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チェンソーマンを全く知らないのでOPの元ネタを全部観てストーリー予想してみた

チェンソーマンというアニメ作品のOPの話

ネタバレ厳禁でアニメ「チェンソーマン」を観たら

※この文章は2022年11月7日に公開されたものを追加修正したものとなります。よって再公開日と情報の誤差があるものとします。

どうも、今年2月から始めたマーベルシネマティックユニバースの作品を公開順に全部観るチャレンジを最近完遂して11月公開のブラックパンサーを座して待つSasakiです。

みなさんは最近アニメをご覧になられていますか?新しいアニメを観るのって体力使うよね~って言われがちですが、今冬は良いアニメが沢山あるので是非見てみてください!特に「チェンソーマン」の世間からの注目度の高さは目を見張るものがあります。製作委員会方式ではない形の制作、12回の放送で毎回エンディングが変わることで様々なクリエイターとのタイアップを実現、リアルテイストの作品ながらしっかりと絵が動いている、何から何まで”普通じゃない”と、素人目にも感じさせられる作品だ。

かく言う僕は漫画を全く読まない性分で、漫画が嫌いという訳ではないが映像という作品と比較するとどうしても自分の中の優先度が下がるため、漫画・小説で大人気の作品もアニメ化・実写したら観るというスタイルを貫いている。最近ではやっと「メイドインアビス」の2期が放送されたので続きを知ることができたくらいですから、思った以上に原作というものに手を出していない。

その良し悪しはともかく、音楽・映像・音声の融合した映像作品を毎週まっさらな気持ちでワクワクしながら視聴するのはとても面白い体験だと感じています。これが原作を避けて映像だけ観る一番の理由かも。

そして「チェンソーマン」も例に漏れず2020年くらいから名前は聞いたことがあり、有識な知人らは口をそろえて「アニメになるとやばいぞ」と言っていたが、頑なに漫画は見なかった。今は第2部に入ってるらしい(ジョジョ以外にも~~部っていう形態があるんですね)。僕を知る人は僕の一番好まないモノが「ネタバレ」であると知っているため、彼らの寵愛のもと過ごし、それ以上のことは何も知らずに今の今まで生きてきました。

米津玄師に完全敗北した

そして何も知らず視聴した第一話、OPは米津玄師、エンディングは週替わり。まだまだストーリーは明かされてないからこれからと言ったところだったが、OPアニメーションはおそらく何かを模したカットがたくさん出てきたことはわかった。なんかやたらとメインの被写体以外が実写風な動きをしているシーンが多いし、背景の小物とかを正確に描き過ぎている。貶してるわけじゃなく、モチーフの存在を暗に感じさせるという事です。

そんな折、こんな記事がSNSで話題となり僕の目に飛び込んでくる。

よくみたら執筆時点で1ヵ月以上前の記事じゃないか!内容はざっくり言うと、米津玄師はモー娘。のヒットナンバーからフレーズを借りて「KICK BACK」を作詞したとのこと。正直気付かなかった。米津玄師にしてやられたのです。

元ネタが分かったらそれはそれで納得感があるはずですが、これはまさに完全敗北という4文字が頭をよぎりました。なぜかと言うと、「元曲を知らなかったとしても自分で気付けた」という一点に尽きます。

なまじネタバレ厳禁生活を送っている身なので、ファンならすっと入ってくる伏線や胸きゅんポイントを自分で掴みにいかないとただのイキリ野郎になってしまうわけです。そして、その伏線は上記の記事を観るよりも前に見て聴いていた音楽ストリーミングアプリの歌詞情報表記のところに、堂々と「Song Writers:つんく♂」って書いてありました。そこに気づけなかったんだけど、ちゃんと見つけられてたら絶対に疑問を持って調べたはずです。なんで米津の曲をつんく♂が書いてんだと。
それより先に第一次ソースが目に入っちゃったというお話です。

Amazon MusicのKICK BACKの歌詞情報表記

果てしない元ネタ理解への道へ

つんく♂さんも記事内で仰っていますが、引用したいと申し出てまで作詞する米津玄師のクリエイターとしての矜持には驚かされるし、素晴らしいなと思いました。好きと公言する漫画の曲を作るという仕事の中で全く関わりの無い別の人を巻き込んでしまうなんて、とても普通じゃない。

そしてその作品を享受する我々はちゃんと理解してあげる必要があります。歌詞に込められた想いだけでなく、なにかと元ネタがありそうなOPのカットも、原作を全く知らない僕だからこそ忌憚なく純粋な気持ちで深く考えることができるはずだ。

知人は「絶対にストーリーがどうなるかは予測できない」だとか「OPは映画好きの原作者へ向けたサービスカット」だとか言うが、私のゴーストはずっと囁いている。とりあえず元ネタ全部観ろと。
原作を見てしまえば一撃で分かると言われたらそれまでですが、「新世紀エヴァンゲリオン」のOPの考察と似た感覚をリアルタイムで味わえるなら、一度やってみるのも一興というもの。

というわけで今回の記事では、チェンソーマンのOPの随所に散りばめられた映像作品などのオマージュ元を調べることでより作品について理解し、あわよくばストーリーの全容を知らない僕が今後どんな展開になるかふわっと予測していこうと思います。


チェンソーマンOPの元ネタ全部観る

元ネタは探せるだけでも沢山ありそうだし、気付いてないだけでもっとあるかもしれないけど、あまり深く調べすぎるとネタバレの鉱脈を掘り当ててしまう可能性があるため、海外有志が投稿しているYoutubeの考察動画のみ参照することにした。

というかそもそも全部の元ネタがストリームビデオオンデマンドで視聴できるのかが怪しかったが、なんと全部観れるっぽい。無料トライアル様様だぜ。以下、今回のレギュレーション↓

※OP静止画はMAPPA CHANNELよりyoutubeにアップロードされているノンクレジットOP動画からのキャプチャで引用する。
※原作そのものとおぼしき情報は飛ばすこととする。普通にネタバレになりそう。(例:銃の悪魔など)
※必然的に元ネタの映画や文学に対するネタバレを含みます。もし筆者のようにネタバレを極度に気にされる方は見ない方が良いと思います。または同じように元ネタ視聴マラソンをしてください。
また、大まかな分数も明記しますので気になるやつはどれくらいで見れるか判断する材料にしていただければと思います。

元ネタ1:「神曲・地獄篇」(1300年頃)

初っ端映像じゃありませんでした。勿論神曲など読んだことは無く、この年まで古典文学を避けてきたツケが回ってきたかというところ。デッキから3枚墓地に送る方のダンテしか知らないよ!と嘆きつつ、古の文体で読んでも意味を汲み取れなさそうだから、神曲の解説本をAmazonで購入↓。こうでもしなきゃ新しい知識は得られないんだ。(元ネタを理解するという点では直接的に関わりはありませんが、まあとりあえず読んでみようと思って手に取りました)

背景に映る特徴的な挿絵は第22歌、悪魔がナヴァーラ王国の亡者を痛めつけるシーンを描いています。絵(版画)の作者はギュスターヴ・ドレ。生前は位が高かったであろう人物をメッタメタに痛めつける描写は、デンジの世の中への反逆に通ずるものがあるように思える。

元ネタ2:ビートルズ「アビイ・ロード」(1969年)

これは強烈にオマージュはしていないけど、ある程度は意識してそう。歩いてる方向は逆だけど、親の顔より見た横断歩道を渡る4人組の構図。正確には道の真ん中を歩いているので少し違う。

完全に一致しているわけでは無いから、単純に不意に似た構図になったとも取れなくもない。ただ、ビートルズがこのアルバムを作った頃は解散の危機に瀕していたらしく、実際にこのアルバムを世に送り出した約1年後に解散している。作中の公安チームも実験的な組織だからすぐ潰されちゃうかもとマキマさんが言ってたし、これからの崩壊(?)を暗に示しているのかもしれない。

元ネタ3:「レザボアドッグス」(1992年・99分)

スーツを着て歩く集団、横から見るカットから正面への切り替え、オマージュと見て間違いないでしょう。元ネタは映画冒頭部分、仕事に向かうギャング達の紹介カット。そしてこの中に一人だけ裏切者が居る。

順当に意味のあるオマージュなら、このデビルハンターの中に違う目的を持って潜入している奴がいるという事でしょうか。ひねりなく今ある情報だけで考えれば、普通に生きたいと願ったり胸を揉みたいと思ってるデンジは集団の思考とは違うのかもしれない。それとも別な考えで動いている人物がいるとも・・・。

元ネタはU NEXTで視聴できますが、気付かずアマプラでレンタルしちゃいました。100円。時間軸を入れ替える手法は今日の映画ではよく使われている気がしますが、先駆け的な立ち位置なのかな?

元ネタ4:「悪魔のいけにえ」(1974年・83分)

安らぎの表情でポチタを抱くデンジ少年。背景の正確さからも間違いなさそう。元ネタは映画冒頭部分、墓荒らしによって掘り起こされた遺体で作られた芸術作品。つまり二人の遺体。

デンジとポチタは第一話で半ば死んでたしオマージュする意味合いはありそう。ただ、デンジ達が「作品」であるという線も捨てきれない。誰かの意思によって運命付けられてる?とか?

こちらもU-NEXTで観られるのですが、またも早とちってアマプラでレンタルしてしまいました。普通に怖かった。

元ネタ5:「パルプ・フィクション」(1994年・154分)

構図もさながら、背景と口元がほぼ一緒。元ネタは映画の終盤、レストラン強盗に旧約聖書「エゼキエル書」の一説を引用して問い詰めるシーン。

ここにキャストされてる岸辺は4話時点で出てきませんが、「聖書の引用」や「神の存在を確信している」「正当な行いと信じて人を罰する悪党」など、どこかで引っ掛かってきそうな設定がいくつか散見された。引用されている「エゼキエル書」も関係してくるのだろうか。(アニメ未登場キャラはアニメ公式サイトから確認して判断しました)

こちらもU-NEXTで視聴できます。何でも観れるねこのVSOD。

元ネタ6:「貞子vs伽椰子」(2016年・98分)

バケモノとバケモノをぶつけてるシーン。沢渡アカネが井戸に飛び降り、デンジとサムライソードが激突している。(アニメ未登場キャラはアニメ公式サイトから確認して判断しました)

デンジ以外がまだアニメ未登場なので詳細に考察できないが、サムライソードもデンジと似た悪魔と契約した人間なのかもしれない。ぶつかると最強のフュージョンが起こるかも。アカネはどういう関わりなんだろうか?元ネタでは生贄でしたが・・・。

こちらもU-NEXTで視聴可能です。

元ネタ7:「ノーカントリー」(2007年・122分)

血と暴力の象徴である殺し屋が、殺しで汚れないように靴を脱ぐシーン。キャストされたキャラも「暴力の魔人」となっているので、冷徹で独自の主義があるキャラクターデザインの可能性が高そう。

元ネタは数多の賞を受賞している作品ですが、素人が内容を読み解くにははかなり難解だと思った。原題の「No Country for Old Men」や、セリフの一部にある「世界の一部になる」というような表現から、魔人や悪魔も大きな世界構造の一部であり、より大きなスケールでの世界設定があるようにも思える。

こちらもU-NEXTで視聴可能、アマプラだとレンタルで299円と少し高め。

元ネタ8:「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年・171分)

アキが運転して車を出し、デンジが助手席にいる。元ネタは映画冒頭、自宅に停められた車を出すシーンで、運転してるのがブラッド・ピット、助手席にいるのがレオナルド・ディカプリオ。二人はスタントマンと俳優という間柄で仕事を共にする相棒。アキとデンジも良いバディなのかもしれない。

また、「once upon a time」という句からもおとぎ話が連想されるように、元ネタと同じく現実とは少し違った物語がある世界なのかもしれないと思わせてくる。

こちらもU-NEXTで視聴可能。

元ネタ9:「アタック・オブ・ザ・キラートマト」(1978年・87分)

闇属性のリクルーター・・・ではなく、カルト的人気のあるコメディなのかホラーなのかよくわかんない映画。よく見ると右の壁に第1話に出てきた「トマトの悪魔」が図説されているため、トマトの悪魔がアニメオリジナルでないとしたら作者が元から好きだった作品という風にも考えられる。

元ネタは映画冒頭部分、トマトの怪物を対策するための会議をするものの、急造なため狭小の会議室に大勢が入っていくシーン。あまりにも滑稽。このキャストされているデビルハンターチームもコミカルな掛け合いが見れるのかもしれない。

名前だけ知ってる映画筆頭でしたが、あまり配信してないみたい。U-NEXTで視聴可能でした。

元ネタ10:「女優霊」(1996年・76分)

恐怖するように絶叫するデンジの裏からひょっこり現れるパワー。元ネタでも数回流されるので、怖いシーンのはずなのに妙な印象とともに面白く見えてくる。

元ネタは映画終盤、撮影中に霊が乗り移った代役女優が狂ったように笑うシーン。死んでしまった女優の代役に乗り移る霊というのは、魔人の設定にも通じるところがある気がする。

1時間ちょっとと短めでサクッと見られる作品でした。こちらはHuluで視聴できました。

元ネタ11:「ジェイコブス・ラダー」(1990年・114分)

天使の悪魔が階段に腰かけてこちらを見つめている。元ネタは映画クライマックス部分、主人公が昔亡くしてしまった息子と自宅で邂逅するシーン。そのまま光へ続く階段をのぼり、主人公は絶命します。

「ヤコブの梯子」というタイトルからも非常に宗教色が強く聖書などの予備知識が必要です。神曲の次は聖書を読まないといけないかも。そして当然のように劇中に神曲地獄篇の悪魔の絵が出てきました。チェンソーマンを通じて元ネタ同士が密接に関わっているようです。

こちらもU-NEXTで視聴可能です。

元ネタ12:「コンスタンティン」(2005年・116分)

アキが姫野先輩に何かを渡すシーン。いつも持ってる日本刀ですかね?元ネタは映画最終盤、キリストを殺したとされる「運命の槍」をヒロインに渡すシーン。天使や悪魔が人間界に紛れ込んでいるという世界観はチェンソーマンに似ているような気がする。

「ジェイコブス・ラダー」よりも宗教的な色合いが強く、当然の知識としてキリスト教等について知っている必要がありそうだった。余談ですがこの2作品に共通している悪魔の描写でどっちも小刻みに振動してたんですが、なにか元ネタでもあるんだろうか。

こちらもU-NEXTで視聴可能です。

元ネタ13:「ビッグ・リボウスキ」(1997年・117分)

特徴的な演技のデンジが素人目にもオマージュを感じさせる。背景にあるトゲトゲのオブジェがまんまそれなので間違いないでしょう。ボウリング玉を磨く人物と投げる人物を分けて書いていますが、劇中ではこれらは同一人物であるので厳密には同じシーンはありません。元ネタはボウリングが上手な同性愛者「ジーザス」がその腕を魅せるシーン。なんとこのシーン以外は映画に出ない脇役です。

余談ですが、このシーンに入る前、謎のモヤモヤがトランジションに使われていてなんだろうと思っていましたが、この映画を観たら謎が解けました。映画冒頭の語りのシーン、その語りとともにタンブルウィード(西部劇でよく出てくる丸っこい枯草の玉)が転がっています。多分それのオマージュではないのかなと思います。

こちらもU-NEXTで視聴可能です。U-NEXT無双もこの作品まで終わりです。

謎のモヤモヤ(タンブルウィード)

そしてこれまで見てきた映画の中での沢山ある共通点として、「ロサンゼルス」を舞台にしている映画が多すぎるという点があります。もちろんハリウッドがあるところですので、映画産業の中心であり撮影の舞台にも使われやすいということなのかもしれません。ちなみにロサンゼルスは地中海性気候で降雨量が少なく日照時間が多いので、スタジオ以外の外撮影がしやすいという利点があるそうです。

名前からも分かる通り「Los Angels」は天使が名前に含まれています。ロサンゼルスの意味としては「天使の母」らしく、つまりマリアを指しているそうです。母性を象徴するものはチェンソーマンでもある程度出てきているので、元ネタ選びもちょっと意識してるのかもと思いました。

元ネタ14:「ソー:ラブアンドサンダー」(2022年・120分)

これは何となくロゴの色合いでソーなんじゃないかと薄々感じてましたが、元ネタとしてフレッシュすぎますよね。きっとマーベルも公開年にオマージュされるなんて思ってもいなかったでしょう。

そんなに作品に関連した設定がありそうではなかったんですが、「ラブ」と「サンダー」でバディということなら、「パワー」と「デンジ」でバディということなのでしょうか?

マーベル作品は基本的にDisney+ですぐに見れますが、見たことない人は公開順に観ることをお勧めします。また別の視聴マラソンが始まってしまいますが。

元ネタ15:ハエトリグサ・冬虫夏草・ネナシカズラ

これはもう作品でもなくただの植物(もしくは菌類)、でもしっかりと書き込まれている。これらを何も考えずに書いたとは到底思えない。上記の動画にはハエトリグサとしか書かれていないが、胸元から生えてるのは冬虫夏草・眼前に生えるのはネナシカズラか。調べたところネナシカズラは似たような植物がいっぱい出てきたため断定できませんが、葉緑素を持たないためツルが赤色等になるという特徴が比較的描写と一致するので選んでいます。違ったら教えてください。

両者ともに他の生物に寄生することで成長するキノコと植物で、ハエトリグサは食虫植物。ハエトリグサの英名は「Venus Flytrap(女王のハエトリ罠)」。両端の牙のようなトゲトゲが女神のまつ毛に見えるらしい。同様に有名な食虫植物であるウツボカズラは出てこないことから、あえてハエトリグサにしているならとても意味ありげに見える。

構図としてはデンジとマキマ。女神とはマキマのことでしょうか。食虫植物や寄生される様子から、デンジを巧みに利用しようとしているとも取れる。

元ネタ16:「ブラックパンサー」(2018年・134分)・タイワンアリタケ

サバンナとかに生えてそうな特徴的な木々。あいにく豹はいないけど、確かに構図は似てる。元ネタはブラックパンサーになる儀式の夢の中。ここでティ・チャラは親父と邂逅するわけですが、どちらかと言えば「夢」にかかってそう。

第一話でも「夢」という単語には意味ありげな言い回しだったので、理想の生活をさせてくれるマキマが「夢」の象徴なのか、それとも今デンジが生きる世界が「夢」なのか・・・。今はまだわからないね。

こちらもDisney+で視聴できますが、こちらは2022年11月公開の最新作も含め非常に深い意味を持っている作品ですので、やはり公開順に作品を見たうえで見たい作品だと感じています。

そしてよく見たら手のひらにアリらしき昆虫が。この流れで描くとしたら、アリに寄生してゾンビ化させるという「タイワンアリタケ」か。アリに寄生するキノコで、寄生されるとアリを洗脳して樹上の葉っぱに噛み付かせてから絶命させるらしい。

元ネタ17:エメラルドゴキブリバチ

もう明らかに他の生物を利用する生物を出してるから、きっとデンジとマキマの関係はそういう事なんでしょう。マキマは女神、母親のような存在でありながらデンジをいいように利用しようと企んでいる。あるいは利用しなければならない立場・使命がある。

元ネタは変なモノが大好きなインターネッツユーザーのみんなが知ってる寄生蜂。ゴキブリに毒を注入し洗脳して幼虫の生餌にするというとんでもない蜂がデンジに乗っかってる。デンジはいいように利用されているのではなかろうか。

元ネタ18:ロイコクロリディウム

調べてはいけない系の画像としてよく出てくるカタツムリの寄生虫。なんと沖縄か北海道でなら実際に見られるらしい。鳥の糞に紛れた卵をカタツムリが口にすると体内で一気に増殖、触覚にギラギラ光る器官が来るようにポジションを整えたのち、鳥に見つけてもらうため昼間に行動するように洗脳するとかいう鬼畜生物。鳥もまんまと食っちゃうと子孫を繋ぐライフサイクルを担わされる。

デンジに食わせようとしてるのでデンジは鳥?いいように扱われるという点では、エメゴキバチとは立場は違うが同じ感じだ。それにしてもアニメーションの作画でも寄生虫の不気味さは健在、おぞましい。

元ネタ19:「ミャクミャク」

万博の悪魔・多様性の悪魔・普通じゃないマスコット。公式サイトの愛称コンセプトによれば、赤と青は動脈と静脈をあらわしているようにも見えるとか。おまえ、管だったんだな。

元ネタ20:「新世紀エヴァンゲリオン 第拾六話」(1995年・全26話)

元ネタの第拾六話に登場する使徒「レリエル」から抜け出すシーンと酷似しています。元ネタの元ネタ「夜の天使レリエル」は出産を見守る天使らしい。それと虚数空間に引きずり込む能力にも注目したい。

レリエルは初号機を虚数空間「ディラックの海」に引きずり込みました。虚数空間とは存在しない別の空間・別の宇宙とも言えるそうですが、別の世界や原基分布図を模したデザインの敵から脱出する様は、出生に関する秘密や別の世界の存在を示唆しているようにも見える。

どこでも配信してそうでどこでも見れるわけではないエヴァンゲリオン、Netflixなら無料視聴できます。

元ネタ21:「ファイトクラブ」(1999年・139分)

でかいきんのたまを発見するシーン。元ネタではプロジェクト・メイヘムの一環「一石二鳥作戦」で破壊された市のオブジェが金の玉でした。

メイヘムとは、混乱とか騒乱という意味ですので、「全部めちゃくちゃにしたい」「何もかも消し去りたい」という歌詞やデンジの粗暴な感じにマッチしている気がします。とするとミャクミャクは資本主義の象徴なのでしょうか・・・。

こちらはAmazon Primeほかで視聴可能です。

元ネタ22:「ノーベル賞」

これはノーベル賞についてもいろいろ調べてみましたが、ちょっと分からなかったのでおそらくこれから先作品の中にこういう描写やセリフがあるんじゃないかと思ってます。おバカキャラまっしぐらなのにノーベル賞って知ってるのかな?

「ドア」

これは作中で明らかになっていく部類の描写だと思うが、ちょうど最近観たマーベルのドラマ作品「ムーンナイト」にも似たような象徴的な描写がありました。

「ムーンナイト」では長い1本道の廊下が何度もドラマ内でロケーションを変え映し出されることがありましたが、内容的には異世界との境界線・異世界との連絡通路のような意味合いがあることが伺えます。非常に眉唾ですが、ドアや門は別の世界との境界という象徴にされがちですので、やはり別世界・空間の存在・またはそれらの意味に近しい空間との関係を匂わせているように感じます。

ムーンナイト予告編より

元ネタ23:「読書の風刺画」

読書しない人と読書している人とでは世界の見え方が違うという風刺画。楽しそうに遊んでいるデンジとパワーをよそ目に、アキは雪の上に佇み、マキマはさらに高い視点を見ている。

このことからデンジとパワーは境遇は違えど立場はほぼ同じところにあって、アキとマキマにも思惑が違う面があると推測できる。そしてアキは本ではなく雪の上に立ち、肩には雪が積もっている。OP中盤にも雪山のような背景描写があるため、物語の中で舞台として登場するか、あるいはアキの過去や秘密と関わりがあると見てよいでしょう。

元ネタ24:「ホットドッグダンス」

これも関連性が低そうに感じたんですが、名前から関連を求めるならば、二人とも「犬」ということでしょうか?「ホットドッグ」の「ドッグ」は意味合い的に普通に犬らしいので、マキマの下で働く犬を象徴する踊りなのかもしれないが、楽しそうなのでよしとしたい。

そういえば2話でフランクフルトも食べてたので、やっぱり犬にかかっているんだろうか。元ネタはネズミですが・・・。

「コン」のポーズ

これも恐らく作中で明らかになる部類のネタだと思いますが、アニメ公式サイトの立ち絵ですらこのポーズのため、アキと狐には密接な関わりがあると見えます。

狐が象徴するものとしては、嘘や女性などがありますが、アキは既に金的攻撃を受けているため女性ではないように思えます。アキのおいなりさんという事でしょうか・・・・。それとも何か隠し事があるのか、アキそのものが狐なのか、何かを発動するサインなのかもしれない。って思ってたら4話で出てきました。狐を呼び出す合図だったんですね。

また、このポーズの後ろで歩行者信号が点滅しており、場面切り替わりのタイミングで赤信号になります。このポーズについて象徴しているということなら、とても危険なことが起こるような予感もさせます。第3話のEDにおいては「マキシマムザホルモン」が象徴的なフレーズを歌詞に起用しており、「コン」の後には激しい演奏と痛々しい擬音のラッシュがあります。本編でこのポーズが登場すれば大変なことが起きるかもしれない。

作品を鑑賞するという事について

元ネタマラソンを完走した感想

くぅ~疲れました、これにて完走です!(笑)なんとほとんどの作品はU-NEXTで視聴できてしまいました。マーベル作品に関してはDisny+で視聴済みだったため多少のアドバンテージはありましたが、まだまだ知らない作品がある喜びに浸るとともに、より沢山の周辺知識を以てチェンソーマンを視聴できる楽しさを獲得できました。

結局のところ考察と言える考察はしていませんが、なまじ本筋が確定しているものを間違えて考察して断定してしまうと「カニンガムの法則」に倣って「それの解釈は違うぞ!」と本当の結末を書かれてしまいそうなので、ふわっと想定するだけにとどめます。

ですが、オマージュ元の選定としては同じ監督の作品やスプラッタの傾向がある映画から選ばれていることから「作者の好きな映画」という点は否定できないものの、元ネタ同士の設定の類似や同系統の作品解釈など、好きにとどまらない選定意図があるように感じました。

一人で好きなことを描ける漫画もさることながら、多人数での製作や構想が前提のアニメーションならではの素晴らしい集合知的クオリティがあると感じさせてくれます。

ファストコンテンツ全盛の時代における映像鑑賞

昨今の世の中は情報で溢れています。アレもいいよコレもいいよと言われるが、とても人間の速度では処理しきれない。特に自分を含めサラリーで働く人間にとって自由時間はごく限られており、映画を観るためにはゲームをする時間を削る必要があるし、読書をするためにはアニメを観る時間を放棄する必要がある。時間は限られている。

面白い・つまらないという判断はもとより「ネタバレを見てから視聴を判断する」とか、面白い作品であるにも関わらず「倍速視聴」しちゃうとか、映画やアニメの絶対的な時間でさえ否定されるようになった結果、片手間でサクッと見れる15~30秒程度のショートムービーや、いいとこ取りの「切り抜き」が隆盛するのは自明の理とも言えます。

元ネタを解説!と謳うコンテンツを見て「これはこういうことなんだよ」と解説されたらそれで納得してしまいますよね。なぜなら元を確認するのはとても面倒な道のりだから、つい聞いただけ・見ただけで理解した気になれてしまうんだけども、やっぱり自分の目で見て感じてみるのはすごく楽しい事なんだと思い出させてくれました。

きっかけはなんでも良いと思います。ぼくは銃の知識は全くありませんでしたが、近年Apex Legendsをプレイしたことで銃に興味を持って調べた結果、ショットガン・SMG・スナイパー等の違いが分かるようになりました。映像作品によく出てくる武器がどのような用途で使われるか、スッと頭に入ってくるようになり、より楽しく視聴できている気がします。

楽して生きていたい・・・どころか、楽しむためのコンテンツですら楽なモノを選びがちな現代人、エンターテインメントくらい失敗を恐れずに享受してみませんか?映像鑑賞も読書も苦しくないので、年末年始にでもDisny+に入って映画見てみませんか!?映像鑑賞があなたの人生を華やかにする、そんな願いを込めたきっかけとしての文章として締めさせていただきます。
おわり。


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