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★思考フレーム

人は誰でも、今まで生きてきた経験に基づいて、おのおの思考のフレームを持っている。経験は人生の長さに応じて増えるので、年長者は若年者より比較的広めのフレームを持っているのが「普通」である。

しかし、これは、あくまで「普通」なのであって「絶対」「必ず」ではない。人の中には、自分に厳しい経験を糧にして自己研鑽できる人と、他人のせいにしてスルーしてしまう人がいる。前者は常に成長を続けて思考のフレームを広げていけるが、後者はある時点で成長が止まる。

と言うわけで、学生時代には目立たなかった、個人の思考フレームの差は、成人になるとかなり顕著に現れる。そして、それが、その人の「人となり」や「個性」と呼ばれるようになる。

「あの人に相談すると、冷静で適切なアドバイスがいつももらえる」と評される人は、思考フレームが間違いなく広い人である。そして、そのような人の周りには、自然と人が集まるものである。逆に、場当たり的な、その場しのぎのアドバイスしかできない、思考フレームの狭い人からは一部のシンパを除き人は離れていく。

さて、人は、自分が経験したことがない話を他人から聞いたとき、それを、自己の思考フレームに照らし合わせて処理しようとする。それが、過去に経験済みのことであれば、処理を間違えることは少ない。だが、それが未経験、初耳の内容だった場合、ややもすると、間違った判断をして、とんちんかんな、的外れのアドバイスをしてしまうという危険がある。

特に、それが、若年者からの相談だった場合、「答えられないのは恥ずかしい」というプライドが作用して、エラーが起こりやすい。

だから、未経験の話を聞いたときは、既に経験済みの人に訊く、書籍から情報を集め自分なりに整理するという一手間が、必ず必要になる。さらに、断定的な言い方にならないようにも注意したい。

威張らず、奢らず、人にアドバイスをするときは細心の注意を払う。特に「センセイ」と呼ばれる立場の人は肝に銘じていただきたいと願う。

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