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肉球の隙間から出ている毛が私を誘うので。


ネコと暮らすまで、私は肉球というものがよくわかっていなかった。

なんとなく、丸くてちょんちょんと指が並んでて「肉球かわいい」って言っとけば誰でも「わかるー!」と笑顔で賛同を得られる世界共通のkawaiiパーツ。
そんな程度のふわっとしたイメージしかなかった肉球。

実際に肉球を見ると、それはそれはあたりまえに愛らしい。
ピンクだったり茶色だったり黒だったりする、プリプリとした肉球はいつだって触っていたい。
でもよくよくリアルネコの肉球を見てみると、肉球というより、違う部分に目がいってしまうのは私だけではないはず。

それは、肉球の隙間からのぞく「毛」の多さだ。

(隙間の毛がかわいい)

肉球好きは肉球が好きなのであり、毛のことは気にしたことない!って方もいるかと思うが、私はリアル肉球を見た瞬間、肉球っていうか、毛、多くない?そんでかわいくない?もっと肉球と共に毛をフィーチャーしたくない?と思ったのだが、どうだろう。

この、いるのかいらないのか、わからない部分に生える毛。
明らかに肉球のグリップを効かすには邪魔だし、大切な役目を担っているとは思えない毛。

だけどこの隙間の毛のおかげで、肉球の形、すべすべ感がより際立ちかわいらしく見えるという点では、肉球と隙間の毛は完全に一心同体、お互いがなくてはならない存在なのだ。

長毛種のネコの肉球の隙間の毛は、やはり長いらしく飼い主がカットすることもあるらしい。
ネコの下僕としては最高のご奉仕じゃないか。

肉球の隙間の毛を切る仕事があるなら就職したい。ちなみに我が家のネコネコは切らせてくれない。(毛も短いからそもそも難しい。)

なんで切るのかといえば、毛が長すぎて肉球で毛を踏んでしまい滑るからだそうだ。
隙間の毛、なんで生えてるんだろう。。。謎。

(毛が肉球を守っている。支えている。)

毛むくじゃらの彼女たちは、もちろん身体中がもこもこ毛だらけなので、どこをとっても愛くるしいのだけど、、、
普段目につかない肉球の隙間の毛をぜひ気にしていただきたい。

その所在無さ、その無意味さすら愛おしい。
愚かなニンゲンが無意識のうちにネコに媚びているのは、神様のイタズラで作られた、肉球の隙間の毛のようなキュンとする存在のせいなのかもしれないね。




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オゼキカナコ
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