経営TOPがミドルマネージャーに求めるものとそのギャップ_経団連『ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応』
2012年に経団連が発表したミドルマネージャーに関する調査報告書です。この資料の面白い点は企業トップとミドルマネージャー両者に調査を行い、それぞれの認識のズレを可視化している点です。
かなり色んなところで引用されており、10年前から実務面で納得感の強い資料だったのだと思われます。
※回答を行っているのは経団連所属企業のみなので、多くは成熟期に入っている企業である点に注意です
興味深い調査結果の抜粋
経営トップのミドルマネージャーに対する評価
個人的にかなり意外だったのが、経営トップが自社のミドルマネージャーの働きぶりについてどの程度満足しているか、という設問に対して概ね満足しているという結果です。
重要度の高いミドルマネジャーの役割(昔と現在の比較)
さらに細分化していくとさらに面白い結果が出てきます。
経営トップに「自分自身 がミドルマネジャーであった頃」と「現在」において重要度が高いミドルマネージャーの役割を挙げてもらったところ、以下のような結果になりました。
企業トップ自身がミドルマネージャーであったころにはそこまで重視されていなかった「部下のキャリア・将来を見据えて必要な指導・育成をする」「経営環境の変化を踏まえた新しい事業や仕組みを自ら企画立案する」ことが現在のミドルマネージャーには求められています。
しかし、同時にこの2項目は自社のミドルが達成できていない項目のトップ2でもあります。
経営者は概ね自社のミドルマネージャーの仕事ぶりに満足しているものの、現在新しく求められるようになった「新規事業や新しい仕組みの創出」「部下のキャリア開発」については上手く対応できていない、と捉えていることがわかります。
経営者としても「自分のときはここまで求められなかった」とミドルマネージャーに共感・評価しつつも、新しい時代になんとか対応して欲しい、という苦悩が伝わるような調査結果だと感じました。