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台にアニバーサリー #毎週ショートショートnote

 その詩があまりにも素敵で、私は思わず、教科書ごと抱きしめてしまった。
 作者は、俵万智さんというらしい。なんでもない一日が記念日に変わったその瞬間、世界がぱぁっと輝いた気がした。

「そうだ、私も、作ろう! 記念日!」

 目についたのは、いつも勉強机の代わりに使っているちゃぶ台。そうだ、「台」の記念日にしよう!

 そう思い立った私は、日頃の感謝を込めて、家中の台という台をピカピカにすることに決めた。
 ちゃぶ台、テレビ台、アイロン台、ママの鏡台、私がお手伝いするときに使う踏み台。……あれ、台所も台なのかな?

 思いつく限りの台を全てきれいにし終えた私は、自分がこんなに色々な「台」に囲まれていたんだ、と驚いた。記念日を作らなければきっと気づかなかったと思う。きっとこれって、すごく素敵な体験だと思った。

 夕方、帰ってきたママに、今日が台の記念日になったことと、感謝を込めてたくさんお掃除を頑張ったことを伝えた。
 ママは、ぎゅうっと私を抱きしめてくれた。困ったな、記念日って重なっちゃっても大丈夫なのかな。

 明日、先生に聞いてみようっと。

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 たらはかにさんの以下の企画に参加しております。

 ちょっと久しぶりの参加となりました。
 まずは、たらはかにさん、毎ショ二周年誠におめでとうございます!

 今年の1/1に、人生初の短編・ショートショートとして、『年越し二段ジャンプ』という作品をnoteに投稿した数日後、たまたま見かけたこの企画。初参加作品は『宝くじ魔法学校』でした。この作品は、今でもお気に入りの一作です。
 その後、不定期ではありますが、度々参加させていただきました。拙作にも、皆様からコメントがいただけたり、たらはセレクションに選出していただいた作品もあったりして、非常に楽しい思い出をいただきました。(たまに、お題が難しすぎて、ぐぬぬぬぬと頭をひねったこともありましたが……w)

 不思議なお題に対して物語を必死に考え、これしかないと思ってnoteに投稿しても、皆さんの作品を見ると「そんな着眼点が!」と毎回驚かされる思いでした。

 最近は、ますます増えていっているように感じられる毎ショ投稿。たらはさんの負担も並々ならぬものになっているのではという心配も覚えつつ、私としては今後もゆるりと、自分なりにこの企画を楽しむことができればなと考えています。

 余談ですが、私が毎ショに参加するときに意識していることがあります。それは「愛せるキャラクターを描く」ということです。今回の作品『台にアニバーサリー』の主人公も、すっごく愛らしくてお気に入りのキャラクターになりました。
 今後も、ひっそりと不定期に、ではありますが、不思議な世界を色々なキャラクターで彩ることができれば、と思っています。

(メインの雑記ブログや、テックブログなど、物語以外も色々と書き散らしておりますので、もしよろしければX/Twitterもお気軽にフォローください!)

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