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shino
2018年7月31日 15:51
夏の陽射しが、ゆうらり、ゆうらりと、上空から降り注ぎ、濁った海水に色の層を作り出している。コバルトブルー、エメラルドグリーン、青藍、白群。美しい響きの持つ言葉のどれも、ここには当てはまらない。というより、あまり良くない視界では意味を持たない。水中を震わせる微かな周囲の音と、海水の温もりだけが頼りだった。ぐおん。急に身体が上向きになった。水圧に負けぬよう、尾を大きくしならせる。光の筋は近づけば近