#23 両手いっぱいの感謝で、行ってきます!
8月になりました!いよいよ明日、ドイツに向けて出発します。思えば、25年前の1998年8月、オーストラリアでの1年間の交換留学を終えて帰国の日、「きっと海外の博士課程に進学する!」と心に決めていました。しかし、結局進学することはなく、社会人となりました。友人が次々と博士号を取得していくのをなんとも言えない気持ちで眺めていました。あれから25年、少し遅くなりましたが、思いを果たす時がやってきました。今日は、出発前日の思いをまとめたいと思います。
伝説の謝辞
2020年3月、都内のある大学。卒業式はコロナ禍のため中止となるも、卒業生総代の答辞がウェブに掲載され、大きな話題となりました。趣旨を損なわないよう注意して要約すると、
当時は上の謝辞は大学ウェブサイトに全文が掲載されました。僕は個人的にこの学校の体質をそこそこ分かっているつもりなので、卒業生総代の学生および全文を掲載した大学には、「あっぱれ」と言いたいです。この学校にはこういう人がいてほしいし、いてもらわなければ困る、と思います。
50億年後に想いを馳せる
話は飛びますが、僕は今何をすべきか迷った時に、よく50億年後のことを考えます。呑気だなあと思われるかもしれませんが、「感謝を述べるべき皆さまなんてどこにもいない」という謝辞が許されるなら、50億年後のことに想いを馳せるのも、許してほしいです。
諸説ありますが、50億年後に寿命を迎える太陽は赤色巨星となり、おそらくは地球を飲み込むことになります。現在我々は懸命に環境保全について考え、人類が後世に残すべき世界遺産を守ろうとしていますが、それらがすべて溶けて無くなってしまうことは、ほぼ確実です。ここで僕が思うのは、「他の惑星へ移住しよう」とか「地球にエンジンをつけて惑星ごと『別の太陽』を探す旅に出よう」とかいうことではありません。
必ず終わりを迎える地球上の生命を持つ我々が、「今」できる最も価値のあることの一つ、それはやはり他者(人のみならず、動物や自然、抽象物も含めて)に対する「感謝」なのではないかと思うのです。ここでいう感謝とは、感謝の言葉を相手に届けるという行動ではなく、人に感謝する時の自他の「心の内面の豊かさや平和」の価値を理解・尊重し、伝え広めていく、という意味です。「地球に暮らしていた人類は、『感謝』という心の状態を発明しました」と各国語や動画、音楽で記録したものを、太陽に飲み込まれる直前に宇宙に向けて発信したいです。
進路が決まってから、何をした?
話を戻します。今年の3月上旬にドイツ留学が決まり、月末に迎えた卒業式では、証書総代は逃したものの、上の謝辞の学生と同じく、論文の最優秀賞をいただくことができました(トロフィーは大きすぎて、留学荷物に入れることが叶いませんでした😢)。その後、指導教員の先生にも相談して、「8月の出発日までにやることリスト」を作りました。次のような感じでした。
うーむ、今考えるとなんとも「盛りだくさん」の計画を立てたものでした。それで実際は?と聞かれるととても恥ずかしいのですが、上の5項目は見事に全く手をつけませんでした。3日坊主どころか、1日坊主にもなれませんでした。よくぞここまで振り切ったものだと、自分でも呆れています。
とにかく人に会った4ヶ月間
では3月末〜7月の4ヶ月間何をしていたのか、それは「とにかく人に会うこと」と「note を始めて軌道に乗せる」の2つのことでした。簡単に言うと、「気が進んで楽しいこと」を4ヶ月間やっていたということです。まあ、「人生の春休み」と思えば、これでよかったのかもしれません。カレンダーを見返してみると、次の頻度で人に会っていました。
「壮行会なのでごちそうしますよ」と言ってもらった会と、若い学生と出かけてこちらが払った会がありましたが、1回平均5,000円としても全部で10万円!快く行かせてくれた妻に感謝しかありません。中でも印象的だったのは、群馬に暮らす友人家族を訪ねた時のこと。
こんな感じで、「今の自分につながっている」と思う人に片っ端から会って「ありがとう」を伝えた4ヶ月間でした。冒頭の謝辞の学生とは異なり、僕の場合は「感謝を述べるべき皆さま」だらけで、今回の留学の実現に関して、自分の努力で勝ち得た比率は、10%くらいだと感じています。「あの人のあの一言」「あの時のあの出会い」「あの場所でのあの出来事」が、どれか一つでも欠けていたら、明日からの未来はなかったと断言できます。
上の学生は謝辞の最後の部分で、
と述べています。その通りだと思います。では、僕が僕の気持ちを率直に述べる自由もあるはずです。その学生が気に入ってくれるか、理解してくれるかは分かりませんが、僕の想いです。
今日もお読みくださって、ありがとうございました😊
(2023年8月1日)
サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️