昔、西城秀樹主演で『天使行動』という香港映画があった【読書感想文】ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(2003)
原書。
去年、神保町の古書店で見つけた。未使用っぽい。
ぶっといハードカバーなのに、めちゃくちゃ軽い。寝っ転がって片手で読める。何でできているんだろう。ヘリウム?
あるいは20年店頭に置かれている間に完全脱水されたのだろうか(標準的な新刊本の水分量は人体とほぼ同じで、約60%と言われている。注1)。
するする読めるので長さを感じなかったが、文庫が3分冊と知ってびっくり。文庫の方が重そうだ。
いくら軽いとはいえ、中身がスカスカという意味では決してない。
一番感心したのは、引きの強さと数。引きがあって、じらせて、スッキリ解決。このサイクルのクオリティが一定して高い。ドラゴンボールのフリーザ戦並みに高い。飽きさせずにページをめくらせる技術がエグい。
次に謎と謎解き。キリスト教にもアートにも象徴学にもてんで無知でも、謎解きを楽しめるようにできている。答えを聞けばすっきり納得。ちょっと賢くなった気もする。誰かに話したくなる。
パリ観光しながら得意のウンチクを語ってたらヒーローになって美女にモテる、というドリームズ・カム・トゥルーな展開もいい。
エンタメ小説の鏡だ。売れないわけがない。
44ヵ国語に翻訳されて7000万部売れたそうだが、300ヵ国語に翻訳されて2億部くらい売れててもおかしくない。
もし最近発表されていたら、ルーブル美術館はオーバーツーリズムで大変なことになっていただろう。私も見たいよ、逆ピラミッド。
キャラクターには魅力を感じなかったし、ラストは取ってつけたような感じだったけど、それは無いものねだりというものでしょう。
90点。
それにしても、頭の中で主人公がずっとトム・ハンクスだったのには閉口した。映画見てないのに。映像の力ってすごい。
日本人なら誰だろう。イケメンすぎず、マッチョ過ぎず、知的で人が良さそうだけど芯もある。
10年前の勝村政信さんとか、10年後の鈴木亮平さんとかかなぁ。
今の安住アナとかいいかもしれない。
なお今回の記事のタイトルについてだが、もし天使が堕天使だったとしたら、『堕天使行動』と『ダ・ヴィンチ・コード』はちょっとに似ている。
注1. 嘘です。