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ヘルプ商店街 #毎週ショートショートnote

 小説家の私は、今日も話の種を求めて、知らない街をぶらりと歩いていた。視界の先に、アーケードの屋根が見えた。商店街があるようだ。

「安いよ安いよ!」

 威勢のいい声が聞こえる。商売上手そうな声の主は、魚屋であろうか。不思議と懐かしさを覚えながら、近づいてみる。

「らっしゃい!ヘアカット千円だよ!」

 床屋だった。ねじりはちまきに防水エプロンという、どうみても魚屋らしき風貌の男性が、床屋で客引きをしていた。
 不思議に思いながら、向かいの店に目をやる。そこは立派な佇まいの和菓子屋だった。中にはコック帽を被った男が佇んでいた。

 気も動転してきた私は、目に入った純喫茶に駆け込んだ。カウンターに立っていた男は、白衣に聴診器をぶら下げていた。医者だ。


 ――話を聞くと、ここの商店街では、休みを取りたいときなど、互いにお店の運営を手伝い合っているらしい。なんとも暖かみ溢れる町だ。

「ご職業は?」
 医者が聞いてきたので、文筆を、と答えた。

「あぁ、それなら、整骨院のトクさんに――」
 聞き終わる前に慌てて店を出た。私の執筆活動までヘルプに入られては敵わない。全く、不器用な私には向かぬ街だ。

(486文字)

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 たらはかにさんの企画に参加しております。

 間が空いてしまいました。ちょっぴりお久しぶりです。
 ヘルプ商店街。イントネーションは英語のHELPというより、もつ煮とか土手煮と同じイントネーションのヘルプです。

 きっと他の方とネタダダかぶりであろうとおもわれますがどうかご容赦を!
 年度末を果たして無事に乗り切れるのかと言う瀬戸際を生きていますが、引き続き楽しめる範囲で頑張りたいと想っています。

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