【文章術編】書名・表紙にひとめぼれ。読んでないけど語りたい未読推し本5選
好きで文章を書く人、苦手だけれど仕事で書く必要に迫られている人。
理由は人それぞれだ。
そしてうまい文章、下手な文章、その定義も様々で、
「文法はめちゃくちゃだし、言葉も稚拙なのに、なぜか胸に迫るんだよな〜」となんて文に出会うことも多々あるし、誰かの言葉に響いても、その隣りの誰かにはまったく響かないなんてことも。あの人の言葉選びが好き、文章のリズムが好き、好みだってひとそれぞれだ。
であれば、万人にとって効果を発揮する「文章術」なんてものは成立しないかもしれない。だからこそ、いろんな人の文章術を読んでみたい。ということで、今回は「書くこと」をテーマにした本をピックアップ。
【1冊目】感涙する人もいるエモーショナルな文章術本/amazonレビュー★4.4
30年以上、書くことと向き合ってきた、朝日新聞の名物記者が文章技巧を20個公開している一冊。
面白いのが、書誌情報に書かれた読者の声に、
「終盤、電車のなかで涙が止まりませんでした」(30代・会社員)
とあったこと。
読んでいて涙が止まらなくなる文章術の本って、何書いてあるんだよと気にならざるを得ない。
書くことは、考えること、そして自分と向き合うこと。
いい文が書けたとき、それを読み返し悦に浸るのもいいが、
それよりも「書く時間」自体をじっくり味わいたい人にオススメ。
それにしても謎なのは、この本がなぜ朝日新聞出版ではなくCCCメディアハウスから刊行されているのか、ということだ。
個人的には、同じ著者が書いた↓の本も気になる。
「三行で撃つ」「百冊で耕す」
どちらもタイトルがうまいよな〜。
書く、読む、ときたら次は「聞く」だろうか。
書くために、取材をして話を聞くことはあるだろうから。
数字部分は、千かなぁ。
【2冊目】語法に迷ったときの強い味方/amazonレビュー★4.4
1冊目が朝日新聞だったのに対し、今回は毎日新聞。
実は毎日新聞は、「ことばPlus」っていうことばや校閲にまつわるネタを掲載しているウェブサイト運営していて、私も時々読んでいる。
ゲラの校閲にチャレンジできる記事なんかは、新聞ってこんなふうに表記を統一してるのね〜なんて面白く読んでいる。
あと言葉の使い方に迷ってネット検索すると、たいていことばplusの記事がヒットする。2000円で買い切りの校閲講座も好評のようで、私も近々申し込んでみたいと思っている。
そんなユニークな企画を届けている校閲部が、「毎日ことば」の記事を再編集し上梓したのが本書。言葉好きの人は一読してみてはいかがだろう。
【3冊目】ロジック×認知心理学でココロを揺さぶる営業マン的文章術/amazonレビュー★4.3
コラムやエッセイといった属人的な文章よりも、論文を中心とした論理的な文章を書く必要がある人向けなのが本書。
タイトルに「世界標準」とあり、世界標準の文章ってなんだろう?って気になったんだけど、書誌情報によると、
とのことで、やっぱり論文とかを想定しているよう。
ただ本書が面白いのが、論理的であることだけにこだわるのではなく、「読ませる文章」であることも重視していること。
そのためにロジックだけでなく、認知心理学の知識も盛り込まれているとか。
つまり、論破するための文章ではなく、冷静ながらもココロを揺さぶる文章を書くテクニックが書かれているということだろう。
イメージは営業マンっぽい文章ってとこか。
【4冊目】全クリエイターに捧ぐ、自分らしくものを生み出す方法/amazonレビュー★4.1
アメリカの小説家が書いた文章についての本。
文章の書き方を紹介するというよりも、書くことをセラピー的なものとして捉えた本のような気がする(サブタイトルが書くことで人は癒やされるなので)。
また扱うのは、小説の着想を得る方法、キャラクター、舞台設定の作り方、スランプに陥ったときの対処法などが書かれているそう。
一見、小説家になりたい人向けの本に感じられるかもしれないが、レビューを読んでいると、クリエイター全般向けとのことなので、何かを創り出したいと思ったときのヒントが掴めそうな本である。
【5冊目】現代版「知的生産の技術」/amazonレビュー★4.3
文章を書くときに、まずは全体のアウトラインを考えてから、作った見出しに肉付けして文章を書くという方法がある。そのアウトラインから決める方法をやりやすくするソフトやアプリが「アウトライナー」だ。(一応ワードにもその機能はある)
私がアウトライナーの存在を知ったのは↓の本がきっかけ。
この本、タイトルにはまったく書かれていないが、実は著者4名によって行われた「アウトライナーを使って文章を書く術についての座談会」をまとめた書籍で、それぞれのアウトライナソフトの変遷とか、どう活用しているかとかいったことが書かれている。
このアウトラインを作ってから書くという方法は、大学の論文で体験した人も多いのではないだろうか。アウトラインを作ることで論理展開の違和感をなくすことができるし、そもそも長い文章って、書いている間にいま書いている部分が文章全体において、どんな役割を担っているのかがわからなくなり、文章の森で迷子になる…(話があっちこっちに飛んでしまうということ)なんてことが起きやすいんだけど、アウトラインをちゃんと作っておくと迷子にならなくて済む。
私はそこからアウトライナーに興味を持つようになって、上記の本に行き着いたわけだ。おそらく情報を整理し、どのようにそれをまとめアウトラインを作るかといった方法論が書かれていて、京大カードを生み出した梅棹忠夫の「知的生産の技術」的な内容なのではと予想。