ストリートの哲学
こんにちは、真吾です。
今回は私の洋服キャリアでもご縁がなかった「ストリート・ファッション」について、以下の対談を中心に紹介したいと思います。
ところでこのファッション不況の中、健全経営のブランドをご存知ですか?
【好調なブランド例】
ルイヴィトン・グループ
専門店
グローバル量販店(UNIQLO、ZARA)
オーガニックなど環境系
そして、ストリート
ストリートといえば、スニーカー・パーカー・Tシャツ。
代表のブランドといえば、【supreme】【ape】など。
若干アウトドアとキャラがかぶりますが、わずかに顧客層はズレています。
なぜ今2020年に流行しているのか?またなぜ日本がその中心にいるのか?
(日本のストリートは世界的にかっこいいらしい)
早速行きます。
第一部
今日「ストリート」カルチャーというのは、1970年代にニューヨークで始まったヒップホップを中心としたものや、同じく70年代にカリフォルニアで生まれたスケート・カルチャーに根差すカルチャーを指します。今夜はそのなかでもヒップホップ・カルチャーについて話します。
そうなんですね。ヒップ・ホップ、そしてスケート。
「なるほどその感じか!」日本に輸入されたのがおそらく70年代頃。
70年代後半のニューヨークは財政破綻状態にも陥り、非常に景気が悪かった時代。・・(中略)・・そんな社会背景のなか生まれたのが、ヒップホップ・カルチャーの4つの要素である「ラップ」「DJ」「ブレイクダンス」「グラフィティ」です。ブロンクスの子どもたちが中心となって始めた遊びでした。ヒップホップに夢中でブレイクダンスをやる子どもたちを「Bボーイ」と呼び始めました。・・・彼らは、自分たちのアイデンティティとしてそのようなファッションを始めました。
この経緯は、ブラジルでボサノヴァが生まれたのと似ていますね。
(当時貧しい層の住居が密集していたため、小さな声で囁くように歌っていたことから誕生)
都市計画の失敗により内戦後のような状態、行政やコミュニティの崩壊です。・・・仲間意識を強調し、自分たちの内側と外側をはっきりさせた。そうすることで疑似家族のようなものをつくっていったんです。このときにとても重要な役割を果たしたのがファッションでした。
壊れた共同体を、復活させる営み。新しい内(仲間)を作る。
その際のユニフォームになったのがストリートファッション。
つまり、ヒップホップ・カルチャーとはアフリカ系アメリカ人を中心とした貧困地区に育った子どもたちが、自らが何者であるかをファッションや音楽やダンスで再構築することであったわけです。・・・いったんアイデンティティをバラバラに壊された彼らがさまざまな材料を集めて、自分が誰なのか自分たちの手で再構築する行為と捉えることができます。
共同体のみならず、自分の中のカオス(ごちゃ混ぜの文化)に形をもたらすものがヒップホップでもあった。アイデンティティになった。
(なぜ世界中でヒップホップ・カルチャー人気かと言うと)それは、西洋が奴隷貿易によって無理矢理世界中に連れていったアフリカ系の人たちのカルチャーがいま、世界中にあるからだと思うんです。
私の好きなバンドに「GORILLARS」(英)がいますが、彼らはイギリス人でニューウェーブ・ラップです。確かに、クラシック・ジャズ・ロックの流れを経て、今の主権は世界中でラップと言えるかもしれません。
第二部
違う論点からの考察になります。
「まだ暗い裏通りを探す」こと。少し悪そうな人が歩いていた土地も開発されて、そのカルチャーが消費されると明るくなっていきます。そうすると人はまた、インスピレーションの源泉として別の異質な場所を探しにいく。それがストリート・カルチャーの一側面ではないかなと思っています。
未開の土地を探す快楽。これは多くの人が共感できるのではないでしょうか?人類を牽引してきた【好奇心】といえそうです。
海外のヒップホップ・アーティストに日本のストリート・ファッションが流行ったのも、アメリカがもたらす主流文化への距離感を示すためだと思うんですよね。
僕も同感です。アメリカファッションへの距離を取るために、日本のストリートブランドのTシャツを着る、オルタナティブであることを示す。そしていまある文化への距離を取るために別の文化を支持するっていう方法があるんじゃないかと思います。
(今では)ヒップホップ・カルチャーが新しい富裕層も含めたすべての人のものにもなっています。
今ではアメリカ(メジャー)からの距離をとるために、
そのオルタナティブとして日本のストリートが好まれているとのこと。
そうですね、確かに今のヒップホップ・アーティストが昔ながらのロゴ入りのポロシャツを着ている姿はイメージ湧かないですね。。笑
そしてこのスタイルは富裕層含めた、働き方の自由なIT富裕層含めた全世界のものに昇格した。
イカしたTシャツとスニーカー・パーカー、そしてジーンズが新しい富裕層の制服になりました。
まとめ
実際に来たいと思えるようになった最近ですが、なぜか。
①働き方が自由になった。
②住んでいる場所が東京→メルボルンへ。
−1 洋服はかなり自由な発想でOK。
−2 街自体がストリートアートなどがあって、ストリートファッションはむしろ馴染む。悪ぶった感じにならない。
③少ない手持ちで回せる便利さ。
④タフさ。コットンが多いいので自然と着心地も良い。
⑤発想が自由に(なる気がする)。伝統的な格好はそれはそれで身が締まって・ある一定の文化度を示せるが、時に窮屈でつまらない(印象も)。
その点、【広義のストリート】は親しみや柔軟さを示していると言える。
⑥女性・女性らしさを放逸できる楽しみがある。
(2019年グラミー賞 ビリーアイリッシュもストリート)
以上。非常に大まかにですが、ストリートの起源・経緯をご紹介いたしました。
最後に、映画『ワイルド・スタイル』より、HIP-HOPの4大要素は、
ラップ、DJ、ブレイクダンス、そしてグラフィティとのこと。
次回は、もう一方のスケーティングの歴史、そしてその次に日本におけるストリートの歴史を取り上げたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
真吾
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