で強がりな後輩がつい数か月前までランドセルを背負っていた小学生だった、というのはギャップを感じるというか、愛しさを感じるというか、庇護欲をかきたてられるというか。

また、生物実験室とタイトルにあるように主人公は科学部に所属しているのですが、行っている実験が興味深く面白いものでしたし、二人の掛け合いが良いのはもちろん、尊くニヤニヤ見守れるだけでなく、きゅっと心が苦しくなる部分もあったりと山あり谷ありで楽しめる作品でした。

あとは表紙のイラストが可愛い。
とにかく可愛い。
そしてデザインも良すぎる。

続編もあるようなので気になります。

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